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柴犬 小説
連載 / ブログ

2021.02.14

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと|vol.17

豆しば暮らし|むむっ、緊急事態発生か?!

リビングの一角には、大きな本棚が置いてあります。
その下の隙間が、いつの間にかメロンの隠れ家になっていました。

#柴犬 / #豆しば暮らし

Author :笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語の連載第17話です。

やっぱり反抗期?

「おはよう!」

ソファの上で丸くなっていたメロンにママが声をかけると、メロンはうんざりした顔をして、隠れ家にこもってしまいました。

「…朝から感じ悪いよ、メロン」

隠れ家から顔を出し、メロンはママの行動をじっと見ているのですが、ママと目が合うと、プイッと顔をそむけ…。

「あんなにかわいかったのに、ヤな感じ。どうしちゃったんだろう」

朝ごはんを食べながら、ママが言いました。

「やっぱり反抗期なんだろうか?」

パパが答えます。

「そうなのかもねぇ…」

ため息をつきながら、ママはメロンの横顔を見つめました。

まさか、泥棒?!

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すっかり習慣になっているからでしょうか。
それでもメロンは、パパとママが仕事から帰って来ると、嬉しそうな顔をしてお迎えをしてくれます。

「メロン、今日は何して遊ぶ?」

そう言いながら、ママがリビングに足を踏み入れると…。

「ええっ、何これ?!」

リビングの中は荒れ放題。
ゴミ箱は倒され中身が氾濫し、テーブルの上に置いてあった読みかけの本は叩き落とされ…。
あらゆる物が床に散らばっています。

ママは心臓が止まりそうでした。
誰かが侵入したに違いないと思ったからです。

もしかして、侵入者に吠えるメロンを黙らせようとして、殴ったかも…!
とっさにメロンを抱き上げ、体に異常がないか調べました。

「ああよかった! 大丈夫だね!」

メロンをぎゅっと抱きしめると、抱っこしたまま、通帳などの貴重品が無事かどうかを確認します。

「うん、こっちも問題なし!」

緊急事態発生!と、思いきや…

ホッとするあまり、へなへなと床に座り込んだママは、新たな疑惑に息をのみました。
侵入者が、どこかに隠れているかもしれない…!
日頃、推理小説を愛読しているママは、この辺りの想像力が無駄にたくましいのです。

警察に電話するべき?
いや、電話しようとしたら、きっと物陰から襲ってくる。
それ以前に、電話線を切られているはず。
どうしよう、メロンだけは逃がさないと…!

ママの腕の中から出ようとしてイヤイヤをするメロンの動きに、ママはハッと我に返りました。
そして、改めてリビングを見回し、あることに気がつきます。

「ん? クッションの中身…? なんでボロボロに?」

クッションの中身を引っ張り出してボロボロにするために、侵入する賊がいるだろうか。
と、いうことは…。

「これ全部メロンがやったの?!」

思わず声を荒げてしまったママに驚いたメロンは、ママの手を噛んでしまいました。

「痛いっ!」

うっすらと血が滲んでいます。
その隙に、メロンは隠れ家へ逃げ込みました。

このままではいけない…。

あふれる涙を拭い、ママは立ち上がりました。

  • 更新日:

    2021.02.14

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。