ヘソ天とは、おへそが天井を向いている状態のことを指します。一昔前はこのヘソ天のポーズは、服従のポーズとも言われており、愛犬が飼い主さんに服従している証とされ主従関係のものさしとして扱われていた時期もありました。
10年以上前の犬のしつけの本などには、アルファロールオーバーと呼ばれる「犬に主従関係を教えるため、犬を飼い主の足の上に乗せ、仰向け状態でおとなしくなるまで押さえつけましょう」というようなしつけ方法が紹介されていることもありました。
以前は当然のようにおこなわれていたしつけも、時代が変わった今ではほとんど意味をなさないものと淘汰されているものも多くあります。アルファロールオーバーもそのうちの1つと言えるでしょう。愛犬を無理やり押さえつけるようなしつけは望ましくありません。
愛犬がヘソ天状態の時の気持ちは、その時の状況や仕草によってさまざまです。みなさんの愛犬はどんな気持ちで仰向けになっているのか、想像しながらご覧ください。
お腹は骨格で覆われていないとてもデリケートな部分。犬にとっては弱点とも言えます。そんな弱点であるお腹を見せるということは、周りに脅威がないと認識している証拠。つまり愛犬はリラックスモードと言えますね。ヘソ天の無防備な姿で寝ている愛犬は、きっと安心しきって幸せな気持ちで寝ていることでしょう。
すぐにゴロンとお腹を見せるコがいる一方で、まったくヘソ天ポーズをしないコもいます。一度も愛犬のヘソ天ポーズを見たことのない飼い主さんの中には「うちのコはリラックスできていないのかしら?」と心配している方もいらっしゃるかもしれません。でも、心配しなくて大丈夫です。仰向けになっていなくても、広角がゆるんでいたり穏やかな表情の時はちゃんとリラックスできているはず。愛犬の普段の過ごし方をよく観察してみてくださいね。
飼い主さんの気を引きたい時やなにかおねだりしたい時なども、このヘソ天ポーズをすることがあります。飼い主さんの目の前でコテンと仰向けになって「お腹なでなでして?」と甘えてくるコも多いですよね。愛犬がお腹を見せる姿は飼い主から見ると無条件にかわいいので、そんなポーズをされたらどうしてもかまってあげたくなってしまいます。
ヘソ天をするたびにワシャワシャとお腹をなでてかわいがることは決して悪いことではありませんが、あまりに頻繁になると「ヘソ天をすればかまってもらえる」とワガママになってしまうことも。そのため、いつもかまうのではなく、たまにかまってあげるくらいにしておくと愛犬にとってもご褒美になるので、メリハリをつけてみてはいかがでしょうか?
ヘソ天状態で体をクネクネとさせていたら、遊びに誘っているのかもしれません。フレンドリーなコは、飼い主さんにだけでなくほかの犬の前でもヘソ天ポーズで遊びに誘うこともあるようです。
飼い主さんに怒られている時や、ほかの犬と遊んでいる時にヘソ天になっていたら、それは服従のポーズかもしれません。シッポと耳を見てみましょう。シッポがクルンとお腹側に巻いていて、耳が後ろに倒れていたら服従や降参のポーズの可能性が高いと言えます。弱点であるお腹を見せることで敵意のないことを周りにアピールしているのです。
気温の高い日に愛犬がヘソ天をしていたら、もしかしたら暑いというサインかも知れません。愛犬が暑いと感じている時には、うつ伏せ状態でお腹をフローリングで冷やしている場合もあれば、ヘソ天でお腹の熱を逃していることもあります。ハァハァとパンティングしているようなら室内の温度を調節してあげましょう。
いつ見ても癒やされる、みんなの「ヘソ天ポーズ」を集めました。心ゆくまで愛でてください!
遊び疲れたのかな?大好きなおもちゃに囲まれてお昼寝中のぽこたんさん。いつまでも見ていたい幸せそうな寝姿はまさに天使!
ヘソ天のチャームポイントはきっと、ちょこんと小さく折りたたまれた前足でしょう。お行儀よくたたまれた前足が最高にかわいいむぎさん!また、このほどよい脱力感もたまりませんね。まさにヘソ天のお手本とも言えるむぎさんのヘソ天ポーズでした。
『座るとダメになる』という噂のフカフカなクッションで究極のリラックスポーズを見せるシャッツさん。完全なるカメラ目線も、まるでポージングのプロのようで素敵です。
ヘソ天のポーズは、どの角度から見てもかわいい上に、目の前でゴロンとされたらお腹をワシャワシャと触らずにはいられません。まさに飼い主にとっては、悩殺ポーズとも言えるかもしれませんね。ヘソ天をしないコのオーナーさんは、するコが羨ましいと感じるでしょう。また、年齢を重ねるにつれ、ヘソ天のポーズをしにくくなるといういうこともあるようなので、ヘソ天をしてくれているうちに愛犬の無防備な姿を目に焼き付けておきましょう。