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保護犬 ブログ
犬を迎える

2021.02.08

ブログ|元保護犬おじいわんプゥ|vol.8

元保護犬おじいわんプゥの日々好日|保護団体の現状を知ってください

全国には多くの保護団体があります。大きな団体から個人で活動している小さなグループまで、それぞれ殺処分ゼロを目指して努力されていますが、その詳しい活動内容はあまり知られてはいません。 保護活動についてはさまざまな意見があり、譲渡についての批判的な意見も少なくありません。
今日は、保護団体の現状について筆者の目線からお話しします。

#ミニチュアダックスフンド / #保護犬おじいわんプゥ

泉 能子/愛犬家、ドッグライター

保護団体は営利目的か?といわれる理由

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動物を営利目的で扱う場合には動物愛護管理法により第一種動物取扱業(動物取扱責任者)の資格が必要となり、違反すると罰則が課せられます。
保護団体は営利を目的として犬や猫の譲渡をしているわけではないので、この資格の必要がなく、そのため新しい里親から譲渡金を受け取ることはできません。
ただし保護犬カフェなどは、動物を展示するということで、この資格を取る必要がありますが、譲渡金などを請求することはできません。

保護犬譲渡の時に支払うお金とは?

保護犬の里親になるための契約を交わすときに、今までにかかった必要経費を求められることがあります。これを譲渡金だと思っている人が少なくありません。
必要経費とは保護主が保護犬を引き受けてからの、健康診断、血液検査、フィラリア薬、初期治療、マイクロチップ挿入、トリミングや食費などの諸経費のことで、一定金額を新しく里親になる人に負担してもらう団体がほとんどです。
このお金は、また新しく保護した犬の必要経費として使われます。その他にも任意ですが寄付をお願いしている団体もあります。

保護団体の経済事情

保護団体は犬の売り買いをしているわけではないので、団体を維持していくためのすべての経費を、新しい里親から支払われる必要経費と、さまざまな人たちからの善意の寄付、定期的に開く譲渡会でのバザーの売り上げなどで賄っています。
どの団体も決して豊かな資金があるわけではなく、保護する犬が増えればそれだけ必要経費は増えていき、状態の悪い犬が多ければその医療費も膨れ上がっていきます。

あるコッカースパニエルのお話

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ここである団体に保護された老犬のコッカースパニエルのお話をします。そのコッカーは目はほとんど見えず、耳もほとんど聞こえていません。それに加えて会陰ヘルニアという病気がありました。
会陰ヘルニアは肛門近くの筋肉から体内の臓器(小腸や大腸)が飛び出してしまう病気です。放置しておくと自力で排便や排尿ができなくなります。治療にはヘルニアを塞ぐ手術が必要で、普通は同時に去勢し自分の陰嚢の皮膚を使って塞ぐのですが、この子はすでに去勢済みでした。
そのため人口メッシュ(人口皮膚)を使う必要があり、手術費用は十万を軽く超える高額になると告げられたそうです。

老犬の命を救ったのは・・

保護主さんは獣医師さんに即手術のお願いをされました。高額な手術費は、里親さんからの経費や寄付金、バザーの売り上げなど、今までプールしていたお金から支払われました。
どんな命も見放されていい命などひとつもない、この子が生きようとしているかぎり、新しい里親さんを見つけることをあきらめない・・と保護主さんは言われます。この老犬の命を救ったのは多くの人たちの善意なのです。

わたしたちにできること

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保護団体と称している団体のすべてが正しい行為をしているわけではありません。中には保護団体と名乗り飼えなくなった犬や猫をお金で引き取り、飼い殺しにする「買い取り屋」というひどい業者もいるようです。
それでも多くの保護団体の方々は、切り捨てられていく小さな命を救うために、日々奔走されています。保護犬を救うのは里親になることだけではありません。里親が見つかるまでの預かりさんやペットシートやフードなどの物資の援助、寄付金など、私達犬を愛するものができることはたくさんあります。小さな善意でも集まればたくさんの命が救われます。どうか、あなたの近くにある保護団体さんへ、暖かい善意の手を差し伸べてあげてください。

  • 更新日:

    2021.02.08

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ライター・専門家プロフィール
  • 泉 能子
  • ドッグライター
  • 動物が大好きで、気づけば隣にはいつも愛犬がいて、愛犬とお互いに助けたり助けられたりの共同生活をしているドッグライターです。 今までにヨークシャーとスムースダックスを育てて看取り、今は保護犬の9歳になるブラックタンのダックスと暮らしています。 人と犬が楽しく幸せに暮らすために役立つ記事を発信していきます。