犬が飼い主の後ろをついてくる心理には、犬の習性や、ある要求が隠れています。4つに分けて解説していきます。
頭や体を撫でた後についてくる場合は、もっと飼い主に甘えたいという心理が隠れています。犬からコミュニケーションを求めてきているので、その欲求に応えてあげると、より絆が深まります。
また、飼い主さんにくっつくことで安心できるということも考えられます。どちらにせよ、お互いに良い信頼関係が築けているといえるでしょう。
おもちゃを持ってついてくるは、一緒に遊んでほしいときです。犬によっては、散歩用のリードを咥えてついてくる場合もあります。
体を動かしたい欲求が溜まっているということも考えられるので、めんどくさがらずに遊びや散歩に付き合ってあげましょう。
オオカミを祖先に持つ犬は、群れで行動するという習性があるといわれています。つまり、群れに入れば、身を守れるという本能が身についているということです。
そのため、飼い主の後ろをついてくるのは、仲間として認識しているからという理由が考えられます。信頼しているということなので、良い関係が築けているといえるでしょう。
犬のもう一つの本能として、逃げている獲物を追うというものがあります。
そのため、犬がついてくるのに対して「ちょっとうざいな…」と感じて、追い払うような素振りでその場を離れると、逃げていると勘違いされてしまいます。
ついてきてほしくない場合は、逃げるような素振りを見せないようにしてみましょう。
飼い主の後ろをついてくる理由は、犬の年齢によっても変わる場合があります。子犬と高齢犬の2つに分けて解説していきます。
子犬の場合は、心細さから飼い主の後ろをついてきていると考えられます。特に、お迎えしたばかりの子犬は新しい環境に対して強い不安を感じています。
そのため、一番お世話をしてくれる飼い主のそばを離れづらくなっているのです。
ついてくる姿が可愛いからと、そのまま放っておくのはおすすめしません。子犬には生後3週?14週の間に「社会化期」というものがあり、この時期の過ごし方で今後の性格が形成されます。
社会化期でのしつけが上手くいかないと、自立した行動ができなくなってしまうのです。飼い主以外の人や他の犬との触れ合いを多くし、後追いが少なくなるように育てていきましょう。
犬も人間と同様に、高齢になるにつれて目や耳の機能が衰えていきます。そのため、飼い主の気配が無くなることに不安を感じ、いつまでも後ろをついてくるということが考えられます。
そんな時は、飼い主の匂いがついた衣類を与えてあげると落ち着くことがあるので、試してみてください。
犬が飼い主の後ろをついてくるのには、実はマイナスな面も隠れているということを理解しておきましょう。主に2つの理由が考えられるので、それぞれ解説していきます。
怯えた様子で後ろをついてくる場合は、恐怖心や不安を抱えている可能性があります。新しい場所へ連れ出した際に、現れやすい行動です。
いきなり人通りの多い所に連れ出すと、大きなストレスを抱えてしまうので、連れて行く場所の難易度は徐々に上げていきましょう。
トイレやお風呂場など、ついてくる場所が過度な場合は「分離不安症」になっているかもしれません。分離不安症とは、飼い主に依存しすぎているあまり、ひとりぼっちでの環境に適応できなくなる精神疾患です。
後ろをついてくること以外に、これらの行動が見られたら注意が必要です。
・飼い主の留守中にだけ極度に吠える
・ひとりぼっちになると暴れて物を壊す
分離不安症の場合、旅行中に誰かに預けるといったことができず、飼い主との分離で過度のストレスがかかることになるので、改善しておくことが望ましいでしょう。
分離不安症の原因として「甘やかしすぎている」ということが挙げられます。いつも犬を抱きかかえていたり、おやつをあげすぎたりしている場合はすぐに行動の改善をしましょう。
トレーナーさんなどの専門家にアドバイスをもらうことも大切です。 症状が過度な場合は、動物病院で治療してもらう必要があります。可愛い仕草を見せられるとつい甘やかしてしまいがちですが、適度な距離感を保って接するようにしてください。
飼い主の後ろをついてくる犬の姿が好きだという方は多いかもしれませんが、どんな意味を持ってついてきているのかをしっかり理解する必要があります。
愛情表現なのか、精神的に不安定な状態なのかをしっかり見極めましょう。
過度についてくる場合は、分離不安症になっている可能性が考えられます。お互いのためにも、甘やかしすぎには注意して正しい信頼関係を築き上げることが大切です。