magazine

犬が骨を噛んでいる
食べもの

2021.01.03

【獣医師監修】犬に骨のおやつを与えるのは危険?メリットと注意点を解説

犬が喜ぶからと、おやつに骨を与えているものの「骨の何がおやつとして優れているのかを知らない」 「なぜ犬が喜ぶのか分からない」という方も多いはず。

本記事では、おやつに骨を与えることのメリットと、知っておかなければいけない注意点や危険性について解説していきます。

結論から言うと、骨をおやつとして与えるのはおすすめできません。犬の安全のためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:後藤 俊)

なぜ犬は骨が好きなのか?

犬が芝生の上で夢中になって骨を噛んでいる

犬が骨を好む理由には所説ありますが、犬には狩猟本能があるため、何かを齧ったりすることが好きだからということが挙げられます。骨に限らず、噛むためのおもちゃなどがあるのもそういった本能を刺激するためです。

また、骨に残る僅かな肉の匂いに反応していることなども挙げられます。犬は肉が大好きなので、それを食べようと骨を齧っているということです。

そもそも骨を犬に与えても大丈夫?

骨に含まれる成分が犬の健康に悪影響を及ぼすということは考えづらいため、与えても問題ありません。むしろ、骨には犬の健康に嬉しい成分が含まれています。

骨に含まれる栄養成分

  • カルシウム
  • リン

カルシウムとリンは、骨や歯を形成する上で必要となるミネラルです。骨からこれらの成分を摂り入れることで、犬の体づくりにも役立つでしょう。

犬に骨を与えるメリット

犬が骨を噛んでいる

犬におやつを与える上で、骨を使用することにはメリットがあります。4つに分けて解説していきます。

1.ストレス発散

骨を噛むことでストレス発散になり、吠え癖や噛み癖といった問題行動の解消が期待できます。骨はおもちゃのような役割にもなるので、雨で散歩に行けない日などに骨を与えてあげると効果的です。

2.歯磨き効果

骨を噛むことで唾液の分泌を促し、虫歯の予防に繋がります。歯垢の除去にもできるので、デンタルケアとしての効果が期待できるでしょう。

3.顎を鍛える

硬い骨を与えることで、顎の力を鍛えることができます。年齢と共に顎の力が弱っていくと、食事中の咀嚼が上手くできなくなり、消化器に負担をかけることになってしまいます。

たくさん噛むことで、若いうちから顎の力を鍛えることができるでしょう。

4.大人しくさせられる

犬が興奮して静かにできないときなど、骨を与えることで大人しくさせることができます。夢中になって噛み続けてくれるので、ここぞという場面で骨が役立ってくれるでしょう。

犬のおやつに骨を与える際の注意点と危険性

犬が割れた骨を眺めている

ここまで骨の良い所ばかりを挙げてきましたが、重要な注意点や危険性もあります。正しく使用するためにも、必ずチェックしていってください。

与えるサイズを間違えない

骨を与える際には、犬の口の大きさに合ったサイズを選ぶようにしましょう。骨が小さすぎると、噛んでいる最中に丸呑みしてしまい、消化不良を引き起こす危険性があります。

また、丸呑みした際に喉や消化管に詰まることもあるので、必ず適切なサイズ選びをしてください。

骨が欠けて口や内臓を傷つける恐れがある

犬が骨を噛み砕いた際に、尖った部分が口の中や内臓を傷つけてしまうリスクがあります。また、砕けた骨の破片を誤嚥してしまい、呼吸障害を引き起こす可能性も考えられます。

実際に、アメリカの食品医薬品局では、犬に骨を与えることについて警鐘を鳴らしています。これは、飼い主が犬に骨を与えたことによって、窒息や嘔吐を引き起こしたとの報告が相次いだためです。

こういったリスクがあることを理解し、必ず飼い主の目の届く範囲で骨を与えるようにしましょう。

鶏の骨は特にリスクが高い

牛や豚といった様々な骨の種類がある中でも、鶏の骨には特に注意が必要です。鶏の骨は縦に割れやすいため、ケガや病気を引き起こすリスクがさらに高まります。

おやつとして手羽先などを食べさせる方もいますが、その際は必ず骨を外すようにしましょう。

骨に歯が負けてしまう

硬い骨を与えることで、犬の歯が欠けたり、折れたりしまうということも起こりえます。長く噛み続けられるということは、骨は犬の歯よりも頑丈にできているということです。

骨を与える際には時間を決め、いつまでも噛ませ続けないことが大切です。歯が欠けてしまうと、最悪手術によって抜歯しなければいけなくなることもあるので、十分注意しましょう。

骨に代用できるおすすめ犬用おやつ

犬が骨を咥えている

骨は便利なおやつである一方で、危険を冒してまで与える必要はありません。獣医師さんの中でも、骨をおやつとして推奨している方は少ないです。

ここでは、骨の代用として使えるおやつを紹介していきます。

歯のケアが目的のおやつなら「歯磨きガム」を

犬の歯をケアするために骨を与えているのなら、代用として歯磨きガムをおやつにするのがおすすめです。「歯磨き用」とされているものは繊維状になっているため、骨よりも歯垢の除去に効果的です。

犬の食いつきに配慮された風味付きの商品もあるので、骨の代用として役立つでしょう。

肉好きな犬のおやつには「肉付きガム」を

骨に付いた肉の味が好きな犬には、犬用ガムに肉が付いたおやつを与えるのがおすすめです。乾燥された肉がガムに巻かれていることで、通常の犬用ガムでは満足できない犬でも食いつきが格段に上がります。

顎を鍛えるだけなら「硬めのジャーキー」でも可

犬の顎の力を鍛えるために骨をあげている場合は、硬めのジャーキーが代用として役立つでしょう。ジャーキーならば、万が一丸呑みしてしまっても、口や内臓を傷つける危性が少ないので安心です。

犬のおやつ「骨」は正しく活用しよう

犬が何かを噛んでいる

犬に骨を与えることで歯磨き効果が期待できたり、顎の力を鍛えたりできたりなど、とても便利なおやつだということが分かりました。

しかし、便利である一方、割れた破片によってケガや窒息のリスクがあることも理解しなければいけません。 そういったリスクからも、できれば歯磨きガムやジャーキーといったおやつで代用することが推奨されます。

おやつの骨については、しっかりリスクと向き合い、使用するかどうかの判断をしましょう。

  • 更新日:

    2021.01.03

この記事をシェアする
ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。