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食べもの

2021.01.30

【獣医師監修】ドッグフードの正しいふやかし方とは?気を付けたい注意点も解説

子犬や老犬、ドライフードをあまり食べてくれない犬に対しては、ドッグフードをふやかして与えると食べやすさがアップします。しかし、実は気づかないうちにドッグフードを間違った方法でふやかしてしまっていることも。そこで今回はドッグフードを正しくふやかす方法や注意点を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:みゆき)

ドッグフードをふやかして与えるメリットとは?

ドッグフード ふやかし方

ドッグフードは通常はそのまま(ドライの状態で)食べることを前提に販売されています。しかし、ドッグフードをふやかすことで主に3つのメリットを得ることが出来ます。

1.消化吸収がよくなる

ドライフードをふやかして柔らかくすることでお粥のような状態になるので胃腸にやさしく、消化がよくなります。特に消化器官がまだ発達していない子犬や、胃腸が弱っている老犬も食べやすくなります。また、水分も一緒に取れるので、普段水をあまり飲まない犬も消化吸収が良くなり摂取できる栄養素も多くなります。また、カリカリで硬く角ばっているフードは犬の食道を通る際に粘膜を傷つける可能性がありますが、ふやかすことでリスクが少なくなります。

2.ドカ食い防止になる

フードをふやかすと水分で1粒が重くなり、粒がくっついてはがれにくくなるため、犬が一度に口に運べる量が少なくなります。また、ふやけたフードは器にもくっつくので、さらに食べるのに時間がかかるようになります。そのため、犬にゆっくり食べて欲しい場合やドカ食いをやめさせたい際にも有効です。

3.胃捻転(いねんてん)予防になる

ふやかすことでドッグフードの中の空気が抜け、胃捻転(胃が本来の位置からずれ、ねじれてしまう病気)の予防につながります。 胃が捻転してしまうと胃にわたる血液の循環が妨げられたり、胃の組織が圧迫されて壊死してしまいます。そのため、すぐに処置を開始しないと命にかかわる危険な状態になります。胃捻転を起こす原因ははっきりと分かっていませんが、ドライフードをふやかして与えることは予防策のひとつです。

ドライフードは発泡製法で製造されているため、粒の中には多くの空気を含んでいます。そのため、犬がドライフードを食べることで体内に余分なガスがたまりやすくなります。一方でドッグフードの中に水分が浸透することで空気が外に押し出され、余分な空気が犬の胃の中にたまるのを予防できます。

子犬や老犬のためのドッグフードの正しいふやかし方とは?

ドッグフード ふやかし方

ここでは、基本的な方法であるドッグフードをぬるま湯でふやかす方法・手順をご紹介します。

ドッグフードをぬるま湯でふやかす方法

  1. お湯を一旦沸騰させてから30~40℃まで冷まし、ぬるま湯をつくる。
  2. ドッグフードを器に入れ、しっかり浸るまで(浮いて泳ぐ程度)お湯を入れてラップをする。
  3. そのまま15~30分ひたす。
  4. 指で軽く押して潰れる程度のやわらかさになっていれば冷まして早めに食べさせる。※冷水でふやかすと犬がお腹を壊してしまう恐れがあります。

くだいてからぬるま湯でふやかす方法

    ドッグフードを細かくくだくことで、ふやかす時間を短縮できます。

  1. ミキサーやフードプロセッサーを使ってドッグフードを細かくくだく。もしくは、ビニール袋に入れて棒で叩いてくだく。
  2. 砕いて細かくなったドッグフードがしっかり浸る量のぬるま湯を入れ、ラップをする。
  3. そのまま15分ひたす。
  4. 指で軽く押して潰れる程度のやわらかさになっていれば冷まして早めに食べさせる。

※ドッグフードを砕くことで酸化が進みやすくなるので、1回で食べる分だけを砕くようにしてください。

ドッグフードのふやかし方の注意点とは?

ドッグフード ふやかし方

ドッグフードをふやかす際には主に2つの注意点があります。

ミネラルウォーターを使わない

人間用のミネラルウォーターを使ってふやかさないよう注意してください。人間用のミネラルウォーターは犬にとってはミネラルの含有量が多すぎるので、尿路結石などの原因になってしまう可能性があります。ただ、ウォーターサーバーなどで使用されている軟水ならミネラル含有量が低いので、犬に飲ませても大丈夫です。

ふかやすときに牛乳を使わない

牛乳はほんのり甘くて美味しいので、犬も大好きです。しかし、牛乳でドッグフードをふやかすことによって以下のようなデメリットが生じます。

デメリット

  • 嗜好性が強いので牛乳をかけないと食べなくなってしまう
  • カロリー過多になり肥満の原因になる
  • 結石ができやすくなる

牛乳には脂肪分やタンパク質、カルシウム、ビタミンなどさまざまな栄養素が含まれています。しかし、ドッグフードと一緒に与えることで栄養を摂取しすぎてしまいます。そもそもドッグフードはそれだけで栄養が足りるように作られているので、そこに牛乳が加わってしまうことで肥満の原因にもなりかねません。以上のように、犬用の牛乳でも与えすぎは良くないので、健康を守るために牛乳でふやかすのは避けるようにしましょう。

正しいふやかし方で美味しくドッグフードを与えよう

ドッグフード ふやかし方

ドライフードをふやかして与えることで、消化器官が未発達の子犬や硬いドライフードが食べにくい老犬の助けになるだけでなく、胃捻転の予防になったりといったさまざまなメリットがあります。
しかし、間違ったふやかし方をしてしまうと栄養価が失われたり愛犬の健康に悪影響を与えてしまうことも。ドッグフードをふやかすときは正しい方法で美味しく与えてあげてください。

  • 更新日:

    2021.01.30

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。