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2020.12.27

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ|vol.38

パートナーに優しいレシピ|病気を「探す」病気に「気づく」

みなさんは愛犬をどのようにしつけ、どのようなルールの中で育てていらっしゃるでしょうか。私の周りにはたくさんの方が愛犬を連れて集まりますが、その環境はみんな少しずつ違います。
私はうちのコとの生活の中で、日々色々なことを学ばせてもらっています。
今日はかつての自分を振り返りながら、今考えている「なりたい飼い主の姿」についてお話しさせていただきます。

#パートナーに優しいレシピ

Author :さのさえこ/ドッグライター

「獣医さんの説明を理解したい」から始まる

我が家には、昔、フェレットが2匹いました。フェレットは平均寿命が4〜6歳なので、人間の10倍くらいの早さで歳を取ります。

そのため病気になりやすい子は2歳くらいから動物病院に通うことになります。我が家の1匹もそんな子でした。だから私はこの子を1日でも長く元気に保ってやりたくて、獣医さんの丁寧な説明をきちんと理解したいと考えるようになりました。

獣医さんの診断より自分の判断が優った時

私は元々凝り性なところがあり、フェレットを迎えてから何冊も本を読んでいました。だからフェレットの歯茎にデキモノができて抜歯を薦められた時も「簡単に歯を抜いてはいけない(と、本に書いてあった)」とゴネたりしていました。

今思えば、思い上がった扱いにくい飼い主だったと思います。しかもその決断が吉と出て、最終的に抜歯ではなくレーザーでデキモノを焼き切る形で治ったこともあり、ますます自分が獣医さんの専門用語を理解して判断力を養うため、獣医療の知識が必要だと考えるようになりました。

獣医学専門書を書き写して勉強し始める

すっかりその気になった私は、動物看護師のテキストやフェレット専門書を購入し勉強を始めました。看護師のテキストはルーズリーフに全て書き写しました。ほとんどが犬と猫について書かれていたのに、同じ哺乳類だからかまわないという気持ちで勉強していました。

結果的に犬と暮らすことになったのでその知識は役に立っていますが、当時の私がこのテキスト書き写すことにどれだけの意味があったのかは未だにわかりません(笑) これだ! と思ってしまうと突っ走ってしまうのが、私の残念なところです。

神経質にエスカレートする健康管理

独学の獣医学、そして獣医さんとのディスカッションが増えるにつれ、私の飼育能力は向上したかのように思えました。でも常に「何か病気はないか」「異常はないか」ということに神経をはりめぐらせながら暮らしていたと思います。

私はフェレット達が大好きでした。可愛くて可愛くて仕方なくて、その結果過保護になり、通院以外で外にも出せず、ほんの少し他の子と遊んだだけで体調を崩す子にしてしまいました。

サプリメントと薬と通院漬けの生活

ささいな変化に気づいては動物病院に駆け込んでいた私。獣医さんも驚くほど、その変化を察知する能力に長けていました。

おかげでフェレットの薬やサプリメントは増えるばかり。1つ薬が増えれば、副作用を抑えるためにさらに薬が必要となり、たった1匹のフェレットにサプリメントと薬で10種類ほど与える毎日が続きました。そのため毎月通院前に、主治医にLINEで欲しい薬やサプリを事前に伝えて準備をお願いしなくてはならなくなりました。

ヒステリックになっていく自分自身を知る

フェレット達がシニアになるにつれ、病気も増えて私はだんだんヒステリックになっていきました。なぜ血液検査の結果が良くならないのか、下痢が止まらないのか、四六時中考えて、調べて、主治医に治療方法まで提案していました。

素人だって一生懸命調べて100個治療方法を考えてみれば、そのうち1つくらいは獣医さんの気づかない新たな治療法につながるのではないか。本気でそう考えていました。

やがて主治医が独立して開業したので私もそちらに移ったのですが、新人看護師さんが慣れておらず、私のフェレットが保定されて苦しんでいる様子を見て「私の方がうまくできるのに」と許せなくなり、元の病院に戻りました。もうここまでくると完全にセルフコントロールが利かなくなり、何が必要で大切なのかもわからなくなっていたと思います。

