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安亮磨
連載 / ブログ

2021.01.03

動物と人の未来を創る獣医師によるコラム|vol.5

愛犬のためにできる予防は4ステップ!【0次予防と1次予防】

愛犬のためにできる予防には、0次予防、1次予防、2次予防、3次予防までの4段階があるのをご存知でしょうか?愛犬の犬種や年齢、病気のステージによって、各段階の予防はできることが異なります。
今回の記事では、「愛犬のための予防」について、動物予防医療普及協会の獣医師安先生がお伝えいたします!

#安亮磨 / #専門家コラム / #獣医師

Author :安 亮磨/獣医師、動物予防医療普及協会 理事

まずは知っておきたい「予防」のこと

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飼い主さまが知ることで、行動することで防ぐことができるペットの病気やケガがあります。

動物予防医療普及協会では、このメッセージとともに様々な情報発信をしています。

多くの飼い主さまは、愛犬のために防ぐことができる病気やケガは防いであげたいと思っていらっしゃるのではないでしょうか。

そもそも予防とは?

辞書によると、予防とは「悪い事態を生じないように気をつけ、前もって防ぐこと」と書かれています。

では、愛犬のための予防って?

「愛犬のための予防」と聞くと、皆さまはどんなことを思い浮かべますか?
ワクチン接種、ノミやダニ、フィラリアなどの寄生虫から守ることを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

愛犬のための予防には上記の内容ももちろん含まれますが、予防には4つの段階があるのです。

愛犬のための4段階の予防

「予防」には、病気の予防の3段階(1次、2次、3次予防)に、“0次予防”というベースを加えた、大きく4つの段階に分けた概念があります。

この概念は私たち人間のものですが、犬にとっても当てはめられる考え方なので、今回は動物予防医療普及協会がアレンジを加えた「愛犬のための予防の大枠」をお伝えいたします。
それでは順番にまいりましょう!

0次予防:体質を知って取り組む健康づくり

私たち人間において0次予防とは、自分自身がどのような病気になりやすい体質なのかを知り、健康のための効果的な生活習慣の改善の方向性を考えることを示しています。

犬における0次予防とは、犬種ごとのかかりやすい病気を学び、遺伝子検査の結果を把握することで、飼い主さまが愛犬の健康的な生活習慣をサポートしてあげることになります。

犬の種類によっては、骨格や遺伝的な要因などでかかりやすい病気があるのでいくつか例をあげてみましょう。

犬種ごとのかかりやすい病気

  • ダックスフンド:椎間板ヘルニア
  • ミニチュアシュナウザー:膵炎
  • キャバリア:心臓病
  • 短頭種や大型犬:熱中症
  • 耳が垂れている犬:外耳炎
  • すべての犬:歯周病(3歳以上の犬の80%は歯周病)

愛犬のための0次予防、まずは知ること

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上記の内容は、犬種図鑑にも記載されていることが多く、またdocdogの犬種別の特徴記事にも気を付けたい病気について書いてあるものがありますので、調べて読んでみましょう!

遺伝子検査については、項目によってその結果の解釈はさまざまですので、かかりつけの動物病院の獣医師に相談してみましょう。

1次予防:病気にならないように気を付ける

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私たち人間において1次予防とは、病気にならないように生活習慣を改善することを示します。

たとえば、ストレス解消、食生活の改善や定期的な運動、減煙・禁煙、予防接種などがこれに当たります。

また、現在流行している感染症予防のためのマスク、手洗い、3密を避けるなどは1次予防になります。

愛犬のための1次予防

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犬における1次予防の例をあげてみます。

下の他にも、熱中症対策や寒い時期の飲水量を増やしてあげること、定期的な爪や被毛のケアなども愛犬の1次予防ですね!

お伝えしたい1次予防はまだまだたくさんあるので、今後の連載でご紹介していきますね!

犬における1次予防

  • 食事:犬種や年齢にあわせた適切な内容・量の適切な食事を与えること
  • 運動:筋力や体力の維持・増進、また肥満にならないようにしっかりと運動をさせてあげること
  • 環境:誤食しないように愛犬がいる環境は整理整頓したり、フローリングや段差ですべって怪我しないようにマットやクッションを敷いてあげる
  • 予防接種:命に関わる病気、または感染性の強い病気にかからないように定期的に予防接種を行うこと
  • 毎日の歯ブラシ:歯周病の前段階、歯肉炎は歯垢(プラーク)によって引き起こされます。1日1回以上、丁寧に歯ブラシを行うことが大切です。

次回は、2次予防と3次予防

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次回の記事では、今回の0次予防と1次予防を踏まえたうえで、2次予防と3次予防についてお伝えいたします。

読んでいただきありがとうございました!安亮磨より、飼い主さまと動物たちに愛をこめて。

  • 更新日:

    2021.01.03

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ライター・専門家プロフィール
  • 安 亮磨
  • 獣医師、動物予防医療普及協会 理事
  • 神奈川県の動物病院勤務(総合診療科・歯科担当)。多くの救急症例と対峙する診療経験を経て、予防医療・予防ケアを普及させるため『飼い主さまが知ることで、行動することで防ぐことができるペットの病気や怪我があります』というメッセージとともに情報発信を開始。2018年に一般社団法人 動物予防医療普及協会を設立し、現在は全国各地で予防医療の啓発活動を行う。