プゥさんを迎え入れてすぐに、保護主さんから貰った血液検査結果を持って、先住犬の頃からお世話になっている動物病院に、狂犬病の予防注射と登録のために診察を受けに行きました。
まず、年齢は軽度の白内障が出ていることから8歳は過ぎているだろうとのこと、後ろ足にパテラが見られるが、この年齢まで普通に歩いてきたのならこのままで問題はない、という診断結果でした。
その時は他に気になるところもなく、狂犬病の注射と登録のお願いだけで終わりました。
プゥさんを迎えて半年、子犬のようなはっちゃけた活発さはないものの、シニ犬らしく穏やかで、気付けば誰かの膝の上で眠っている姿に日々癒されていました。
食欲旺盛でおやつも大好きなプゥさんでしたが、ある日突然嘔吐したのです。ドッグーフードは保護主さんが与えていたものを引き続き与えていましたし、他にはおやつくらいしか与えていません。
嘔吐があってから一口もフードを食べず、ベッドでずっと寝たままでした。次の朝には、何も食べていないのにまた嘔吐。病院が開くのを待って、すぐに連れて行くことにしました。
その日の血液検査の結果、肝臓の数値が驚くほど高く、特にGPT・ALPの数値は計測できないほどで上限を振り切っていました。エコー検査の結果は急性膵炎か肝炎。
入院も視野に入れられましたが、入院してもすることは点滴しかないということで、分離不安ぎみなこともあり、それならばと毎日点滴と注射に通うことにしました。
嘔吐がなくなったら少しずつ食べさせて、と言われた療養食でしたが全く食べてくれません。何も食べず、おしっこのために庭に出る以外は、ずっと寝たままの状態が数日続きました。
フードを口に持っていっても口を開けてくれず、お願いだから食べて・・と缶詰の療養食をお湯で溶き、高栄養食のリキッドに混ぜて注射器で口に流し込むと、少しずつ食べてくれるようになりました。
食べられるようになってからの回復は早く、数日後にはいつもの元気なプゥさんに戻っていたのです。
再診の時、先生が意外なことをおっしゃいました。保護時に受けた血液検査表を改めて見直したところ、その時からすでに黄疸が出ていた可能性があり、おそらく保護される前にも肝炎を起こしたことがあると思われる、とのことでした。
保護時は黄疸以外の数値が正常で元気だったため、経過観察だったのでは?とも言われました。
保護犬は過去の疾病履歴が分からず、それまでにどのようなフードを与えられていたのかもわかりません。
保護されたときに治療が必要な状態であれば、症状に合った療養食などが与えられますが、プゥさんの場合は元気であったため他の保護犬と同じフードを食べていたようです。
保護主さんから指定されたフードは上質な海外産のプレミアムフードでした。海外産であるため少し高カロリーであったことが、肝臓の弱いプゥさんには負担になっていたのかもしれません。
肝炎をおこしてからのプゥさんのフードは、消化器をサポートする低脂肪の療養食に切り替え、市販のおやつは一切禁止。
それからは嘔吐もなく数値も安定していましたが、おやつがないのも可哀想だと思い、身体に良さそうなレタスやゆで卵などを与えたことがありました。
ところが、それらを一定期間与え続けると決まって肝臓の数値が跳ね上がり肝炎が再発します。どの食材が肝臓に反応するのかがわからず困りました。
今は、療養食に少量の無添加ササミチーズソーセージだけで数値が安定していますが。
保護犬は病気を持っているから引き取るのはちょっと・・といわれることも少なくありません。
しかし、保護犬だから病気を持っているのではありません。今健康な犬であっても、絶対病気にならないという保証はどこにもないのですから。
どんな犬でも人と同じように、病気にもなるし身体も老いていきます。どんな病気があってもプゥさんはプゥさん、私達の大切な家族です。
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