犬のゲップが臭いときに考えられる主な原因を4つご紹介します。
食べ過ぎやフードの変更、ストレスなどにより消化不良を起こすと、臭いゲップが出ます。消化不良の原因は胃腸炎など消化器の病気であることも少なくないので、注意が必要です。
歯周病の犬は、歯垢や歯石から発生する臭いや、歯肉の炎症によって生じる膿などが原因で腐敗臭のような口臭が発生することがあります。
腎臓病や肝臓病により、通常であれば代謝されたり体外に排泄されるはずの有害物質が体内に溜まり、肺の血管を通して呼気に混ざり、ゲップの臭いが臭くなることがあります。
食糞をする犬は、当然ながらゲップをすると口から便の臭いがします。食糞の原因には様々な考え方がありますが、おもちゃ代わりで遊びの一環として食べていたり、空腹で食べたり、飼い主さんの気を引くために食べることもあります。子犬に多く見られますが、成長と共に治るケースがほとんどです。
ゲップが臭いとき、同時に歯石がたくさん付いていたり、歯茎から出血していたり、口から膿のような臭いがするときは歯周病の疑いがあります。
食事の後によだれが大量に出る、胃が異常に膨れる、苦しそう、吐くといった様子が見られる場合は、胃が捻れてガスが貯まる胃拡張胃捻転かもしれません。この症状が見られたら、早急に動物病院を受診しましょう。
その他、一日に何回も臭いゲップをするときや、臭いゲップが何日も続くときも何らかの病気の疑いがあるので要注意です。
犬のゲップが臭いときに考えられる病気をご紹介します。
炎症性腸疾患や消化器にできる腫瘍、内部寄生虫などにより食べ物をうまく分解・消化できなくなっている場合、食べたものが十分吸収されずに腸管に停滞することがあります。そして、発酵し始めるとゲップが出るようになります。
消化管の病気で最も緊急度の高い胃拡張・胃捻転症候群は、ジャーマン・シェパードやドーベルマンなど胸の深い大型犬に多く発生します。多量の食餌を早食いしたり食後すぐの運動により胃が捻じれ、胃にガスが溜まり腹部が大きく膨らみます。急激にショック状態に陥り数時間で亡くなってしまうこともあるので、早急の治療が必要です。
3才以上の犬の約8割が歯周病を患っていると言われています。犬は人と比べ歯垢から歯石に変化するスピードが速く、わずか3~5日程度で歯石になり、歯磨きでは落とせなくなってしまいます。歯石が重度に付着すると、歯肉炎や歯槽膿漏などの歯周病を引き起こします。
犬の腎臓は、血液中の老廃物を除去する重要な役割を果たしています。
腎不全になると腎臓が正常に機能しなくなるため、通常であれば体の外に排泄されるはずの物質が体内に溜まり、口から独特のにおいやアンモニア臭がすることがあります。
犬のゲップが臭いと思ったときに飼い主さんが取るべき対処法をご紹介します。
ゲップ以外にも下痢や嘔吐、よだれなどの症状を伴っていないか、ぐったりしていないか、犬の様子をよく観察しましょう。口を開けて、出血など異常が無いかチェックすることも大切です。ゲップの原因を考え、原因に合った対策を講じましょう。
ゲップの原因が食べ過ぎやドッグフードの変更などによる軽度の消化不良であれば、半日ほど絶食して胃腸を休ませたり、消化に良いフードを与えることで改善することがあります。
臭いゲップが続いたり、口腔内に異常が見られたり、ゲップ以外にも何らかの症状を伴うときには病気の可能性が考えられます。ゲップが出る病気には胃拡張・胃捻転など緊急を要するものもあるので、様子を見ずに獣医師の診察を受けましょう。
犬のゲップは生理現象で見られるものですが、頻繁にゲップが出たり臭いが強いゲップをするときには、胃腸の調子が悪かったり何らかの病気にかかっている疑いがあります。ゲップの臭いに異常を感じたり、ゲップ以外にも食欲低下などの症状を伴う場合には動物病院を受診しましょう。