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2021.03.04

ブログ|元保護犬おじいわんプゥ|vol.14

元保護犬おじいわんプゥの日々好日|殺処分ゼロの裏には何があるの?

近年、保護犬や保護猫のことがテレビやマスコミで報じられることが多くなりました。動物愛護法の改正などを経て、各都道府県でも殺処分ゼロに向けて大きく前進しました。それはとても喜ばしいことですが、その裏側にある現実は決して喜べることばかりではありません。
今日は、殺処分ゼロの取り組みの裏で起こっている悲しい現実についてお話します。

#ミニチュアダックスフンド / #保護犬おじいわんプゥ

泉 能子/愛犬家、ドッグライター

動物愛護法の改正でもたらされた光と影

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環境省(※)によると、犬の殺処分の数は平成20年に82,464匹だったものが、令和元年には5,635匹と激減しています。これは幾度かの動物愛護管理法の改正により、犬猫などの売買に対する罰則や規制が厳しくなったことによる成果だといえるでしょう。
ここから殺処分ゼロに向けて大きく前進したようにみえますが、その裏側では実は悲惨な現状が続いています。

売れ残った子犬の行き先は?

ペットショップで売られている子犬は、販売ピークを過ぎるとプライスダウンされることも。それでも売れないという場合もあります。売れ残った犬は、かつては多くが保健所に持ち込まれていました。

現在、保健所では安易に犬を持ち込むことを禁止しています。処理費用の徴収や身元確認のための誓約書への署名捺印などが求められ、業者による犬の持ち込みを禁じています。
では、保健所に持ち込まれなくなった売れ残りの犬はどこに行くのでしょうか。

闇の引き取り屋の存在

ペットショップも繁殖専用ブリーダーも、売れ残りの犬をずっとは抱えていられません。知り合いに譲ったり店頭で無償譲渡したりするところもありますが、そういった事業者ばかりではないのが現実です。

そこで、保健所に引き取ってもらえなくなった売れ残りの犬や、病気になった繁殖犬などを安価で引き取る「引き取り屋」が現れました。引き取り屋そのものは違法ではありませんが、安価で引き取った犬を大切に最後まで世話するとは限らず、中には狭いゲージに閉じ込めて満足に食餌を与えず、病気になっても治療をせず、結局は死なせてしまうということが現実に起こっています。保健所での殺処分より、酷い虐待殺処分と言えるのではないでしょうか。

餓死・衰弱死した犬を大量に山中に捨てたという引き取り屋が逮捕されたケースもあり、各有志団体から警告が出されてもいますが、闇で引き取り屋に引き渡されるペットはまだまだ少なくないでしょう。

犬の遺伝子検査やマイクロチップ挿入義務の抜け穴

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健全なペット販売を目指して、ペット業界では現在オークション時に遺伝子検査を義務付けるところが増えているようです。遺伝子検査そのものは、そのコの身体的な特徴を知ることができるという意味で飼い主にとってメリットではありますが、その遺伝子検査で望ましくない特徴が出た子犬やその親犬はどうなるのかが気になります。

2019年6月に改正された動物愛護法によって、繁殖犬・猫やペットショップで販売される子犬・子猫にはマイクロチップの装着が義務付けられました。ブリーダーのもとにいる子犬・子猫には装着の義務は依然としてありません。

ふたつの取り組みはどちらも意義のあるものです。しかし、現状の社会の仕組みではすべての問題を根絶することは難しいでしょう。

私たちにできることは?

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動物愛護法による厳しい規制やマイクチップ挿入の義務などによって、少しずつ進展はみられているものの、まだまだ変えていくべき仕組みは沢山あると思います。

私たち一人ひとりが命を引き受けることの重さを感じて、何ができるのか、犬たちとの未来にどんな明るい選択肢が選べるのか、考えることが大切なのではないでしょうか。

参考文献
  • 更新日:

    2021.03.04

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ライター・専門家プロフィール
  • 泉 能子
  • ドッグライター
  • 動物が大好きで、気づけば隣にはいつも愛犬がいて、愛犬とお互いに助けたり助けられたりの共同生活をしているドッグライターです。 今までにヨークシャーとスムースダックスを育てて看取り、今は保護犬の9歳になるブラックタンのダックスと暮らしています。 人と犬が楽しく幸せに暮らすために役立つ記事を発信していきます。