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飼い主の膝に手を置き見上げている犬
食べもの

2021.01.17

【獣医師監修】犬にとって醤油がなぜ危険?気にしたい体重と量の関係とは

日本の代表的な調味料「醤油」は日本人にはなくてはならない調味料と言っても過言ではありません。しかし犬には、とても危険なものと言えます。その理由は「塩分」。ペロッと舐めてしまっただけであれば大丈夫な場合と中毒症状が現れる場合があります。
そこには、犬の体重と舐めてしまった醤油の量が大きく関係しています。ここからは、犬に醤油がなぜいけないのか、舐めてしまっときの対処法についてご紹介します。

Author :監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:みなみ 愼子)

犬に醤油の味付けは必要?

空のフードボウルと横たわる犬

犬は人とくらべると嗅覚は発達しているものの、味覚はあまり発達していません。犬が食べ物を食べるときは、まず鼻で香りを嗅ぎます。次に食べ物を口に入れ、食べ物を噛み食感を感じます。その後に味覚を感じると言われています。
このことから犬にとって味覚はあまり重要視されていません。犬にとって醤油の味付けは、本当に必要なのでしょうか?

醤油は何からつくられているか

醤油の主な原料は、大豆と塩・小麦です。この3つは、普段から食べ物として利用されているもので、人間の食事においては特に害はありません。犬の食べ物としても特に害があるようなものではありません。
しかし量に問題があります。醤油には多くの塩が使用されているため、「塩分」が大きな問題となってきてしまいます。

犬が1日に必要な塩分量は体重で変わる

成犬が1日に必要とするナトリウムの量は、体重1kgあたり25~50mgといわれています。この量を塩分に換算するとおよそ体重1kgあたり0.127gとなります。たとえば体重10kgの犬なら1.27gの塩分が必要ということです。小型犬になれば体重が少ないので、より少量の塩分量となります。

人間と同じような感覚で使用してしまうと過剰摂取になってしまう可能性があります。

犬が醤油を舐めてしまったらどうなる?

犬がペロッと舌を出している

もしも犬がこぼれた醤油を舐めてしまったら、どうなってしまうのでしょうか?ここからは、犬の体重別塩分許容量や中毒症状についてご紹介します。

舐める量によっては命に関わることも

犬の体重、舐める量によって大きく変わってきます。あくまでも目安ですが、体重1kgあたりおよそ2~3gの塩分をとった場合、中毒症状が現れます。もしも体重1kgあたり4gを超える塩分をとってしまったら、命に関わる危険もあります。

上記の量はあくまでも目安です。犬によっては、ほんの少量でも中毒となってしまうことがあります。その日の体調によってもかわります。

中毒症状とは

塩分過剰の中毒症状には、次のようなものがあります。

塩分過剰の中毒で見られる症状

  • 下痢
  • 嘔吐
  • けいれん
  • ふらつき
  • 様々な神経症状
  • 呼吸困難

症状はこれだけではありません。大量の塩分が体内に入ることで、腎臓がフル回転しなければならず、大きな負担がかかってしまいます。
また腎機能が低下している犬や体力がない犬は、たとえ少量であっても中毒症状や命に関わることもあります。

犬が醤油を舐めてしまったときの対処法

元気のない犬がうつむいている

もしも愛犬が醤油を舐めてしまったとき、一体どうしたらよいのでしょうか?ここからは犬が醤油を舐めてしまった時の対処法についてご紹介します。

すぐに病院へ行く

まずはどれだけ醤油を舐めたか確認をします。少量であった場合は、中毒症状がでないこともありますが、念のため、かかりつけの病院に連絡し相談してみましょう。

塩分を過剰摂取した犬は、体内の塩分濃度を低下させるためにいつもよりたくさん水をのむことがあります。新鮮な水をたっぷりと用意しましょう。

犬によっては、元気そうにみえても、急に具合が悪くこともあるため、目を離さず様子をみます。もしも先述したような症状が現れたなら、すぐに治療をうける必要があります。

無理に吐かせることはとても危険

犬が誤飲したとき、塩をなめさせて吐き出させるという方法が以前はありました。しかし醤油を舐めてしまった時にこの方法を決しておこなってはいけません。そもそも塩分の過剰摂取により症状が出ているのに、さらに塩を舐めさせるということは危険きわまりないことです。

実際、この方法で犬が死亡したという事例もあります。絶対にやめましょう。吐かせる処置をする場合は必ず動物病院を受診し、獣医師の判断のもと行なってもらうようにしてください。

犬が醤油をなめないように気を付けることが大切

犬とご飯

犬の塩分過剰はとても危険なことです。醤油を舐めることなんてないといった油断は禁物です。醤油そのものを舐めることはないにしても醤油が入ったものを食べてしまうことがあるからです。人が食べるおせんべいや佃煮といった食べ物にもたくさんの醤油が使われています。普段から人の食べ物を愛犬に与えることはやめましょう。また盗み食いなどでも食卓の食べ物を犬が食べることないように気を付けることも大切です。

参考文献
  • 更新日:

    2021.01.17

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。