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犬 嗅覚 におい 味 鼻 ドッグフード 嗜好性 ドライフード 分析 研究 味香り戦略研究所
食べもの

2021.03.18

愛犬の好みに合うドッグフードを選ぶために

ドッグフードの美味しさを数値化?味香り戦略研究所の分析結果を解説!

よく「犬は人間の××倍の嗅覚を持っている」と言われますが、犬の嗅覚が彼らにとっての食べものの「美味しさ」を決める感覚であることをご存じでしょうか?
今回は、「おいしさ」の研究に特化した会社「味香り戦略研究所」のトレンドレポートをもとに、犬と人間の嗅覚の違い、そして犬たちが「美味しい」と感じる仕組みを紹介していきます。そして、愛犬の「うまい!」を勝ち取るために、においに隠された美味しさの秘密に迫ってみたいと思います!

監修:高橋 貴洋/味香り戦略研究所 主席研究員(文:中野 由美子/ドックドッグ編集部)

味香り戦略研究所って?

「おいしさ」の研究に特化した「味香り戦略研究所」の公式サイトでは、以下のような説明があります。

味香り戦略研究所とは

世界初の“味が測れる機械”「味覚センサー」によって味を「見える化」。
そして、多種多様な要素の組み合わせから生まれる"おいしさ”。この“おいしさのパズル”を解き明かし完成させる会社です。

味覚センサーで「美味しさ」のヒミツをひも解き、さらにそれらを「うま味」「苦味」「塩味」「酸味」「甘味」「渋味」などの構成要素ごとに数値化し、目に見えるかたちで表現できるとは興味深いですね。

数値化できるのは「味」だけじゃない

味香り戦略研究所では、味覚センサー以外にも様々な感覚を数値化できる装置やセンサーでの分析がおこなわれています。

例えば、「におい」の強さや質を評価する装置や、物質単位で栄養や香りを分析する装置、そして「歯ごたえ」「歯触り」を決める硬さ・粘り気・弾力を測定する装置まで、美味しさを実に多角的に評価できるということが伺えます。

犬の嗅覚は人間とどう違う?

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味香り戦略研究所が会員向けに発信している「T&A味トレンドレポート」をもとに、「犬の嗅覚」のヒミツに関する情報を、人間との違いにフォーカスして一部ご紹介します。

においの「受容感度」が違う!

トレンドレポートによると、犬は人間と比べて匂いを感じる「嗅覚受容細胞・きゅうかくじゅようさいぼう」の数が多く、その感度は100万倍とも言われているのだとか。

嗅覚受容細胞が多いおかげで、犬は人間と比較するとにおいの“質”を嗅ぎ分けることに長けているのだということです。

においの「受容経路」も違う!

においを感じる精度が高いだけでなく、犬は人間と比較すると「におい」が食べものの「美味しさ」に直結する傾向があるようです。

においには以下の2つの種類があり、どちらのにおいもひとつの「嗅覚受容細胞」が感知している点では人間も犬も同じです。
しかし、そのにおいの受容経路が人間と犬では異なるのだとか。

  • A:鼻で直接嗅ぐにおい(鼻先香)
  • B:食べものを飲み込んだ時や胃・食道から来るにおい(口中香)
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人間の場合、食べものの「美味しさ」を決めるのは「B:口中香」が大部分だとされており、犬よりも優れているとも言われています。

一方、犬においては「A:鼻先香」を嗅ぎ分けるのが優れており、それによって「美味しい」かどうかを判断するとされています。においを鼻で吸い込む回数や量が多いこと、そして咀嚼をほとんどしないことなどが理由として挙げられています。

※図:味香り戦略研究所のトレンドレポートをもとにドックドッグが作成

ドッグフードごとの「におい」分析結果!

