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寝ているフレンチブルドッグ
健康管理 / 病気
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2021.02.12

【獣医師監修】犬の鼻息が荒いときは病気のサイン?考えられる原因や対処法とは

犬の鼻息がいつもより荒いとき、苦しいのかな、と心配になりますよね。鼻息は運動後などに生理的に荒くなることもありますが、病気や痛みが原因で、対処が必要な場合もあります。 ここでは、犬の鼻息が荒いときに考えられる原因や病気、対処法についてご紹介します。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬の鼻息が荒いときに考えられる原因とは?

何かを見つめるフレンチブルドッグ

犬の鼻息がいつもより荒いとき、考えられる原因は大きく「生理的なもの」と「病気や怪我によるもの」に分けられます。

生理的なもの

運動やストレスがなどが原因で、呼吸が荒くなることがあります。

運動後

散歩や遊びなどの運動後は、酸素を早く補給するために鼻息が荒くなったり、口を開けて呼吸することがあります。通常であれば安静にすることで呼吸は落ち着きますが、そうでない場合は病気や怪我の可能性もあるので、動物病院を受診しましょう。

精神的な要因

動物病院に連れて行って緊張したり、ペットホテルに預けられて不安になったり、飼い主さんが構いすぎたり、大きな物音に驚いたり興奮したときなどは、ストレスを感じて鼻息が荒くなることがあります。
犬がストレスを感じていたり緊張しているときはほかにも、あくびをする、震える、口をくちゃくちやする、足先を舐め続けるといったサインがみられます。

病気や怪我によるもの

安静にしていても鼻息が荒くなっている場合は、呼吸器の病気や循環器の病気、血液の病気などの疑いがあります。原因がわからないときは、早めに動物病院を受診しましょう。
また、脱走して交通事故に合ったり、椅子やソファーから落下したり、ドッグランで他の犬とケンカするなどが原因で怪我をしたときも、痛みなどにより呼吸が荒くなっている可能性があります。

犬の鼻息が荒いときに考えられる病気とは?

元気がない様子のチワワ

犬は体温が上昇しているときや痛みを感じているときなど、何らかの異常で呼吸数が上がると鼻息が荒くなります。そのため、原因となる病気を特定するには呼吸の様子だけでなく、他の症状や検査などから総合的に判断されます。犬の鼻息が荒いときに考えられる病気には次のようなものがあります。

1.短頭種気道症候群

短頭種気道症候群とは、その名の通り鼻が短い短頭種に多い呼吸器の病気です。フレンチ・ブルドッグやパグ、ボストンテリアなどの短頭種の犬は鼻から気管にかけての気道が狭く、様々な呼吸器症状が現れます。
短頭種気道症候群を引き起こす原因には以下のものなど数種類の呼吸器疾患の合併が考えられています。

気管虚脱

気管は洗濯機のホースのような形状になっており、気管の外側に「C」の形をした軟膏があることで丸い形が保たれています。この軟膏が何らかの理由で押し潰されたように変形すると気管の内側が狭くなり、スムーズに呼吸できなくなってしまいます。気管虚脱になるとブーブー、ガーガーという異常な呼吸音がしたり、咳をしたり、呼吸困難に陥ります。

軟口蓋過長症

犬の軟口蓋(口の中の上側にある、硬い天井部分から後方にある柔らかい部分)が通常よりも長いために、呼吸が妨げられてしまう病気です。
原因は先天的な構造によるもので、重症な場合は外科的な処置が必要な場合もあります。

2.心臓病

犬の心臓病は決して珍しい病気ではなく、犬の高齢化に伴い心臓病を患う子も増えています。心臓病が進行すると気管の圧迫や肺の異常などで呼吸異常が見られる場合もあります。

僧坊弁閉鎖不全症

犬の心臓病で最も多く見られる僧帽弁閉鎖不全症は、高齢の小型犬に多く見られます。
僧帽弁は、左心室と左心房の間に位置する弁で、左心室から大動脈へ血液を送り出す際に、血液の逆流を防ぐ役割があります。この弁が変性して上手く閉じなくなると、血液が左心室から左心房へ逆流して、全身へ血液を十分に送り出せなくなります。
初期は無症状のことがほとんどですが、進行すると疲れやすくなる、興奮したときにチアノーゼと呼ばれる酸欠状態に陥る、咳をするなどの症状が現れます。

心筋症

心筋症は、心臓を構成している筋肉が正常に働かなくなることで、全身に血液が充分に行き渡らなくなる心臓の病気です。
心筋症になってしまうと心臓の機能が著しく低下し、運動をしたがらない、呼吸困難、突然の失神などの症状が現れます。

犬の鼻息が荒いときの対処法とは?

こちらを見上げている犬

犬の呼吸が荒くなることは珍しくありませんが、あまり息苦しそうにしているときには対処してあげたいもの。特に、病気が疑われる場合には早期発見・早期治療が大切になります。

生理的に鼻息が荒くなっている場合

運動した後であれば、安静にすることで呼吸は次第に落ち着きます。暑がっているよいであれば、涼しく過ごさせてあげましょう。高齢犬は身体の機能が低下しているので、若い頃と同じようにお散歩や運動をすると疲れてしまうかもしれません。運動量は愛犬の様子を見ながら調整しましょう。
ストレスなど精神的な要因の場合は、原因がなくなれば呼吸も落ち着きます。小さな子供が構いすぎてしまう場合は部屋を別にするなど、その子に合った対処をしましょう。

病気の疑いがある場合

安静にしているにも関わらず鼻息が荒い状態が続いたり、咳や発熱など他の症状を伴うときには病気の疑いがあります。この場合様子を見ていると、病気が悪化してしまったり、治りにくくなってしまうこともあります。特に熱中症など疑わしい症状をみたら一刻も早く受診させなければならないものもあります。少しでも病気の疑いがあれば、早めに動物病院を受診しましょう。

犬の鼻息が荒いときは、病気が隠れているかも

遠くを見つめる犬

安静にしているのもかかわらず鼻息が荒くなっているときや、口を開けて呼吸しているときには、体調に異常をきたしている可能性があります。日頃から愛犬の様子を良く観察し、いつもと違うと感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

  • 更新日:

    2021.02.12

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。