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健康管理 / 病気
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2020.12.27

犬のワクチンの副作用に「後ろ足の麻痺」は本当?海外では常識とも

日本では、狂犬病ワクチン接種が義務付けられているので、毎年接種させているかと思いますが、ワクチン接種をして副作用が出る場合もあります。
副作用が起きる確率は極めて低いですが、大切な愛犬にも関係することなので、ワクチンによる副作用について理解を深めておきましょう。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子/動物ライター)

ワクチン接種は必ず受けないといけない?

犬 ワクチン 副作用 後ろ足

ワクチンとは感染症の予防を目的として、弱毒化または無毒化した病原体をわざと体に接種することで病気への抗体を作り、免疫力をつけることです。

ワクチン接種は大きく分けて、狂犬病ワクチン接種と混合ワクチン接種がありますが、副作用が起きる可能性があっても必ず受けないといけないのでしょうか。

狂犬病ワクチン接種は必須

狂犬病ワクチン接種は、狂犬病予防法により生後91日を過ぎた犬は毎年1回接種することが義務付けられています。日本国内では1957年以降発生していませんが、現在も狂犬病の治療法は確立されていないので、発症すればほぼ100%死亡します。

混合ワクチン接種は任意

複数の感染症の予防のための混合ワクチン接種は任意です。必須ではないものの、ドッグランやペットサロン、ペットホテル、宿泊施設などでは感染症予防と衛生管理上、混合ワクチン接種をしていることを利用条件の1つとしていることが多いので、毎年受けさせているという飼い主さんは多くいます。

ワクチン摂取による副作用

犬 ワクチン 副作用 後ろ足

ワクチン接種をした後、稀に副作用が出る場合があります。もしワクチン接種後に異変が見られたら、速やかに動物病院を受診しましょう。

主な副作用

ワクチン接種による主な副作用には、以下が挙げられます。

アナフィラキシーショックによる死亡例も報告されていますが、発症しても迅速、かつ適切に処置をすれば多くの場合において回復します。また、皮膚症状も消化器症状も時間とともに治ります。

  • アナフィラキシーショック
  • 元気・食欲消失(呼吸困難や血圧低下など。急激に起こる重篤なアレルギー)
  • 発熱
  • 皮膚症状(かゆみ、蕁麻疹、目や口の周りの腫れ、ムーンフェイス)
  • 消化器症状(下痢・嘔吐)

ワクチン接種を控えたほうがよい場合

以下のようなときにワクチン接種をすると、体調を崩したり免疫がしっかりつかなかったりするので、控えたほうがよいです。獣医師と相談のうえ、いつ行うかを決めるようにしましょう。

  • 元気がない
  • シャンプーをしたばかり、またはすぐにする予定がある
  • 下痢や嘔吐
  • 消化管内に寄生虫が寄生している
  • 栄養不足
  • 病気の治療中
  • 発情・妊娠中
  • 高齢犬 など

副作用により後ろ足が麻痺することもある?

犬 ワクチン 副作用 後ろ足

ワクチン接種が原因で、神経から足への筋肉への神経伝達が正常にできなくなり、後ろ足が麻痺する副作用が出るとして、海外ではワクチン接種の副作用が懸念されています。

イギリスの報告では、混合ワクチン接種をした3ヶ月以内に後ろ足麻痺の発症が約69%見られたとなっています。また、狂犬病ワクチン接種後に後ろ足麻痺の副作用が出たという別の報告もあります。

日本においては、後ろ足麻痺の副作用の報告例は少ないですが、念のためこのようなことが起こる恐れがあるのを頭に入れて起きましょう。

ワクチンの副作用が心配な場合は獣医師に相談しよう

犬 ワクチン 副作用 後ろ足

混合ワクチンにおいては任意なので、副作用を心配して受けさせないという選択肢もありますが、混合ワクチンには重篤化すると命に関わる伝染病を防ぐ目的があり、伝染病に感染するリスクや、ドッグランやペットサロンの利用ができないなどを考えると接種させるほうがよいのか悩ましいところだと思います。もし、副作用のことが心配であればそのことを素直に獣医師に伝え、相談のうえ決めるのがよいでしょう。

  • 更新日:

    2020.12.27

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。