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大きく口を開けて吠えるジャーマンシェパード
しつけ

2021.02.09

シェパードと暮らすドッグフォトグラファー

犬の無駄吠えはしつけじゃなくて環境で改善?訓練士が実践する賢い対策とは

犬ってどのように無駄吠えをやめさせればいいのだろうか?他の人はどのように無駄吠えのしつけをしているのだろうか?と疑問に思っている飼い主は多いですよね。ここでは、よく吠えると言われるジャーマンシェパードと生活している私が我が家で実践しているしつけ方法や対処法を紹介していきます。

#シェパードと写真家 / #ジャーマンシェパードドッグ

Author :ルエス 杏鈴/犬訓練士、ドッグライター、ドッグフォトグラファー

犬の無駄吠えって何?

ジャーマンシェパードが上を向いて吠えている

ジャーマンシェパードと生活を始めるずっと前に「よく吠える犬種メーター」というものを目にしたのを覚えています。 それぞれの犬種が10段回で評価され、数値が大きければ大きいほど、よく吠える犬種というものでした。犬種を一つずつ見ていくとバセンジーやサルーキはあまり吠えず、シェットランドシープドッグやビーグルなどの犬種がよく吠える犬種に分類されていました。気になるジャーマンシェパードは1~10で8、結構吠える犬種。

これを見た私は単純に「ジャーマンシェパードってよく吠えるんだな」という心構えで犬との生活を始めたわけですが、多少の無駄吠えはあるものの、想像していたほど「無駄吠えがすごく多い」と悩むことはありません。

自分にとっての無駄吠え

無駄吠えのしつけ方法について考えていく前に、「無駄吠え」の定義が人によって異なるのを認識しておくことが大切だと思います。犬が「無駄」に吠えるのはいつだろう、と考えてみてください。

犬は吠える動物で、吠えることによって自分の気持ちを表現することがよくあります。そのため、「吠える」行為自体は悪いものでもないと思います。しかし、人と一緒に生活をするのであれば、吠える時間が長かったり、吠える回数が多かったりすると困ってしまいます。

私の場合は「吠える目的」と「吠え続ける時間」で、無駄吠えを判断しています。何かを伝えようとするために吠えるのは問題ないのですが、注意をしてもやたらと吠え続けるのは無駄吠えだと言う認識です。

例えば、来客がドアベルを鳴らした際に犬がワンワンワンと吠えるのは無駄吠えだとは思っていません。しかし、ここで「静かに」と指示を出してもやたらと吠え続けるのは、無駄吠えだと考えています。

この基準は人によっても異なるので、無駄吠えのしつけに取り組む前に、自分にとって「気にならない吠え」と「無駄吠え」を明確にしておくことをおすすめします。そうすることで、しつけにも取り組みやすくなると思います!

愛犬が吠えるのは〇〇のとき!

愛犬のジェイクの無駄吠えが最も気になるのは郵便屋さんが家にやってきた時です。毎日、ほとんど同じ時間に近所を回っている郵便屋さんのバイクの音が少しでも聞こえたら、窓の前でスタンバイしています。そして、いざ郵便屋さんがやってくると背中に毛を立てて吠えます!

犬の無駄吠えのしつけをする前に!

少しおびえた様子のジャーマンシェパード

愛犬の無駄吠えの対処方法といえば、一番に「しつけ」という言葉を思い浮かべる人も多いと思いますが、我が家の場合はしつけをする以前に環境を整えることに重点を置いています。ここでは、我が家が心掛けている無駄吠えの対処法を紹介していきます。また、無駄吠えのしつけ方法を紹介していきます。

吠える原因を考える

犬が吠えているのであれば、まずは「なぜ吠えているのか」ということを考えること。犬の行動をじっくりと観察して吠えている原因を突き止めることができれば、意外とあっさり無駄吠えが解決できることもあります。

過去には愛犬が無駄に吠えていると思っていたのが、実はハウスの後ろにおもちゃが入り込んでしまっていた!なんてこともありました。また、来客がやってくる時に犬が吠えるのには恐怖や縄張り意識が高いなどと様々な理由が考えられます。しかし、飼い主が犬の吠えている方向を実際に確認してあげるだけで不安が解消されて、無駄吠えがなくなるということもあります。

吠えなくてもいい環境を整える

犬が吠えなくてもいい環境を整えてあげることで、無駄吠えを軽減してあげることができます。不安が原因で無駄吠えが多い犬は安心できるスペースをしっかりと整えてあげるようにしましょう。また、些細なことで犬が吠えてしまうのであれば、ストレスが溜まっていたり、犬が退屈をしてしまったりしている可能性があります。日頃の適度な運動のほか、知育玩具などで犬の生活を刺激的にしてあげるのがおすすめです。

