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子犬が芝生を歩いている
犬を迎える

2021.02.27

子犬の散歩デビューはいつから?散歩デビューの時期とその理由を理解しておこう

子犬を迎えると、すぐにお散歩に行きたくなりませんか?犬と言えば散歩とイメージされる方も多いようですが、実は子犬の散歩は、ある時期を越えてからようやく可能になるものです。なぜ、迎えてすぐの散歩は行けないのでしょうか?今回は、子犬の散歩デビューの時期とその理由について詳しくご紹介します。

西村 百合子/ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士

子犬の散歩デビューはいつがおすすめ?

子犬が石の上を歩いている

免疫力のない子犬を外で散歩させるためには、ワクチンプログラムが終了している必要があります。すべてのワクチンが終了して初めて、外の世界に子犬を出すことができます。そこで、まずはワクチンの重要性について知っておきましょう。

ワクチンプログラムとは?

子犬に限らず、すべての動物は母親のおっぱいを飲むことで免疫を獲得します。これを初乳と呼び、生まれたての赤ちゃんが感染症などにかからないための栄養がおっぱいには含まれているのです。しかし、この初乳によって獲得した免疫は、生後3か月までの間に、徐々に減少していきます。そのため、さまざまな感染症から身を守り、健康に育っていくためにワクチンを接種する必要があるのです。

ワクチンが終わるのは?

世界小動物医師会が発行している「犬のワクチネーションガイドライン」では、子犬は初乳によって生後数週間の免疫を獲得できるが、免疫が減少する6~8週齢で初回のワクチンを接種し、16週齢またはそれ以降まで2~4週間隔で接種することが推奨されています。子犬による個体差はありますが、通常は、接種の間隔を4週として8~9週で開始すると全3回のワクチン接種を行うことになります。このガイドラインに沿って、ワクチン接種が行われた場合は、生後4ヶ月を過ぎた頃にワクチンプログラムが終了します。

ワクチン接種後すぐに散歩デビューできる?

子犬が飼い主さんを見上げている

ワクチンを打ってもすぐにウイルスに対する防御的免疫ができるわけではありません。また、すぐに免疫ができる犬とできない犬もいます。ワクチンは、1回目のワクチンを打った時期によって、接種間隔が決定されます。そのため、最初のワクチンをいつ打ったのかも散歩デビューに大きく関わってきます。

もし、最初のワクチンを生後6~8週齢で打っていれば、3回目のワクチン接種後、ワクチンが定着しウイルスに対しての防御が可能となるワクチン接種後約2~3週間以降の生後5か月頃に散歩デビューが可能となります。

ワクチンプログラム終了前の散歩デビューはリスクが大きい

子犬が接種するワクチンは、主にコアワクチンとノンコアワクチンの2タイプがあります。コアワクチンは、主となるワクチンという意味で、ジステンパー、パルボウイルス、アデノウイルス(犬伝染性肝炎)、狂犬病がこれに当たります。また、補助的という考えのノンコアワクチンにはパラインフルエンザ、コロナウイルス、レプトスピラがあります。どのウイルスも伝染性が高く、ウイルスに感染してしまうと子犬の命に関わるものも多くあります。

リスクが潜む場所とは

子犬の社会化は、これから人間と共に暮らしていく上で、とても大切なこと。そのため、なるべく早期に散歩デビューをさせた方がいいという意見も多くありますが、ウイルスへの感染予防の観点から考えると必ずしもそうとは限らないのです。特に、散歩で出会う見知らぬ犬や小動物は、どんなウイルスを持っているのか分かりません。

また、自然豊かなところでは、土の中にどのような細菌が潜んでいるのか、目で見てもわかりません。子犬は、散歩中に落ちているものや興味がわくものを何でも口に入れてしまう傾向があります。このことは、ワクチンによる免疫が定着していない子犬にとって大きなリスクとなってしまうのです。

子犬のための施設にも気をつけたい

最近増えてきているのが、子犬のためのしつけ教室です。「犬の幼稚園」や「パピークラス」などとして、散歩デビューの前の子犬が他の犬と触れ合ったり、しつけの基礎を学ぶ場所で、社会科のために多くの子犬が通っています。散歩デビューがまだの子犬は、免疫力が低いことが特徴です。

また、ワクチン接種直後も一時的に免疫力が低下します。そのため、散歩デビューできないからといって、ワクチンプログラムが途中の子犬やワクチン接種直後の子犬は、伝染性の病気にかかりやすいのです。

子犬の散歩デビューの前にしておきたいこと

子犬が飼い主さんに抱っこされている

犬と早く散歩に行きたい!犬を迎えた方の多くがそう思うはず。でも、犬と楽しく散歩をするためには、準備やしつけ、練習が必要となるのです。

ワクチンプログラムが終了する前は抱っこで散歩しよう

ワクチンプログラムの時期は、子犬の社会化期の真っただ中であるため、積極的に外の世界を体験させたいと思う方も多いはず。そこで、リードをつけての散歩ではなく、抱っこやカートで外の世界に触れさせるようにすることがおすすめです。

散歩デビューはリードウォークに慣れてから

見るものすべてに興味がある子犬にとって外の世界はさながら特大の遊園地。風に舞う葉っぱをはじめとして目の前にある動くものや車、バイクなどの音などあらゆるものに興味を示し飛びつこうとしたり、怖くて動けなくなったりしてしまいます。

また、物にぶつかってしまたり、思わぬものを拾い食いしてしまったりとたくさんの危険が潜んでいることから、リードでしっかりと制御する必要があります。散歩デビューの前にまずは、家の中や庭などでリードウォークの練習をして、散歩での歩き方を教えておくことがおすすめです。

ワクチン終了後2週間以上経過してから散歩デビューしよう

子犬が散歩中におとなしく言うことを聞いている

ワクチンプログラムが終わったからと、すぐに散歩に出る方も多いようですが、前述のようにワクチンが定着し免疫を獲得するためには、接種後2週間以上の期間が必要です。また、多くの犬が暮らしている地域では、どんな病気を持っている犬がいるのか分からないため、初めのうちは犬が多く集まる場所や土がある場所には行かず、アスファルトを歩くことがおすすめです。どんなに元気でやんちゃな子犬でも免疫はまだまだ低いため、散歩デビューには十分な注意が必要です。散歩デビューすれば、これから10年以上の長い期間、犬との散歩を楽しむことができます。ぜひ、焦らずに散歩デビューしてくださいね。

参考文献
  • 更新日:

    2021.02.27

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ライター・専門家プロフィール
  • 西村 百合子
  • ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士
  • ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。 現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。