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犬が誤飲しやすい乾燥剤
健康管理 / 病気

2020.12.15

【獣医師監修】犬が乾燥剤を袋ごと飲み込んだときの対処法まとめ。吐き出させるのはNG

お菓子や餌の袋の中に入っている乾燥剤を犬が誤飲してしまうというトラブルをよく耳にします。その際に「対処法が分からない」という方が非常に多いです。

本記事では、乾燥剤の種類別に、誤飲してしまった際の対処法を紹介します。また、「吐き出させる」という間違った認識についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

対処法を理解して、いざという時に愛犬を守れるようにしましょう。

Author :監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:後藤 俊/ライター)

【種離別】犬が乾燥剤を誤飲した際の対処法

乾燥剤を誤飲してぐったりする様子の犬(イメージ)

犬が乾燥剤を誤飲してしまった際の対処法を紹介します。乾燥材の種類によって対処法が変わるので、それぞれの項目に分けて解説していきます。

シリカゲル

シリカゲルとは、青や透明の粒が入っている乾燥材です。袋タイプ、錠剤タイプ、シートタイプになっていることが多いです。主にお菓子などに使用されています。

少量のシリカゲルならば、誤飲しても中毒症状が起きる心配はありません。

シリカゲルを誤飲した際の対処法

経過観察をして、問題がなければ自然に排泄されるのを待ちましょう。

生石灰

生石灰とは、白い粉末状になっている強いアルカリ性の乾燥材です。水に触れると高熱を発生させる性質を持っています。布袋や紙袋に包まれていることが多いです。主に海苔や煎餅に使用されています。

生石灰を飲み込んでしまうと、口の中や胃で炎症を起こし、出血を引き起こす場合があります。

生石灰を誤飲した際の対処法

生石灰を飲み込んでしまったら、すぐに口の中を水で洗浄しましょう。その後、胃の粘膜を保護するためにコップ1杯ほどの牛乳を飲ませてください。

これらはあくまで応急処置に過ぎないので、ただちに動物病院へ連絡するようにしましょう。生石灰による症状はすぐに発症するので、素早い処置が必要となります。

塩化カルシウム

塩化カルシウムとは、白い粉末状や塊状になっている乾燥剤です。主に押し入れやタンスの除湿剤として使用されています。

生石灰ほどではないものの、口の中や胃で炎症引き起こします。また、嘔吐や下痢、腹痛といった症状も起きるので、速やかに処置を行う必要があります。

塩化カルシウムを誤飲した際の対処法

生石灰の処置と同様に、水で口の中を洗浄した後、コップ1杯ほどの牛乳を飲ませて胃の粘膜を保護します。

その後、動物病院へ連絡し、指示を受けるようにしましょう。

エージレスドライ

エージレスドライとは、小袋状になっている脱酸素剤です。主にお菓子やスイーツなどに使用されています。

材料に生石灰が使用されていますが、発熱を抑えるように作られているので、とても安全性の高いものです。誤飲してしまっても、エージレスドライによる中毒症状は起きません。

エージレスドライを誤飲した際の対処法

経過観察をして、問題なければ自然に排泄されるのを待ちましょう。

しかし、袋の角で胃や腸を傷つけてしまっている場合があります。便の中に血が混ざっていなかを確認し、もし出血しているようであれば、獣医に相談するようにしましょう。

犬に無理やり乾燥剤を吐き出させようとするのはNG

乾燥剤を誤飲してぐったりする様子の犬(イメージ)

犬が乾燥剤を誤飲してしまった際に、焦って吐き出させようとするのはやめましょう。吐き出させることによって、炎症が喉にまで広がる恐れがあるからです。

また、粉末状の乾燥材の場合は肺に入り込んでしまい、誤飲性の肺炎を併発させる可能性もあります。吐き出させるかどうかの処置は、獣医師の指示に従うようにしてください。

愛犬に乾燥材を誤飲させないための3つの予防策

乾燥剤の誤飲を防ぐ犬と暮らす室内環境(イメージ)

犬が乾燥剤と食品の違いを判断出来ない分、飼い主が十分に気をつける必要があります。ここでは、愛犬に乾燥材を誤飲させないための予防策を3つ紹介します。

1.ゴミ箱を床に置かない

犬がゴミ箱をひっくり返したり漁ったりした際に、捨ててあった乾燥剤を誤飲することがあります。対策として、ゴミ箱を床に置かないようにしましょう。

犬の届かない場所にゴミ箱を置くことで、乾燥剤以外の異物の誤飲も防ぐことができます。

2.小分けタイプの餌を使用する

ドッグフードなどを大きな袋からお皿へ取り分ける際に、気づかず乾燥剤を混入させてしまう場合があります。予防策として、1食分が小分けになっているドッグフードを使うのがおすすめです。

小分けタイプの場合、少量で袋内の内容物が確認しやすいため、誤認で混入してしまうことを防げるかもしれません。

3.乾燥剤を入れ替える

ドッグフードなどにすでに入っている乾燥剤を取り出し、飲み込む危険性の無いものに取り替えるのも効果的です。比較的サイズの大きい珪藻土などを使用すれば、万が一混入させてもすぐに気づくことができます。

また、取り分けるスプーンを珪藻土のものに変えることで、乾燥剤としての代用もできて一石二鳥です。 ただし、一度開封してしまう場合は、一緒に空気も入れて再度封をしてしまうと、湿気は防げても脂が酸化して劣化してしまう可能性があります。しっかり空気を抜いて封をしてくださいね。

犬が異物を誤飲するのはよくあること

犬がゴミ箱を漁っている様子

犬が乾燥剤を誤飲してしまったら、飲み込んだ乾燥剤の種類に合わせて適切な処置を行いましょう。その際に、吐き出させるのは逆効果なのでやめてください。

炎症や嘔吐といった症状が出たら、素早い処置が必要となります。すぐに動物病院へ連絡し、獣医からの指示を受けるようにしましょう。

犬は乾燥剤に限らず、異物を飲み込んでしまうことが多いです。そのためにも、床に物を置かないといった対策が必要です。

安心した生活を送らせてあげるためにも、誤飲をしないよう対策をとり、異物を飲み込んでしまった際の対処法を覚えておきましょう。

  • 更新日:

    2020.12.15

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。