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柴犬 小説
連載 / ブログ

2021.01.31

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと|vol.13

豆しば暮らし|犬も腰を抜かすんだ…

寒の戻りというのでしょうか。
春もたけなわだというのに、寒い日が続いていました。

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語の連載第13話です。

#柴犬 / #豆しば暮らし

Author :笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

こんな日は鍋がいいよね

今日は、パパもママもお休みです。おうちでまったり、メロンとゆっくり。
寒い日には、それが一番でした。

「今夜は久し振りに鍋にしようか?」

メロンと遊びながら、ママが提案します。

「いいね! ビリ辛の牡蠣鍋が食べたいなー」

辛い物と海産物の好きなパパが、嬉しそうに答えました。

その晩は、あつあつの牡蠣鍋を囲んで軽く一杯。明日への英気を養いました。

ママに異変が!

その翌日は、パパは朝から仕事、ママは午後から仕事です。
パパを送り出し、家事を済ませ、メロンと遊び…。バタバタと動いていると、あっという間にお昼になりました。

軽い昼食をとり、支度を整え、ママは仕事へと向かいます。ですが、何だか気分がのりません。

「昨日ゆっくり休んだはずなのに、おかしいな…」

気持ちを奮い立たせようとしていると、だんだんお腹が痛くなって来ました。
仕事の間は集中しているので、痛みを忘れることができましたが、仕事が終わる頃には、我慢するのが難しいほどの激しさに。

病院が苦手なママは、家に帰って休めば治ると自分に言い聞かせ、スタッフへの挨拶もそこそこに、急いで帰路につきました。
しかし、腹痛は容赦無く激しさを増してゆきます。

「もしかして、牡蠣にあたったのかな…?」

脂汗をダラダラとかきながら、意識を失いそうになりながら、ママは何とか車を運転し続け、家にたどり着きました。

どうにか帰宅はしたものの…

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玄関のドアを開けると、いつものようにメロンがお迎えしてくれています。でも、今日ばかりは、メロンと遊ぶことができそうにありません。
意識が朦朧とする中、うがいと手洗いをし、ママはリビングへ。

ただならぬ様子のママを、心配そうに見つめながら、メロンも後をついてゆきました。

薬箱から腹痛の薬を出して服用すると、ママはメロンに言います。

「ごめんねメロン、遊ぶのはもう少し待ってくれるかな? ちょっと休んでから…」

言い終わらないうちに、ママの視界が暗くなっていきました。

「貧血…?」

腹痛も耐えられないほどになっています。ママは、その場にしゃがみ込もうとして、そのまま倒れてしまいました。

最後に見たメロンの姿は

ママの身長は170センチ。女性にしては、大柄です。
それがドサリと倒れるのですから、かなりの衝撃でした。

「ふぎゃ!」

驚きのあまり、メロンは思わず声をあげ、コテンと尻もちをついてしまいました。
意識を失う寸前にママが見たのは、メロンのその姿。

「え? 犬も腰を抜かすんだ…。しかも、ふぎゃって。かわいい…」

驚きと愛おしさとで胸がいっぱいになりながら、ママは暗闇の底へと落ちてゆきました。

  • 更新日:

    2021.01.31

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。