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住まい / 生活

2020.12.01

老犬の気持ちに寄り添うサポートサービス6選|頼って大丈夫!

獣医療の発展や生活環境・食事の進化によって、一昔前に比べて犬たちも長生きとなりました。大切な家族の一員である愛犬と長い時間一緒に暮らせることはとても嬉しいことですが、その反面、犬の加齢に伴うさまざまな課題も見えてきました。
歳を重ねたことで発症する病気、身体的な衰えは、人間と同じように犬にも起こります。少しでも、穏やかで笑顔の毎日を送らせてあげたいと考えた時に、飼い主としてできることはどんなことなのでしょうか?今回は、老犬の気持ちに寄り添うサポートサービスについてご紹介します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

老犬になると訪れる身体の変化と気持ちの変化

老犬の気持ち

若い頃はヤンチャで手に負えなかったほど元気だった犬でも、歳を重ねるごとに目に見えて身体的な衰えを見せ始めるようになります。具体的な身体的な変化としては、筋力の衰えによる足腰の弱り、加齢による目や耳の衰えなどが現れます。

また、寝てばかりいるようになる、トイレを失敗する、短気になる、頑固になるなど、生活のスタイルにも変化が見えてきます。これまで出来ていたことが出来なくなるので、老犬の気持ちとしても相当ストレスを感じることになるでしょう。

老犬になると病気にかかりやすくなる

身体的な衰えは、体調にも影響を及ぼします。免疫力が低下することから病気にもかかりやすくなるのです。その日は、ある日突然やってきます。散歩中にいきなり倒れた、突然ご飯を食べなくなったなどの症状は、病気を発症していることのサインかもしれません。

筆者が飼っていたゴールデンレトリバーは、ある日突然、散歩中に倒れました。しばらくすると、意識を取り戻し歩けるようになりましたが、やはり心臓の病気が隠れていたのです。歳を重ねていく犬には、日々体調の変化が訪れます。そんな犬の身体的変化を見逃さず、しっかりとサポートしてあげることが、飼い主の役割とも言えます。

老犬になると発症しやすい病気とは

老犬の気持ち

人間の4~6倍ものスピードで歳をとる犬は、シニア期と言われる7歳を過ぎた頃から、徐々に体の衰えが見え始めます。この身体的変化を「もうおじいさん(おばあさん)だから」と片付けてしまうことも多いようですが、実は大きな病気が隠れていることもあります。まずは、老犬が発症しやすく介護が必要となる病気についてご紹介します。

心臓の病気

散歩中に倒れた筆者の犬は、もうすぐ10歳の誕生日という歳でした。病院に連れて行くと、心臓の病気であることが分かったのです。老犬になると心臓の病気を発症する犬が増えます。

特に多いのが「憎帽弁閉鎖不全症」という病気です。これは、加齢に伴い左心室と左心房の間にある憎帽弁が変性し、血液の一部が逆流する病気です。夜間や運動時、興奮時に水を飲んだ時のような咳をします。この他の症状は、食欲不振や疲れやすくなるほか腹囲膨満などがあります。

また、最近増えてきているのが「心タンポナーデ」です。これは、心臓を包んでいる心膜と心臓の間に、何らかの原因で血液を主とした液体が溜まってしまう病気です。がたまってしまうため心臓の動きが制限されてしまうのです。心タンポナーデを発症すると、呼吸困難や極度の貧血があり、重症になるとショック状態となってしまうこともあります。

悪性腫瘍(ガン)

人間と同じように、高齢の犬に多い病気が悪性腫瘍(ガン)です。発症する部位は肝臓、肺、リンパ、骨、乳腺などさまざまで、遺伝、ホルモンバランス、生活環境、食事などが原因とされています。

悪性腫瘍は、細胞の増殖がはやく転移をします。腫瘍が小さいうちは、あまり症状がなく気づきにくいのですが、大きくなるにつれ、発症した部分だけでなく、全身的に症状を示すようになります。その結果、他の臓器にも障害を引き起こします。手術をしても再発することが多いのが特徴です。

腎臓病

腎臓は、血液の老廃物や余分な水分、異物をろ過する機能だけでなく電解質や血液のpHの調整などをおこなう極めて重要な臓器のひとつです。加齢によって腎臓機能の衰えるため、老犬になると「腎不全」の発症率が上がると言われています。

