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安亮磨
連載 / ブログ

2021.01.27

動物と人の未来を創る獣医師によるコラム|vol.4

世界で最もまん延している感染症って?人も犬も健康に暮らしていくために重要なコト

どんなときも私たちにギフトをくれる犬という存在。長い歴史からみても、犬と私たち人間は、お互いに人生を支えあってきました。
そんな愛犬とのかけがえのない時間を少しでも長く一緒に過ごすために大切なこと。
今回は『私たち飼い主が人間としての健康を学び、健康でいること。』について、獣医師の安 亮磨がお話いたします。

#安亮磨 / #専門家コラム / #獣医師

安 亮磨/獣医師、動物予防医療普及協会 理事

コロナによって変わったことと、変わらないこと

安亮磨

2020年、私たちの生活は大きく一変しました。今年はどんな方にとっても、大変な1年だったかと思います。そして、まだまだ先の見えない不安と、今この瞬間も向き合っている方もいらっしゃることかと思います。

多くのことが変わり制限が増えても、わたしたち人間は力を合わせ困難に立ち向かい、時に小さな喜びを発見し、生きる勇気を繋いでいきます。

みなさまにとって今年は、どんな”小さな喜び”がありましたか?

いま、こうして記事を読んでくださっているdocdog読者の愛犬家のみなさまにとって、その小さな喜びが『犬』という存在によってもたらされたことも多い1年だったのではないでしょうか?

外出から帰った時、喜んで迎えてくれる瞬間。
ご飯をおいしそうに食べているのを見ている時間。
一緒にお散歩する時間。
静かに話を聴いてくれる時間。
ただ一緒にいるだけの時間。

犬と暮らしていると、日常生活の中に笑顔になれる小さな喜びをたくさん積み重ねてくれますね!

愛犬とともに小さな喜びを重ね続けていくために

安亮磨

さて、今年ほど多くの方が『予防』について考えた年はなかったのではないでしょうか?

動物予防医療普及協会は、『飼い主さまが知ることで、行動することで防ぐことができるペットの病気やケガがあります。』というメッセージとともに、さまざまな予防の情報を発信しております。

そして『愛犬を含めた飼い主さまご家族がみんな健康でいること』というメッセージも同様に重要なものとして発信しております。

というのも、私たちの協会は『愛犬の健康はそのほとんどが、飼い主さまの健康に対する価値観で支えられている』と考えています。

そのため、愛犬の健康を支える前提として、私たちが健康について学び、健康でいることはとても大切なことです。

動物予防医療普及協会のロゴマークには、ご家庭の動物たちの健康は私たちの手によって愛情をもって支えられている、という意味がこめられています。

愛犬の健康な日常を守ってくれるのは、飼い主さまご家族だけですから、いま一度、生活習慣はじめご自身の健康とも向き合ってみましょう!

全世界で最も蔓延している感染症って?

安亮磨

突然ですがみなさま、『全世界で最も蔓延している感染症』ってご存知でしょうか?

2001年にギネスブックに、地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない、と記載された感染症。それは、『歯周病』です。

私たち人間の話で、日本人の成人の4人に3人は歯周病といわれており、いまや1億人総歯周病時代として国民病となっています。

歯周病はさまざまな病気の原因になったり、さまざまな病気を悪化させてしまう要因のひとつとして、現在人も動物も研究がすすめられています。

そしてもちろん、犬も歯周病になります。この歯周病を治療せずにそのままにしておくと、顔に穴が開いたり顎が折れてしまったり、口の中に炎症が起きてしこりができたりします。

現在、犬の3歳以上の80%以上は歯周病、ともいわれているんですね。

人も犬も、歯周病にならないためには、まずは歯ブラシを中心とした正しい口腔ケアが必要です。

私たちが毎日自分自身の歯ブラシを行うのは、行わないと気分が良くないので行動のハードルはそんなに高くないですが、毎日の愛犬への歯ブラシ、多くの飼い主さまが途中で諦めてしまったり、面倒くさいとスキップしてしまいます。(お気持ちはわかります、大変ですから。笑)

行動の継続は、先ほどお話させていただいた『飼い主さまの健康に対する価値観』によって決まってきます。

私は日々、歯科を中心に動物病院で診療を行っておりますが、定期的な歯ブラシを継続されている飼い主さまにはいつもその理由を聞いています。

そうすると大きく2つの理由に分かれることに気が付きました。

  1. 先代の愛犬が歯周病で大変なことになったから
  2. 歯周病は人も動物も怖い病気だと聞き、学んだから

この2つ理由の共通点には、どちらも飼い主さまが歯周病の怖さをしっかりと学んだからこそ、歯ブラシという予防の行動を継続していらっしゃいますね!

予防できることはたくさんある!一緒に健康でいよう!

安亮磨

私たち人間も愛犬も、歯周病に限らず、知ることで行動することで防ぐことができる病気や怪我はたくさんあります。
日々の食事、運動といった生活習慣の改善、生活環境を整えてあげること、感染症の予防、定期的な健康診断、早期発見・早期治療など、これからこの連載でお話していきます。

かけがえのない犬という存在。
これからも、愛犬と私たちの小さな喜びを重ね続けていくために、お互いに健康チェックをしていきましょうね!

次回の記事では、『0次予防から1次、2次、3次予防』についてお話いたします。

読んでいただきありがとうございました!安亮磨より、飼い主様と動物たちに愛をこめて。

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ライター・専門家プロフィール
  • 安 亮磨
  • 獣医師、動物予防医療普及協会 理事
  • 神奈川県の動物病院勤務(総合診療科・歯科担当)。多くの救急症例と対峙する診療経験を経て、予防医療・予防ケアを普及させるため『飼い主さまが知ることで、行動することで防ぐことができるペットの病気や怪我があります』というメッセージとともに情報発信を開始。2018年に一般社団法人 動物予防医療普及協会を設立し、現在は全国各地で予防医療の啓発活動を行う。
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