magazine

サンタの服を着て見上げる愛犬
食べもの

2020.12.06

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ|vol.33

パートナーに優しいレシピ|動物の思い出・犬とクリスマスケーキ

もう少しでクリスマスですね。街がキラキラするクリスマスシーズンが、私は大好きです。そしてこの時期は、何となく昔のことなどを思い出すことが増えます。今日は、私がこれまで動物たちとどんな風に関わってきたかということや、うちのコと初めて過ごしたクリスマスの様子などをお話ししたいと思います。
少しだけお付き合いいただけると嬉しいです。

#パートナーに優しいレシピ

さのさえこ/ドッグライター

動物アレルギーで犬猫は絶対無理な幼少期

1歳の頃の私とアイヌ犬のアキ

写真は1歳くらいの頃の私です。祖母とアイヌ犬のアキが一緒に写っています。今見るとアキは豆柴くらいの大きさですが、1歳の私にはオオカミみたいに思えていつも泣いていました。その他に、母がセキセイインコを2羽飼っていました。でもアキもインコも少しかわいそうな死に方をしています。心の中に小さなオモリが沈んでいて、それが時々動いて揺さぶられるような切ない気持ちが、今も私の中に残っています。

小学生辺りから、私はひどい動物アレルギーになりました。捨て猫を拾ってきては「飼いたい」って訴えたけれど、鼻水とクシャミで目は真っ赤になり、しかもロクに世話もしないのを分かっているから親が許すわけありません。山の中で暮らしていたので、昆虫類やザリガニ、カエル、ドジョウなどをつかまえてたくさん飼っていましたが、犬猫と暮らすのは次第に諦めるようになりました。

上京とともに病気もアレルギーも全て消えた

動物アレルギーだけでなく、中学に入ると喘息や膠原病とも診断され、私は体育の授業も見学するような生活をしていました。しかし「舞台の道に進みたい」と思った私は、高校卒業と同時に北海道の実家を出て、鎌倉の祖父母の家で暮らすようになります。するとなぜかアレルギーも喘息も膠原病もなくなりました。理由は今も不明です。

数年後、友人宅に居候していた私は、そこで初めて捨て猫と暮らす経験をしました。人間みたいに感情を表現する猫の魅力にすっかり夢中になりました。
しかしある日、どうしてもその家を出ていかなくてはならなくなりました。玄関で必死に私を引き留めるように鳴き続けたその子の姿は、今も忘れられません。

初めてきちんと動物と暮らし始めた30代

その後色々なことがあって、ようやく生活が落ち着いてきた30代後半のある春のこと、主人が友達からフェレットのことを聞いてきたことをきっかけに、我が家でもフェレットを迎えることになりました。小さいのに動きが激しく、部屋のすき間にどんどん入り込んでしまうフェレットに初めは戸惑いましたが、じきにもう1匹増え、バタバタしながらも楽しい日々を過ごしました。

動物と暮らすことの意味や、命を護るという気持ちが、私の中で確立された8年間でした。

犬を飼う!引越しとともに動き出した目標

フローリングの床でこちらを見上げる愛犬

最後のフェレットを看取ってから4ヶ月後、私達は現在の住まいに引っ越しました。そしてすぐに、新しい同居人を探し始めました。犬です。
フェレットの時にベビーから育てる楽しみを味合わせてもらったから、犬は保護犬にしない?という主人の提案に、私も賛成しました。

フェレットの誕生日に空輸で来たうちのコ

しかしながら「里親サイトで犬を譲渡してもらう」という目論見は、全くうまくいきませんでした。

犬の飼育経験なし、夫婦共働きで日中留守という環境では良い顔をしてもらえません。その中でやっと迎えることができたのがうちのコです。

でも遠方で直接引き取れなかったため、うちのコは貨物扱いで7時間もかけて空輸されました。空港の外れの寂しい貨物受け渡し場所で、うちのコは小さなカゴに無理矢理体を折り曲げられた状態で運ばれてきました。カゴの上には少しの餌やおもちゃが、ガムテープで貼り付いていました。

実はこの日は、亡くなったフェレットの誕生日でした。私たちは偶然この日にやって来た愛犬に運命を感じていましたが、到着してカゴの中から上目遣いで私たちを見上げている姿を見て、喜びよりも申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

病気がいっぱいの犬との生活がスタート

ケージ拒絶、乗り物では鼻鳴き、家でのトイレはあちこちにする、さらに膿皮症、外耳炎、歯肉炎、膝蓋骨脱臼と、うちのコは色んなことを一気に我が家で披露してくれました。おまけに毛はボサボサでハゲかけているところもあります。