この病気を発症すると、腎機能が低下しまうため毒素がろ過できず、体内に溜まってしまいます。症状には、元気がなくなる、食欲がない、体重の減少、嘔吐などがあります。

脳の病気

日本犬の老犬が多く発症する病気が「認知症」です。原因は、脳の老化、ストレス、脳腫瘍、脳炎などさまざまです。

このほかに、老犬が発症しやすい脳の病気の一つが「特発性急性前庭障害」があります。これは、突然平衡感覚を失ってしまう原因不明の脳の病気です。めまいやふらつきがおこります。しかし適切な治療をおこなうことで徐々に良くなり、数週間で回復することが多いと言われています。

目の病気

加齢と共に目が白く濁って見える「老齢性白内障」を発症しやすくなります。白内障は進行性の病気のため、徐々に目が見えにくくなり、最終的には視力を失うことがありますが、進行のスピードはさまざまです。

白内障になると視力が低下するため、家具にぶつかる、ボールやおもちゃを見失う、見えないことの恐怖によりあまり動きたがらなくなることがあります。

骨の病気

老犬になると関節や骨の病気を発症しやすくなります。老犬が多く発症するのは、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、関節炎などの他に慢性の関節リウマチや骨粗しょう症があります。骨の病気を発症すると、歩行が困難になることが多くあります。
余計な負荷をかけないようにするため、体重コントロールをすることがとても重要です。

老犬の気持ちに寄り添うサポートサービス6選

老犬の気持ち

「寝たきりになってしまったけれど、どうしてあげればいいか分からない」、そんな介護が必要となった老犬のケアにお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?最近では、人間の介護と同じように、デイサービスから老犬ホームまで年を重ねサポートが必要となった犬のためのサービスが充実しています。

こんな時はサポートサービスを利用しよう

人間と同じように、年を重ねるごとに犬もサポートが必要となる場面が出てきます。特に、大型犬を一人で介護することは、身体的負担も含めてとても大変です。たくさんの思い出を共有してきた大切な愛犬だからこそ、一人で介護するのではなくサポートサービスを活用することが大切なのです。

日帰りで受けられるサービス:デイケア

日中の預かりをしてくれるサービスで、専門のペットシッターや動物介護の資格を持ったスタッフが専門の施設で、リハビリ、マッサージを始め、体調に合わせた運動やトレーニングを行います。どうしても留守にしなくてはいけない時やリハビリなどの運動をさせたい時に役に立つサービスです。

1.WANCOTT

国内最大級の屋内ドッグランを備え、子犬のしつけから老犬のケアまでさまざまなサービスを行うペット専用施設がWANCOTTです。介護・老犬ケアサービスでは、各種検査機器を備えた診察室を完備し、医療スタッフが24時間常駐し、老犬のケアを行います。

また、訪問介護、デイケア、ショートステイ、長期の預かりなどの医療スタッフによるケアサービスも行っています。

施設情報
  • 施設名:WANCOTT
  • 住所:神奈川県横浜市中区山下町168-1 レイトンハウス3F・4F(総合受付 4F)
  • アクセス:みなとみらい線「元町・中華街駅」徒歩8分
  • 電話番号:045-264-8730
  • 営業時間:10:00〜20:00
  • 定休日:不定休

2.キュティア老犬クリニック

東洋医学(中医学)の考え方に基づいた老犬の治療、緩和ケア、リハビリ、介護医療を専門とするどうぶつ病院がキュティア老犬クリニックです。このクリニックでは、獣医師と動物看護師が常駐し、その子の状態にあわせたケアをする一時預かりのデイケアサービスを行っています。また、鍼灸治療、整体、シャンプーなどもデイケアで行っています。

施設情報
  • 施設名:キュティア老犬クリニック
  • 住所:横浜市青葉区美しが丘4-7-28 メゾンドアミ1F
  • アクセス:東急田園都市線「たまプラーザ駅」より徒歩10分
  • 電話番号:045-903-1334
  • 営業時間:9:30〜17:30
  • 定休日:日・祝祭日

3.DOG TOWN AZUSAWA

シニアケアをはじめトリミングサロン、ペットホテル、犬の保育園、ドッグラン、動物病院を併設した犬の複合施設がDOG TOWN AZUSAです。シニアケアでは、それぞれの犬の体調に合わせ、ストレッチ、マッサージやツボ押し、足湯、ホットパックといった温感療法に加え、嗅覚トレーニング、視覚トレーニングなどの脳トレも行われています。