愛犬のジェイクは運動量が減ってしまうと明らかに無駄吠えが増えます。いつもは反応しない些細なことに向かって吠えたり、注意してもなかなか吠え止まなかったりします。運動では発散しきれない余分なエネルギーを発散しようとしているのと、ただ単に暇で、身の回りの小さな出来事に一々と反応してしまうのだと思います。この場合は、適度な運動と頭の運動ですることで、すっかりと解決され、通常通りに戻ります。

無駄吠えのしつけ方法|吠える行動を他の行動と置き換える

ベッドの上でまったり過ごすジャーマンシェパード

無駄吠え防止法のしつけとして私が実践しているのが、「吠える」を他の行為と置き換えるということです。我が家の場合は「他の行為=ハウスに入る」にしています。

愛犬の場合は郵便屋さんがやってきた時に無駄吠えをするので、「郵便屋さんがくる→吠える」の連鎖ができてしまっています。しかし、このしつけの目標は「郵便屋さんがくる→ハウスに入る」と、本来の連鎖を変えることです。

悪習をやめようとしている人で考えてみましょう。例えば、爪かみをやめようとしている人にとって、その行動をキッパリとストップするのは難しいと思います。しかし、爪かみを他の行動(例えば、手首のゴムをパチっと弾く)に置き換えると、「何もしない」ときよりも簡単に爪を噛みたい気持ちを抑えられる場合がありますよね。

犬もそれと同じで、興奮の気持ちを抑えて静かにさせるのは大変なことがよくあります。

しかし、「吠える」という行動を完全にストップさせるのではなく、他の行動に置き換えると、無駄吠えがコントロールしやすくなりますよ。

たくさん褒めて「別の行動」を強化

このしつけはとてもシンプルで、犬が吠えたら「別の行動」をさせるだけです。「別の行動=ハウスに入る」であれば、犬が吠えたとき(欲を言えば、吠える直前)にハウスに入るようにおやつで誘導をしてあげます。「別の行動」ができたら美味しいおやつや声でたくさん褒めてあげましょう。

愛犬の場合は郵便屋さんがいるのに途中で出してしまうと、せっかく吠えていなくてもハウスから出た途端に吠えてしまっていました。そのため、郵便屋さんが完全に通り過ぎるまで継続的におやつを与え、郵便屋さんが聞こえてから通り過ぎるまではハウスで静かに過ごすようにと教えました。

ここで、犬をしっかりと褒めておくことで、吠えるよりも「別の行動」をするほうがたくさんのメリットがあることを教えることができます。そうすることで、興奮してしまったときにも、「別の行動」を選びやすくしてあげられます。

また、何度も反復的に練習することで、新しい習慣を形成することができます。

今では郵便屋さんが家にきた2回中1回は愛犬も自分からハウスに入って待機してくれるようになりました。もう半分は興奮して吠えても、「ハウス」と声をかけるだけでハウスに入り、吠えずに待機することができます。

犬の無駄吠えは他の行動と置き換えよう!

口輪をしているジャーマンシェパード

ここでは、私が実践している無駄吠えの対策・しつけ方法についてご解説していきました。愛犬は吠えること自体が好きなわけではないので、環境を整えてあげることで無駄吠えを大幅に減らすことができます。しかし、それでも吠える場合は「吠える」を別の行動に置き換えることで愛犬を落ち着かせ、無駄吠えをコントロールするようにしてきました。何度も繰り返さなければいけないので時間はかかってしまいますが、愛犬へかかるストレスが少なく、とても簡単なので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

  • 更新日:

    2021.02.09

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ライター・専門家プロフィール
  • ルエス 杏鈴
  • 犬訓練士
  • 大好きなジャーマンシェパードとドタバタな日々。いろいろなことに愛犬と挑戦するのが大好きで、ディスクドッグ、アジリティ、警察犬の訓練など様々なトレーニングに携わった経験がある。 愛犬を迎えたことを機に犬の美しさや犬との生活の魅力を伝えるべく、ドッグフォトグラファーとしての活動開始。また、ドッグトレーニングや犬との生活を活かし、2019年4月頃より愛犬家のために記事の執筆を開始。 写真や記事の執筆を通して犬が犬として幸せに過ごせる世界づくりに携わるのが目標。