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柴犬 小説
連載 / ブログ

2021.03.21

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第2部】|vol.4

お散歩デビューだよ!

朝5時。
まだ薄暗いうちから起き出したママは、何やらゴソゴソと準備をしています。

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第2部】の連載第4話です。

何これ、ヤダよう!

ママの小さなリュックに入れられて、外に連れ出されていたメロンは、「お外に行こう」という言葉を覚えていました。

楽しいことが待っている、大好きな言葉。

ですが、今日のママは「お散歩に行こう」と言っています。
しかも、こんな朝早くから。

何度か聞いたことのある言葉だけど、それが何なのか今一つわからないメロンは、ママの様子をじっと見つめていました。

「首輪をつけなきゃね」

そう言うとママは、メロンの細い首にカチャリ。
メロンは、生まれて初めての出来事にビックリしました。

何これ、ヤダよう!

頭をぶんぶん振り回しても、小さな手でパンチをしても、はずすことはできません。

「あ、リードを忘れてた」

さらにママは、細長いヒモをカチャリ。
ますますイヤな感じです。

ヤダヤダ、こんなのいらない!

ジタバタするメロンを抱え、ママは玄関のドアを開けました。

楽しい! 嬉しい!

画像のalt設定

あれ、お外だ。

メロンは、キョロキョロとあたりを見回します。
まだひんやりとした空気、見慣れた景色。

でも、どうして今日は、首に変なものを付けられたのかな?

「さぁ、お散歩だよ!」

ママは、メロンをそうっと降ろしました。
そして、リードを手に持ち、ゆっくりと歩き始めます。

……わぁっ!

メロンの瞳がキラキラと輝き始めました。
初めはママに合わせてゆっくりと歩いていたメロンでしたが、楽しくて嬉しくて、どんどん早足になってゆきます。

すごいすごい、いろんな匂いがする!

リュックから出た顔をなでていた風を、今は体全体で受け止めています。
ママが歩いていたアスファルトの感触も、今は自分の足で感じています。

オシッコしちゃえ!

川沿いの遊歩道の脇には、木が植えられ芝が植えられていました。
メロンは、その匂いをクンクン。

誰かのオシッコだ!

メロンはちょっと考えました。

おうちではトイレシートにオシッコしてるけど…お外だもん、いいよね。
ここにしちゃおーっと!

すっかり楽しくなって、いつもと全然違う格好に、何だかヘンテコリンな格好になってしまいました。

「ええっ、メロン、逆立ちしてオシッコしちゃうの?! 器用だねー!」

ママはビックリ。そして、楽しげにケラケラと笑っています。
ママが笑うと、メロンは嬉しくなりました。

サカダチって言うのか、これ。
ママが喜んでくれるなら、いつもサカダチしようかな。

それからも30分くらい歩いて、家に帰った頃には、メロンはもうクタクタ。
ですが、それはとても心地よい疲れでした。

リードをはずしてもらい、足と体を拭いてもらうと、メロンは水を飲んでクッションの上へ。
すぐに眠りに落ちてしまいました。

「あらら、もう寝ちゃったの? 初めてのお散歩で、興奮して疲れたのかな」

ママは、そうっとメロンの背中をなでます。

「おやすみなさい、いい夢を」

  • 更新日:

    2021.03.21

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。