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柴犬 小説
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2021.05.07

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第2部】|vol.5

人間大好き!でも犬は…

お散歩が大好きになりすぎて、メロンは毎朝4時に起きるようになりました。
ケージから出て、ママが起きてくるのを、ドアの前にお座りしてじっと待っています。

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第2部】の連載第5話です。

おはよう!

「おはよう。今日も早いね、メロン」

まだ眠そうなママに、メロンはしっぽを振って朝のご挨拶をします。

ママは身支度を整えると、メロンの首輪にリードをカチャリ。
この音はお散歩の合図。メロンは、これも大好きになりました。

「さぁ、お散歩に行こうね!」

元気な声と共に、玄関のドアが開けられます。
朝の清々しい光が、メロンの瞳を明るく照らしました。

人懐っこいのはいいんだけれど…

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川沿いの遊歩道を歩いていると、いろいろな人に行き交います。
ウォーキングをしている人、川を泳ぐカモを眺めている人、もちろん犬の散歩をしている人も。

「おはようございまーす!」

「おはようございます。わぁ、かわいいワンちゃん!」

誰もが、メロンに笑顔を向けてくれました。
元気に挨拶するママのマネをして、メロンもきちんとご挨拶。しっぽを振って、どうぞなでてくださいと足元にペタリ。

「この子、豆しばちゃんでしょ? こんなに人懐っこい子、初めて見たわ。偉いわねぇ」

褒められているのがわかり、メロンは大喜びです。

「ありがとうございます。人は大好きなんですけどね…」

ママはちょっぴり苦笑い。

「実は犬が…」

This is 塩対応

「おはようございまーす!」

「あ、ちび太くんのお母さん! おはようございます!」

コーギーのちび太くんとは、毎朝のように顔を合わせます。
ちび太くんは、メロンと仲良くしたくてあの手この手を使うのですが、肝心のメロンはつれない素振り。そっぽを向いてばかりです。

それだけならまだいいのですが、ある一定の距離から中に入ってくると、牙を剥いて怖い顔をする始末。メロンなりのパーソナルスペースがあるのでしょう。

「こらこらメロン、そんな顔しないの! ちび太くん、ごめんね」

「大丈夫、ちび太は打たれ強いから」

ちび太くんのお母さんは朗らかに笑いますが、ママは申し訳ない気持ちでいっぱいです。

どうして犬には塩対応なのかなぁ。
自分も犬だって思ってないのかなぁ…。

「あらあら、ワンちゃんが苦手なのかしら」

「しょっぱいですよねぇ…」

それからも、犬のお散歩をしている人と行き交いました。
その人たちに対しては、メロンは本当に嬉しそうにご挨拶。
なのに、ワンちゃんに対しては、一貫して塩対応。そっぽを向いたり、歯を剥き出したり…。

ママは謝ってばかりです。

「メロン、こんなんじゃお友達できないよ?」

メロンは全く気にしていない様子で、楽しそうに歩いています。

「育て方を間違ったのかなぁ…」

メロンとは対照的に、ママの足取りは重くなってゆきました。

  • 公開日:

    2021.03.28

  • 更新日:

    2021.05.07

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。