犬の肉球がパンパンに腫れているときは、次のような原因が考えられます。
散歩中にガラスなどを踏んで足を傷つけたり、アスファルトで火傷したり、トゲが刺さると、犬が肉球を気にして頻繁に舐め、腫れてしまうことがあります。足の裏を気にしているときは、異常が無いかよく観察しましょう。
また、強いストレスを感じているときに足先や肉球をなめ続けたり、噛んで腫れることも考えられます。長時間の留守番や運動不足、環境の変化などはストレスの原因になるので、できる限り改善してあげましょう。
散歩中や山などでアウトドアを楽しんでいるとき、ハチや毛虫、ムカデをはじめとした動物や人間に危害を与える生き物に遭遇し、誤って踏んでしまうことがあります。犬が害虫に刺されたり噛まれると、悲鳴をあげたり、足の裏を気にして舐めたり、肉球がパンパンに腫れる様子が見られます。
ハチの毒は激しいアレルギーや炎症、痛みを引き起こしたり、神経や筋肉、心拍や血圧など体の重要な調節機能に悪影響を及ぼす危険性があり、緊急を要します。
足の裏が何らかの原因によって炎症を起こしたときや、肉球に腫瘍ができたときには、足の裏が赤くなったり腫れ上がることがあります。
犬の肉球が腫れてしまったとき、考えられる病気についてご紹介します。
肉球や指の間が赤く腫れていたり、足先を頻繁に舐めたり、脱毛するような場合には指間炎の疑いがあります。
指間炎はその名の通り指の間や肉球の間に炎症が起こる病気ですが、気にして舐めたり噛んだりを繰り返すうちに悪化し、ひどい場合には肉球までパンパンに腫れてしまうことがあります。
指間炎の原因は皮膚病やストレス、足の裏の怪我や火傷など様々ですが、意外に多いのが散歩から帰った後の足の洗いすぎによるものです。足を洗った後、指の間に湿気が残っていると雑菌が繁殖し、炎症を起こす原因になります。日常的なお手入れは、濡らして硬く絞ったタオルで拭く程度にしましょう。
肉球の一部分が明らかに腫れていたり、腫れ以外に目立った症状が見られないときなどは、何らかの腫瘍の可能性があります。
肉球にできる腫瘍の種類は様々で、肥満細胞腫や悪性黒色腫、扁平上皮癌などがあります。肉球が腫れる以外に目立った症状が見られないこともありますが、腫れを気にして舐めたり、地面と擦れて出血したり、歩きにくくなることがあります。
一般的に良性の腫瘍の場合は進行速度が比較的ゆるやかで、転移などはしません。悪性の腫瘍は進行が早く、場合によっては指を切除する必要があったり、リンパ節や肺などの臓器に転移し、命をおびやかすこともあります。
犬の肉球がパンパンに腫れてしまったときの対処法をご紹介します。
通常、健康に問題の無い子であれば肉球がパンパンに腫れてしまうことはありません。まずは動物病院を受診し、原因に合った治療を受けることが大切です。肉球にできた傷や腫れは治りにくいことが多いので、悪化する前にきちんと治しましょう。
自宅でのケアについて獣医師から指示があれば、従いましょう。飼い主さんができる基本的な肉球ケアについてご紹介します。
慣れるまで時間がかかりますが、犬用の靴下や靴を履かせるのもおすすめです。肉球にかかる負担を軽減し、足を過剰に噛んだり舐めることを防止します。
注意点として、犬は肉球から汗をかくので蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすいので、靴を脱いだ後は足を拭いて清潔に保ちましょう。また、滑り止めが付いていない靴下はフローリングで滑りやすいので注意しましょう。
犬の肉球クリームにはクリームタイプ、ジェルタイプ、ミツロウタイプ、ローションタイプなどがあります。無香料・無着色、アルコール不使用など、安全性が高く、犬が舐めても問題のないクリームを選びましょう。
犬の肉球がパンパンに腫れているときは、病気や怪我などのトラブルが疑われます。肉球は割れたり出血すると治りにくい部位なので、ひどい状態になる前に動物病院を受診し、適切な治療を受けましょう。
肉球のトラブルは気付きにくいかもしれませんが、愛犬が足を気にして舐めていたり、歩き方に異常を感じたら足の裏をチェックしてみてくださいね。