鼻から嗅ぐにおいが「美味しさ」をより直接的に左右する犬にとって、普段食べているドッグフードの香りは重要な要素だと推測できます。

それでは、味香り戦略研究所による各フードのにおいの強さに関する分析結果を見てみましょう。

9商品を比較分析

味香り戦略研究所のドッグフードのにおいの強さに関する分析は、以下の9つの商品で比較されています。

  • JP和の極み
  • コンボ
  • いぬのしあわせ
  • 銀のさら
  • ミンチスペシャル
  • ヒルズ
  • ヒルズライト
  • ビタワン
  • 愛犬元気

においの強さは商品ごとにさまざま

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臭気指数相当値は、数値が「3」変わると物質濃度差が約2倍の違いに相当し、これは大多数の人が「においの強さ」に明らかな違いを感じるレベルだとされています。ひとまとめにドッグフードと言っても、商品によってにおいの強さは実にさまざまであることが分かります。

数値が「30」前後というのは、トレンドレポートによると「十分強いにおいレベル」とのことなので、一部のドッグフードでは30後半の数値を記録していることから更に強いにおいであるということが言えそうです。

※グラフ:味香り戦略研究所のトレンドレポートをもとにドックドッグが作成

開封後ににおいが弱くなるものと変わらないもの

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また、「ビタワン」と「愛犬元気」においては、開封後2週間後のデータについても触れられています。
ビタワンではにおいの変化がほとんどなかったのに対し、愛犬元気では開封後ににおいが弱くなったということです。

この理由について、味香り戦略研究所のトレンドレポートではこのように解説しています。

揮発しやすい低分子のにおい物質を含む食材を多くすることでイヌに対してキャッチなインパクトを与えることが考えられる。またにおいが飛びやすい対策として製品を小分け包装にすることにより、フレッシュなにおいのフードを提供できるようにしているのはこのためであると予測できる。

できるだけフードのにおいが飛ばないようにするためにも、小さめの容量で購入し短いスパンで食べきることや、大袋を購入した場合は小分けにして保存するなどの工夫ができると良いのかもしれませんね。

※グラフ:味香り戦略研究所のトレンドレポートをもとにドックドッグが作成

愛犬が「美味しい!」と感じるドッグフード探し

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犬の嗅覚は私たち人間の感じ方とは異なり、犬にとっては「におい」が「美味しさ」に直結しやすいということが分かりました。

また、数ある中の一部のドッグフードに関する調査ではありましたが、ドッグフードは商品ごとににおいの強さもさまざま。おそらく犬によっても「好きなにおい」のドッグフードがあったりと、好みもそれぞれなことでしょう。

愛犬が「美味しい!」と感じて、よく食べてくれるドッグフードに出会うには、においをヒントのひとつにするのが良いことがわかりました。
しかし、実はそれだけでは十分ではないということは、もう皆さんお気づきのはず。

においがただ強いだけではなく、愛犬の体質に合うか、そして愛犬の健康にとって良いのかなど、飼い主にとって愛犬のドッグフード選びが難しい理由は、考慮しなければいけない項目が多岐にわたる点です。

ドッグフード選び16のチェックリストを試そう!

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ドックドッグでは、ドッグフード選びをサポートするための16のチェックリストを公開しています。愛犬に合うフードを選びたい!という飼い主さんは、是非チェックしてみてはいかがでしょうか?

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参考文献
  • 公開日:

    2021.03.13

  • 更新日:

    2021.03.18

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ライター・専門家プロフィール
  • 高橋 貴洋
  • 味香り戦略研究所 主席研究員
  • 東京理科大学大学院理学部化学科卒。味香り戦略研究所の主席研究員を務め、これまでに10万点超の味分析を実施、データ構築や解析を手掛ける。日本食糧新聞、島根県農林水産省、東京家政大学、日本家政学会などでも講演。所さんの目がテン!/日本テレビ、ためしてガッテン/NHK、ホンマでっかテレビ/フジテレビなどにも出演。著書に「「うまい!」の科学 データでわかるおいしさの真実」がある。