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安 亮磨
健康管理 / 病気

2021.01.31

動物と人の未来を創る獣医師によるコラム|vol.6

愛犬の体調の変化にいち早く気付いて悪化を防ごう【2次予防】

前回の記事では、愛犬のためにできる予防の4段階のうち、0次予防『体質を知って取り組む健康づくり』と、1次予防『病気にならないように気を付ける』についてお話させていただきました。
今回の記事では2次予防について動物予防医療普及協会の獣医師安先生がお伝えいたします!
キーワードは『愛犬の体調の変化にいち早く気付いて悪化を防ごう』です。

#安亮磨 / #専門家コラム / #獣医師

Author :安 亮磨/獣医師、動物予防医療普及協会 理事

犬の寿命が延びてきたからこそ大切にしたいこと

安亮磨

今から30年ほど前、犬の寿命はおよそ7.5歳でした。
現在は、食生活や生活環境、獣医療などの進歩・改善によって、犬の平均寿命は30年前と比べておよそ2倍の14.2歳まで伸びています。
大切な家族の平均寿命が延びることは、喜ばしいことです。一方で、平均寿命が延びたことで高齢化が進むワンちゃんたちも、私たち人間と同じように病気が多様化してきました。

飼い主一人ひとりが学び実践すること

限られた大切な時間を家族みんなで楽しく過ごすために、愛犬の寿命を健康寿命、つまり「介護ケアや獣医療の力を借りなくても元気に生活できる期間」にしてあげたいという想いは、すべての飼い主さまに共通するのかと思います。
病気の初期症状のサインに気付いて悪化を防ぐためには、私たち飼い主が予防について学び、実践することが大切です。

前回のお話をまだお読みでない方は

今回のお話は、「愛犬のための4段階の予防」のうち、0次予防と1次予防の上に成り立っているので、まだ記事をお読みでないかたは是非前回の記事をチェックしてくださいね!

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2次予防:病気がひどくなる前に見つける

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私たち人間における2次予防とは、人間ドックなどの定期的な健康診断や、ちょっとした体調の変化にご自身が気付き、病気の早期発見または早期治療を行い、適切な医療やケアを受けて病気が重症化しないように行われる処置や指導のことです。
一方で、犬における2次予防は、定期的な健康診断のために動物病院に連れていったり、代表的な病気の初期症状について私たち飼い主が学び、そのサインをチェックして気付いてあげることになります。

健康診断の流れ

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健康診断では、身体検査から始まります。
目・鼻・口(特に歯)・耳・皮膚・筋肉・関節・活力など、お鼻の先から足先、しっぽの先までを動物病院の先生によーくチェックしてもらいましょう!

そして、愛犬の年齢や普段の様子に応じて、血液検査(検査項目は獣医師の先生と相談してみましょう)、尿や便の検査、レントゲン・エコー検査などをしてもらいます。

まだ若くて元気な日常生活を過ごしている子は、たとえば血液検査ではすべて基準値で大きな数値の上下はないかもしれません。
しかし元気な時であっても、基準値を把握できることで、愛犬が体調を崩した時に行う血液検査で数値を比べることができるというメリットもあります。

膀胱結石をみつけた事例

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上の画像は、特に症状がありませんでしたが、健康診断のレントゲン検査で『膀胱結石』が見つかった一例です。

ちなみに膀胱結石の初期症状には、おしっこがまとまって出ない、頻尿や血尿などがあります。
愛犬(特に男の子)が、排尿の姿勢をとっているのに尿が全くでていない場合は、尿道に結石が詰まってしまっている緊急事態の可能性もあるので、早期に動物病院に受診しましょう!

愛犬の病気の初期症状、どんなものがある?

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心臓病や腎臓病、歯周病など、代表的な病気の初期症状の中には、一見大きく体調を崩しているといった様子ではなく、私たち飼い主がその初期症状を知らないと気付くことができないものもあります。
それぞれの病気の初期症状は連載第3話にも書いてありますので、チェックして知識を持っておきましょう!

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その他にも

第3話でご紹介させていただいた病気の初期症状の他にも、例えば変形膝関節症(関節炎)の初期症状の中には最近お散歩でゆっくり歩くようになった、または歩きたがらない。段差の上り下りをしなくなった、遊ばなくなった、などがあります。
愛犬の身体をよく見て触って、小さなしこり、を見つけることも早期発見です。

docdogの記事にはこれらの病気についてまとめられているものもあるので、是非チェックして学んでくださいね!

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次回の記事では

愛犬のためにできる予防の4ステップの最後、『3次予防』についてお伝えいたします。
読んでいただきありがとうございました!
安亮磨より、動物たちと飼い主さまに愛をこめて。

  • 更新日:

    2021.01.31

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ライター・専門家プロフィール
  • 安 亮磨
  • 獣医師、動物予防医療普及協会 理事
  • 神奈川県の動物病院勤務(総合診療科・歯科担当)。多くの救急症例と対峙する診療経験を経て、予防医療・予防ケアを普及させるため『飼い主さまが知ることで、行動することで防ぐことができるペットの病気や怪我があります』というメッセージとともに情報発信を開始。2018年に一般社団法人 動物予防医療普及協会を設立し、現在は全国各地で予防医療の啓発活動を行う。