フェレット達は、7歳と8歳でこの世を去りました。

全力を注いで護るべき存在を失ったことに気づいた瞬間、どうしようもない無力感の中で、私の心はポキンと折れました。

主治医の一言が忘れられず犬を迎える

フェレット達を見送ってから約半年後、我が家は犬を里子で迎えました。うちのコです。

「次に動物を飼うなら犬がいいよ。犬は丈夫で長生きしてくれるから」と以前に主治医が言った一言がずっと頭から離れなかった私は、引っ越しを機にどうしても犬と暮らしたいと願うようになっていました。

昔の自分には戻らないことを誓った日

うちのコを迎えた当初は、やはり私は神経質な飼い主で、トイレを覚えない、あちこちにデキモノがあるうちのコにピリピリし通しの毎日でした。

でも私は、最期までオフ会で友達と遊ぶこともできず、薬漬けにされ、ヒステリックな飼い主に振り回されたフェレット達のことを思い出し、ワンコは絶対に友達を増やしておおらかに育てよう! と心に決め、態度を改めることにしました。

獣医さんを信頼できる飼い主になる

同時に、信頼できる動物病院を引越し先で開拓し、その獣医さんと良い関係を築ける飼い主になろうと決めました。

お荷物のような飼い主にはならない。冷静に必要なことを伝え、的確な治療をしてもらうことを最優先しようと思いました。

大雑把だけど楽しい!嬉しい!を一番に

うちのコと暮らすようになってから、色々なことに挑戦してきました。うちのコにとっても初めての首輪、ハーネス、おやつ、洋服、カッパ、トリミングサロン…… 歩かなくなったらどうしよう、お腹を壊したらどうしよう、慣れないトリミングで体調を崩したらどうしよう、こんな小さなドキドキをひとつずつ克服しながら、気がつけばもう4年以上が経っていました。

必要なことがきちんとできる飼い主になる

散歩では色んな匂いを嗅いで、たくさんの友達を作って、知らない場所を探検して、うちのコと一緒に楽しむ。

フィラリア予防薬をうまく口にしてくれなければ、直接口の奥に入れて飲ませる。

今は、うちのコが求めていること、そしてうちのコに必要なことがきちんとできる飼い主になりたいと思っています。

犬の生理学や行動心理などにも興味はありますが、机にかじりついて散歩がおろそかになったり、うちのコが遊びたがっているのに我慢させてしまったりすることがないようにしています。

食べ物への探求は楽しみながら続ける

でもうちのコの食べる物は、これからも色々なものを試してみたいと思っています。おいしいものを食べることは生き物にとって幸せにつながります。

さいごに、私がうちのコに初めてあげた野菜入りスープをご紹介します。犬が野菜も食べられると知って、初めて作った手作り料理です。鶏の肉団子にゆでたキャベツとフードを入れただけのスープで、たった10秒の短い動画ですが、ご覧いただけると嬉しいです。

この時は、まだフードは必ずフードのみで与えるというマイルールがありませんでした。私の中では最初で最後の(?)フード入りスープです。

病気に「気づく」でも「探さない」

遊びながら疲れて寝てしまったうちのコの写真です。家の中でも遊ぶのが大好きなので、時々こうして遊びながら寝てしまいます。

今、私がこの子の飼い主としてできることは、ひとりの世界で難しい獣医療を学ぶことではなく、少しでもこの子と楽しい時間を共有することだと思っています。同時に、適度な距離感を持つことにも気をつけています。付かず離れずの時間も私たちには必要です。

そして、一番強く心に留めていることがあります。それは、この子の不調に「気づける」飼い主ではありたいけれど、病気を「探す」ような飼い主にはならない、ということです。

病気と無縁であるために、あえて小さなことに動じない飼い主に、私はなりたいと思います。

  • 更新日:

    2020.12.27

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ライター・監修者プロフィール
  • ライター:さの さえこ
  • ドッグライター
  • 子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。 この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。