magazine

雪の中、2頭の犬が1つのマフラーで暖を取っている様子
食べもの
鉛筆アイコン

2021.01.28

犬ごはんに薬膳を取り入れよう!病気になりにくい愛犬のカラダ作りを!

薬膳と聞いて頭に浮かぶのは、「なつめ」「クコの実」などのちょっと手にはいにくい食材ではないでしょうか?多くの方に、薬膳の食材選びは難しい・手に入りにくい・高価と誤解されがちですが、実は「薬膳」は私たちが毎日手にしている身近な食材でOK。食事によって病気になりにくい体作りをしましょう、というのが薬膳の考え方。和食の考え方とよく似ていることも特徴です。今回は、食養生とも呼ばれる薬膳の考えを取り入れた冬の養生犬ごはんレシピと食材をご紹介します。トッピングとしても利用できるレシピをご紹介しますので、是非、犬ごはんに薬膳を取り入れてみてください。

西村 百合子/ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士

そもそも「薬膳」とは?

薬膳に使われる食材たち

中国で発祥した薬膳は、食材には薬と同じような効果・効能があると考えられてきました。その日の体調や、それぞれの体質に合わせた食材を組み合わせ、毎日の食事に取り入れることで、病気になりにくいカラダを作り、自然治癒力を高めようというものが薬膳の基本的な考えです。

薬膳の3つの基本理念

薬膳料理の代表的な食材

薬膳には、ベースとなる考え方があります。その考え方を知っておくことで、犬ごはんの食材選びに役立ちます。ここでは、その考え方をわかりやすく簡潔にご紹介します。

1.陰陽

薬膳では、食材を陰と陽に分けて考えます。「陰陽」を簡潔に説明すると、陰は暗いもの、冷やすもの、陽は明るいもの、温めるものとなります。この考えから、陰の食材は体を冷やすもの、エネルギーを鎮めるもの、陽の食材は体を温めるもの、エネルギーをチェージするものに分けられています。

2.五臓

五臓六腑という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?五臓六腑は中医学で臓器を表す言葉で、五臓とは、「肝・心・脾・肺・腎」を指します。中医学では、それぞれの臓器の他に、その臓器の機能と関係の深い臓器などを含めた意味があり、西洋医学とは少し意味が異なります。例えば、冬に気にしたい臓器と言われている「腎」は、腎臓だけではなく、水分代謝を司り、生命エネルギーの源を貯蔵するとされています。

3.五味

薬膳では、食材の味を「酸味・苦味・甘味・鹹味(かんみ/塩辛い)」の5つに分類しています。それぞれの味には対応する臓器があるため、症状に合わせて味を選ぶことが良いとされているのです。

愛犬ごはんのための冬に役立つ食材選び

深い雪の中を犬が颯爽と走る姿

冬は、寒さから体が冷えることで「腎」が影響を受けると言われています。腎は、母犬から性質を受け継ぐ臓器で、生命エネルギーの源です。中医学では西洋医学での「腎臓」より広い意味を持つ「腎」。内分泌系機能や泌尿器、生殖器などを「腎」として捉えています。

腎を補う(補腎)の食材

腎の機能が弱まると冷えはもちろん、被毛トラブル、膀胱トラブル、骨がもろくなるなどの症状が現れます。そんな腎を補う食材は、黒い食材、温める食材、潤す食材の3種類。補腎の食材を積極的に摂取して腎を強め、寒い冬を元気いっぱい乗り切りましょう。

薬膳アドバイザーおすすめ!愛犬のための“冬”の養生レシピ

腎を強くすることは免疫アップにも効果があるとされています。特に、シニア期を迎えるとどんなに健康であった犬でも腎が弱ってきています。アンチエイジングにも役立つ補腎レシピで、腎を強化してあげてください。食材選びのポイントは旬のものを多く取り入れること。また、温めすぎも体に良くない影響を与える可能性があるため、温める食材を毎日与えるのではなく、「今日は特別寒い」「雪遊びをした」などの日に与えるようにしてください。

1.フライパンひとつでできる!たらと白菜の重ね蒸し

フライパンひとつで、20分もあれば調理出来てしまうお手軽レシピです。毎日のご飯は、手軽に作りたいという方にもぴったりなメニューです。

材料

  • たら
  • 白菜
  • 干ししいたけ
  • 黒きくらげ
  • だし昆布
  • ゆずの絞り汁(なくてもOK)
  • おろし生姜(冷えが強い場合)

作り方

  1. だし昆布、干ししいたけ、黒きくらげは水で戻し、細切りまたは細かくしておく。
  2. 白菜は食べやすい大きさにカットする。
  3. 白菜の芯の部分からフライパンに入れ、出し昆布、干ししいたけ、たら、黒きくらげ、出し昆布、干ししいたけ、白菜の葉の部分と重ねていく。※おろし生姜は、裁量を重ねた隙間に少量ずつ入れる。
  4. 少量の水を入れ、蓋をして10分程度蒸し煮にし、たらに火が通ったら出来上がり。
  5. 最後にゆずの絞り汁をまわしかけると風味がアップします。

ワンポイントアドバイス

  • 冬の代表食材たらを使ったレシピです。たらは、エネルギーや栄養を補い、腎の機能を高めてくれる食材です。白菜は潤いをもたらしてくれ、だし昆布と黒きくらげ、しいたけは補腎に役立つ食材です。また、ゆずは気を巡らせる食材で、消化不良の改善に役立ちます。

2.さつまいもと豚肉の煮物

甘くて美味しいさつまいもをおやつだけではなく、メインディッシュにも活用してあげましょう。こちらも、鍋ひとつで作れるお手軽レシピです。

材料

  • 豚肉(赤身薄切り)
  • さつまいも
  • だし昆布
  • 干ししいたけ
  • オリーブオイル

作り方

  1. 出し昆布、干ししいたけは水で戻し、細切りまたは細かくしておく。
  2. さつまいもは食べやすい大きさに輪切りにする。
  3. 豚肉を一口大にカットしておく。
  4. 鍋にオリーブオイルを入れ、豚肉をさっと炒める。
  5. 豚肉を炒まったら、水、だし昆布、干ししいたけを加えて10分程度煮る。
  6. さつまいもを加え、さつまいもが柔らかくなるまで煮る。

ワンポイントアドバイス

  • 犬が大好きなさつまいもを使ったレシピです。さつまいもは、おやつにも向いていますが、主菜にもなる食材です。補腎に役立つさつまいもは、胃腸の働きを活発にし、利尿作用も期待できる食材。また、豚肉は補腎に加え水分を補うとされる食材で、乾燥している冬には、皮膚、被毛、喉の渇きなどに効果が期待できます。

身近な食材で愛犬のために薬膳に挑戦してみて

薬膳料理・おかゆ

私たち日本人の食卓は、実は薬膳の考えととてもよく似ています。旬の食材を食べると長生きすると言われるのは、その季節ごとに必要な栄誉が含まれているから。特別な食材を使わなくても、知識さえあれば毎日の犬ごはんに薬膳と取り入れることは難しくありません。ただし気をつけたいのは、「冬だから体を温めなくては」と毎日温め食材を与えてしまうこと。犬も人間も体は熱くもなく冷たくもない「平性」に保つことが大切と薬膳では言われます。暖かい部屋で過ごすことが多い現代の犬たち、体の温めすぎには十分に気をつけてくださいね。

  • 更新日:

    2021.01.28

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 西村 百合子
  • ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士
  • ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。 現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。