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しつけ

2021.01.06

犬のマウンティングをメスがする理由って?やめさせる方法はあるの?

犬の「マウンティング」に悩まされている飼い主さんは多いのではないでしょうか。マウンティングはオスの性的行動のイメージが先行しがちですが、実はマウンティングを行うことに性別は関係ありません。また、まだまだ子犬だと思っていたのに、生後数か月で突然始まった愛犬のマウンティング行動に驚いてしまう飼い主さんも少なくないようです。
ここでは、犬のマウンティング行動について、メスがマウンティングする理由、癖になってしまったマウンティングをどのような方法でやめさせるのかをご紹介します。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬のマウンティングとは

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まず初めに、犬のマウンティングとはどのようなものか、メスであってもマウンティングするのかを解説します。

マウンティングはどんな行動?

マウント(mount)という英語には「乗る、またがる」といった意味があり、マウンティングという言葉の由来と言われています。

犬のマウンティングは、立ち上がり前足で他の犬や人、ぬいぐるみなどにしがみついた状態で小刻みに腰を振る仕草の事を言います。

犬がマウンティングを始める時期はその子によって個体差がありますが、生後6か月くらいから始まると言われています。未去勢のオスは発情期のメス犬にマウンティングして交尾すれば妊娠させてしまうことがあるので、注意が必要です。

メスでもマウンティングする?

マウンティングはオスが子孫を残すために行う性行動というイメージが強いかもしれませんが、実はメスにもよく見られます。特に気が強いメスや発情中のメスは、マウンティングをしやすい傾向があるようです。

メス犬の飼い主さんの中には「オスと違って相手を妊娠させる心配がないから大丈夫」と考えてしまう人もいるようですが、メスであっても十分問題行動になり得るので、きちんとしつけなければなりません。

避妊手術はマウンティングに有効?

マウンティングは避妊手術を受けることにより減少することもありますが、一度癖になってしまうと完全にやめさせることは難しいようです。妊娠を望まないのであれば、マウンティングが習慣になる前に避妊手術を受けさせると良いでしょう。

避妊手術は通常生後6ヵ月頃、一回目の発情が来る前に行うことが理想的です。マウンティングの問題だけでなく、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症など生殖器系の病気の予防をする上でも大切なことなので、獣医師に相談しながら手術を検討しましょう。

犬のマウンティング|メスがする理由や意味は?

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メスがマウンティングする理由や意味についてご紹介します。

飼い主さんにマウンティングする場合

飼い主さんとの信頼関係が築けていないとき「自分の方が立場が上だ」という主張をするためにマウンティングすることがあります。

このとき、飼い主さんは毅然とした態度を取るようにしましょう。逃げたり、騒いだりすればマウンティングは余計にひどくなります。

また、構ってほしくて、飼い主さんの気を引くために足や腕にマウンティングすることもあります。この場合も、飼い主さんは構いたい気持ちをぐっとこらえ、他の部屋に行ってしまいましょう。

他の犬にマウンティングする場合

自然な性行動としてオスがメスにマウンティングすることは良く知られていますが、犬社会においてマウンティングは優位性をアピールする行為でもあります。

この場合に性別は関係なく、同姓同士でマウンティングすることもあります。若齢の犬や穏やかな性格の犬がマウンティングされることが多いようです。

犬同士のマウンティングは相手の犬にケガをさせてしまうこともあります。他の犬にマウンティングしそうになったら飼い主さんはすぐにリードを引いて、犬をコントロールしましょう。

クッションやおもちゃにマウンティングする場合

暇つぶしや、遊びでテンションが上がったときにマウンティングします。他にも、ストレス発散や「このクッションは自分の物だ」という独占欲によるもの、飼い主さんに注目してもらうためにマウンティングしている場合もあります。

誰にも迷惑をかけることがないので飼い主さんは黙認してしまいがちですが、無理な姿勢で足腰を傷めたり、場合によってはこすりつけた陰部をケガしてしまうことも考えられます。

犬のマウンティング|メスのマウンティングをやめさせる方法

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メスがマウンティングを始めると「女の子なのに」とショックを受けますよね。マウンティングは恥ずかしいというだけでなく、他の犬や飼い主さんにとって迷惑行為になってしまうこともあります。マウンティングをやめさせる方法についてご紹介します。

犬とマウンティングの対象を離す

他の犬や飼い主さんにマウンティングしそうになったら、リードを引いてすぐに引き離しましょう。そして「おすわり」などの指示を出し、きちんと従い落ち着くことができたら褒めてあげましょう。

クッションやおもちゃにマウンティングする場合は、代わりになるようなおもちゃを与えて気をそらし、クッションを回収します。

飼い主さんに構ってほしくてマウンティングしている場合には、騒いだり声をかけると犬にとってはご褒美になってしまうので、反応しないようにしましょう。

愛犬との関係性を見直す

しつけが十分できていない場合、優位性を主張するためにマウンティングすることがあります。正しい関係性を築く必要があるので、基本的な「おすわり」「まて」「ふせ」などのしつけについて見直し、犬がワガママになっているときには毅然とした態度で接しましょう。

飼い主さんに構ってもらうことを目的にマウンティングしてくるような場合は、相手にしてはいけません。飼い主さんから良い反応が得られなければ、犬はマウンティングをしても飼い主さんは喜ばないと学習し、マウンティングを繰り返さなくなるでしょう。

犬のマウンティングは、癖になる前にしつけよう

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犬のマウンティングは、見ている人にとって気分の良いものではありませんし、他の犬とのケンカの原因にもなります。そして、相手の犬が妊娠してしまったり、ケガを負わせてしまえば飼い主さん同士の大きなトラブルにもつながりかねません。

一度習慣化してしまったマウンティングをしつけるには時間がかかり、根気が必要です。マウンティングが始まったらトラブルが起きる前にきちんとしつけ、マウンティング=飼い主さんに褒められない行動だと教えてあげましょう。自宅での解決が難しいと感じたら、トレーナーなど専門家を頼りましょう。

  • 更新日:

    2021.01.06

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。