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健康管理 / 病気

2021.01.07

【獣医師監修】犬の発熱のサインとは?症状と考えられる病気と対処法まとめ

人間と同じように犬も病気によって発熱することがあります。問題なのは人間と犬は生態が異なり、言葉もしゃべれないため、飼い主が犬の発熱に気づきにくいということです。そのため「何かおかしい」と気づいたときにはかなり病気が進行しているということがありえます。誰だって愛する犬を病気で苦しめたくないはず。放置すると最悪の場合、死に至る病もあります。そこでこの記事では、犬の発熱のサインと原因、対処法をまとめて解説します。

Author :監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:山口ヨシカズ)

この症状が出たら要注意!犬の発熱の5つのサイン

元気のない様子の犬

普段から愛犬の身体を触っていても発熱しているかどうかは分かりにくいものです。そこで具体的に熱が出ているときに同時に見られる可能性のある症状を5つ解説します。

1.気温が高くないのに呼吸が荒い

犬は体温が高くなると呼吸を荒くして熱を発散します。人間は汗をかきますが、犬は肉球にしか汗をかきません。汗で熱を発散することができないので、口から呼気と一緒に熱を逃します。暑い夏に犬の呼吸が荒くなるのはそのためです。したがって気温が高いなら呼吸が荒くなるのはふつうのことなのですが、特に暑くもないのに呼吸が荒い場合は、病気で体温があがっている場合があります。

2.元気がなく、ぐったりしている

人間も発熱すると体がだるくなり動けなくなってしまいますが、犬も同じです。ぐったりしているときや元気がないときは倦怠感で体がきつくなっている場合があります。犬の睡眠時間は年齢にもより個体差もありますが、10時間から11時間程度です。それ以上ずっと眠っているならば何らかの異常を疑ったほうがいいでしょう。

3.耳の付け根や足先が熱い

被毛の薄い部分を触ると熱いのも発熱の特徴です。人間も熱が出るとおでこの熱感で簡易的に測ったりしますよね。犬の場合は耳の付け根や足先に熱感が出ます。触ると熱い感じがするのなら発熱している可能性があります。

4.ふらつく

発熱により力が入らず歩く際にふらつくなどの症状が見られることがあります。

5.食欲がない

発熱すると食欲が落ちます。寝てばっかりで全くご飯を食べなくなります。また、水もあまり飲まなくなります。脱水などもすすみかなり危険な症状に近づいてしまいます。

犬が発熱したときに考えられる病気とは?

元気のない子犬

犬が発熱した場合には「ウイルスや細菌の感染症」「呼吸器疾患」「消化器疾患」「生殖器疾患」「関節の異常」「自己免疫疾患」など体で炎症を起こしていることが考えられます。ほかにも体内の炎症が原因ではありませんが熱中症も発熱の症状を起こします。

発熱とは体に炎症が起こったときの防御反応として免疫系が起こす現象です。熱を上げることで免疫細胞を活性化してウィルスなどを撃退しようとしているのです。

例外も

ただし、熱中症の場合は異なります。熱中症は体が熱を生み出す仕組みと体が熱を逃がす仕組みのバランスが崩れることで起こります。熱中症の場合と他の病気の場合は発熱のメカニズムが違うのです。

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犬が発熱したときの対処法とは?

熱でぐったりとしている犬

犬の発熱が感じられたときには以下の対応を行ない、愛犬の健康を確認しましょう。

体温計を使って熱をはかる

犬の平熱は37.5度から39度です。人間よりも高い体温が平熱です。犬の発熱が疑われる場合には本当に発熱しているのかどうか体温計で測ってみましょう。正式な測り方はお尻に体温計を突っ込んで測りますが、衛生面の問題や心理的な抵抗で難しい場合は耳で測るタイプや非接触型のタイプでもOKです。ペット専用の体温計も売っていますので探してみましょう。だいたい40度以上の熱が出ていたら発熱していると考えていいでしょう。

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症状の有無を見て病院へ連れて行く

発熱の他に症状が出てないかどうか見てください。運動中であったり興奮している場合は運動のしすぎで体温があがっていると思われますので、犬を落ち着かせて経過観察すると良いです。嘔吐や下痢などがあったら病院に連れていきましょう。特に失禁、呼吸の乱れ、元気の低下、けいれん、41度以上の熱がある場合にはかなり重篤な症状と思われますので、大至急病院に行きましょう。

休日や夜間の場合は救急センターへ

上述したように失禁、呼吸の乱れ、元気の低下、けいれん、41度以上の熱がある場合は大至急で病院に行かなければいけません。最悪の場合、命に関わります。夜間や休日の場合は救急センターへ連れていきましょう。田舎だと動物の救急センターは少ないですが、県庁所在地のある都市に1件は救急対応してくれる動物病院があります。その都市に住んでなくても車などで連れていきましょう。万が一にそなえ、普段から自分の家の近くの救急センターをインターネットなどで確認しておいてください。

犬の発熱サインを見逃さないようにしよう

バーニーズマウンテンドッグの顔のアップ

犬の発熱も人間と同じく重篤な病気がきっかけで起こることがあります。普段から注意深く犬を観察し、サインを見逃さないようにしましょう。もしものときに熱を測るため、ペット用の体温計を1つ買っておいてください。熱がある場合には症状を観察し、重篤な場合はすぐに病院につれていきましょう。

  • 公開日:

    2021.01.04

  • 更新日:

    2021.01.07

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。