施設情報
  • 施設名:DOG TOWN AZUSAWA
  • 住所:東京都板橋区小豆沢2-35-8
  • アクセス:都営三田線「志村坂上駅」より徒歩10分
  • 電話番号:03-5916-1139
  • 営業時間:10:00〜19:00
  • 定休日:月曜日

自宅でサポートをスタッフが訪れる:訪問介護

専門の資格を持ったスタッフが自宅に訪れ、犬のケアをしてくれるのが訪問介護サービスです。特に、犬の生活環境を変えるのが難しい場合にはおすすめのサービスです。介護専門スタッフが訪問し、介護方法やお役立ち情報などを教えてもらえます。

自宅で介護をしていると、身体的にも精神的にも辛くなる時があります。プロのスタッフにお悩みを相談することで、気持ちが楽になり、頑張れる気持ちになります。また、介護スタッフが訪問している間に、自分の時間を作ることができることも大きなメリットです。

4.ペットケアサービスSmile

東京都大田区を中心に訪問介護サービスを行っている「ペットケアサービスSmile」。JAPeT認定の老犬介護士がカウンセリングの後、各犬に合わせた介護プランを提案し、不在時にも老犬のケアやサポートを行っています。また、老犬だけではなく障害を持っている犬の訪問ケアも行っています。

施設情報
  • サービス名:ペットケアサービスSmile
  • 住所:東京都大田区池上7-30-5 402
  • 訪問エリア:東京都大田区・目黒区・世田谷区・品川区・川崎市など
  • 電話番号:070-5458-2211
  • 営業時間:9:00〜19:00
  • 定休日:不定休

5.老犬サポート ひだまり

埼玉県で訪問介護を行っている「老犬サポート ひだまり」は、ジャパンペットケアマネージャー協会が認定する老犬介護スペシャリストが運営しています。自宅で老犬を介護するためのレクチャーを行う出張カウンセリングでは、食事、給水の方法や、床ずれのケアから簡単マッサージなどをレクチャーします。また、訪問介護ではその犬にマッチするサポートやケアを行います。

サービス情報
  • サービス名:老犬サポート ひだまり
  • 住所:埼玉県狭山市狭山20-37
  • 電話番号:080-5534-3955
  • 営業時間:10:00〜18:00
  • 定休日:不定休

自宅での介護が困難になったら:お預かりサービス

最近では、高齢犬専門の老健介護施設も多く誕生してきました。この施設は「老犬ホーム」とも呼ばれ、飼い主が自宅で介護することが困難になった場合に利用されます。

施設によって異なりますが、短期間の預かりから長期間の預かりまでさまざまなメニューがあります。長期の預かりサービスでは、獣医師による診察も受けられるため安心して預けることができます。飼い主が病気入院する場合、高齢で犬の介護が難しい場合などに利用されるケースが多くあります。

6.東京ペットホーム

羽田空港近くにある老犬ホームです。東京ペットホームの特徴は、飼育不可能となった場合の「一生お預かり」と高齢犬、要介護犬でも安心して預けられる「介護型ペットホテル」の2タイプあるところ。会いたくなった時には、ホームまで足を運ばなくても希望の場所での面会ができるところも魅力です。

施設情報
  • 施設名:東京ペットホーム
  • 住所:東京都大田区東糀谷1-13-22(ドッグホーム)
  • アクセス:JR蒲田駅から車で10分
  • 電話番号:0120-22-4205
  • 営業時間:9:00〜19:00(電話受付)
  • 定休日:年中無休(電話受付)

老犬になったらできるだけ気持ちに寄り沿ってあげて

老犬の気持ち

筆者は、2頭のゴールデンレトリバーを見送った経験があります。彼らが10歳を過ぎたあたりから、見た目はもちろんのこと、体力的にも年齢を感じさせるようになりました。今まででとは違う犬たちの表情や行動に寂しさを感じることもありましたが、彼らの穏やかで優しい表情に心から癒されたことも確かです。
老犬は、彼らなりに不安を抱えています。そんな彼らの心の支えは、飼い主の寄り添う気持ち。犬は、運命を素直に受け止める動物です。そんな彼らの素直な気持ちに寄り添ってあげることが、どんな介護ザービスよりも一番の介護かもしれません。

  • 更新日:

    2020.12.01

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ライター・監修者プロフィール
  • ライター:西村 百合子
  • ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士
  • ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。 現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。