うちのコは、私の散歩の準備を見て「今日は雨だ」とわかるらしく、こうして自らスリングに乗ってきます。道路が濡れているのは嫌だけど、外に出ることは嫌ではないのです。
一面雨模様になった途端ヘナチョコになって、悲壮感を漂わせながら家に向かって一直線です。これだけ雨が嫌なのに、外に出たがるのはちょっと不思議です。
なぜなのでしょうか。
犬は元々、外で暮らす動物でした。
外にいれば、暑い日も寒い日も、雨の日もあったことでしょう。それを当たり前のものとして受け入れて生きていました。
だから普段は家でのんびりしているけれど、時々「外の匂いクンクンしたいなぁ」と本能的に感じます。家の中では味わえない刺激が、外にはたくさんあるのでしょう。
雨の日はいつもと違う匂いがします。濡れた道路や、草や土の匂いを嗅ぐのも刺激になります。また人通りが少ないので、周りに気兼ねなく歩けるのも楽しいようですね。
雨の日に限って走り回るような子もいるのは、そんな開放感もあるのかもしれません。
うちのコのようにスリングに乗ったまま、直接歩くことがなくても「パパ、ママと一緒にお散歩!」ということを楽しみしている犬もいます。
野村獣医科Vテックセンターの院長である、野村潤一郎獣医師の著書の中に「犬の散歩は大好きな飼い主とのパレードだ」と書かれているのを読んだことがあります。どんな悪天候でも、犬たちは飼い主さんと外に出て「いいだろー、ボク(ワタシ)は今、こんなステキなパパ(ママ)と一緒なんだよ!」と誇らしい気持ちになっているかもしれません。
うちのコは散歩が大好きなので、気候が良いと2~3時間も歩きます。もしそんな風に思いながら歩いてくれてるのかなって考えると、飼い主もがんばらなくちゃと思います。
犬の本能的な特性だけでなく、雨にはココロを穏やかにする作用があることをご存知でしょうか。冷たい雨でも優しくなれる、そんな雨の効果をご紹介します。
私たちの身の周りには「1/fのゆらぎ」という不思議な癒しの感覚を覚える現象があります。
同じことの繰り返しなのに、不意にリズムが変わるようなもの…。例えばランタンの炎や、地面や水面に映る木漏れ日、波が打ち寄せる音などです。そして雨音も、この1/fのゆらぎを持つ音です。
1/fのゆらぎを感じると副交感神経の働きが活発になり、脳は疲れた細胞を癒し、回復を促します。同時に心のストレスも解消しリラックスした状態になります。
このヒーリング効果は、人間だけでなくすべての命あるものに影響します。
雨音は、もちろん室内で聴いても癒される音です。しかし外に出ることで「聴く」のではなく「体で感じる」ことができ、その効果はグッと高まります。
傘やカッパに当たる雨音、木や草に当たる雨音、同じ雨音でもその時々で音色が変わり、様々な方向から、私たちの体に入ってくるのです。
心地良い眠りにも導いてくれる「1/fのゆらぎ」
これは、自然が雨の日だけにくれる特別な贈り物なのかもしれませんね。
雨の中でがんばってお散歩したら、体が冷えないようにしっかり乾かして温かいものを食べましょう。
心地良い疲労感とリラックスした脳の血流をさらに良くするために、DHAとEPAをたっぷり含んだイワシのつみれ汁はいかがでしょうか。
イワシは精神を安定させるビタミンDも豊富なので、こんな雨の日にはピッタリです。
分量と作り方を簡単にご紹介します。
※量は愛犬に合わせて調整してくださいね。
材料
作り方
私はイワシを3尾買い、お店で3枚下ろしにしてもらいました。この量で小型犬1匹と人間2人分のつみれ汁ができました。
すり身に卵を混ぜることで、大きなかたまりでも歯を使わずに口の中でフワッと崩れます。シニア犬にもおすすめです。
人間用は塩とネギを足してみましたが、臭みも気にならず美味しくいただけました。
うちのコも、いつもどおり完食です!
できれば早く切り上げたいな、なんて思ってしまう雨の日の散歩ですが、犬にとっては待ちに待った「飼い主さんと外を探検できる一大イベント」なのかもしれません。
もちろん愛犬が嫌がるなら無理に連れ出すこともないのでしょうが、うちのコのようにスリングに入ってでも外に出たいという子なら、少しゆっくりと雨の中を歩いてみるのも良いかもしれませんね。
何となくカッパをおそろいにしてみたりして、雨音に耳を傾けながら愛犬とふたりきりで行く「雨の日散歩」。
ほんの少しだけ、雨の日の憂鬱がなくなりそうではありませんか?
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