空港で見た時は申し訳ない気持ちになったものの、正直、初めはうちのコを可愛いと思うことができませんでした。でも病気は治さなくちゃいけない、と思って病院に通い、治療しました。でもそのお陰で、飼い始めてわずか半月で、私はシャンプーと耳掃除を完璧にマスターすることができました。

クリスマスパーティーで一大決心して

愛犬用のクリスマスケーキと愛犬

去勢手術が終わって少し経った頃、フェレット時代の友人から、クリスマスパーティーのお誘いをもらいました。新居での初めてのクリスマス。私は友人一家を我が家に招待することにしました。
それをきっかけに、ようやく重い腰を上げ、伸び放題だったうちのコをトリミングに連れて行きました。ずっと獣医さんに、「この子は皮膚も弱いし、トリミングはすごいストレスだよ」と言われ、連れて行くのをためらっていたのです。短くカットされた我が子を見た時の衝撃は今でも忘れられません。よその子かと思いました(笑)

人間の食べ物を欲しがらない姿を褒められた

パーティ当日は、友人夫妻とその子供、そして4匹のフェレットが来てくれたので、とても賑やかになりました。うちのコは初めて出会ったフェレットたちに興味津々。一生懸命後を付け回していました。
そして人間用のお料理をローテーブルに並べて食べ始めた時、友人が感心したように言いました。

「この子は(お料理を)ちょうだいって言わないんだね。うちの実家の犬なんて、いつも食べたがるからすぐ太っちゃうんだよ」
一瞬、言葉の意味がわかりませんでした。人間の食べ物を犬が欲しがる?しかも食べる?人間の食べ物を犬が食べられるということを知らなかった私は、とても驚きました。

クリスマスケーキにも新たな発見が

この日に合わせて、私は犬用のクリスマスケーキを購入していました。
しかしうちのコは、サンタさんの可愛いケーキには目もくれず、オマケで付いて来た鶏のゆで汁をピシャピシャと美味しそうに飲み始めました。それを飲み干してからようやくケーキを食べ始めたのですが、カップをひっくり返して肉の部分だけを食べ、スポンジ代わりのジャガイモや飾りのパプリカは全て残しました。

ゆで汁と肉。ああ、犬ってこういうものが好きだったんだ。犬専用の雑誌を定期購入していたのに、全く分かっていなかった私。今では信じられないことですが、私はこの時初めて、うちのコが本当に好むものを理解しました。それは彼を迎えて4ヶ月も経った時のことでした。

今年のクリスマスは手作りケーキで

クリスマスケーキを食べる前の愛犬

発見の多かったクリスマスパーティーから4年。あれからたくさんのことを、うちのコをとおして勉強させてもらいました。
その知識と経験を駆使して作った、犬用のクリスマスケーキをご紹介します。今回は肉を一切使わないケーキに挑戦してみました。

肉なし野菜と果物のクリスマスケーキ

※量は愛犬に合わせて調整してください

材料

作り方

  1. バナナヨーグルトケーキを丸くくり抜く
  2. パプリカは星型にくり抜く
  3. ブロッコリーは小房をゆでておく
  4. トマト・くり抜いた後のパプリカを細かく刻み、火を通す
  5. トマトとパプリカを入れ、真ん中にケーキを置く
  6. ブロッコリーをツリーに見立ててケーキの上に飾る
  7. パプリカを飾って完成

パプリカの型抜きはクッキーの型を使用しましたが、ケーキは350ml入りの水筒のフタでくり抜きました。高さを出すため、ケーキは高さ2cmくらいのものを2段にしています。

肉なしでもものすごい食べっぷりに焦る

うちのコはバナナを全然食べないのに、このヨーグルトケーキはとてもとても好きなようです。
しばらくマテをかけて写真撮影をしていたのですか、長くなり過ぎていきなり食べ始めてしまいました。

途中で私の手が出たり引っ込んだりしてすみません。本当は少しだけ取り分けて与えるつもりが、突然食べ始めてしまい、しかも完食しそうな勢いで、「取り上げなければ!」「いや、もう遅い」と撮影しながら心の葛藤が生じていました。4年前は肉しか食べなかった子が、今は肉じゃないものを当たり前に食べている。すごいなって思いました。

色々食べられるようになった我が子に乾杯!

クリスマス仕様の愛犬

動画をご覧いただいたとおり、4年前と比べると、うちのコの食に対する守備範囲はとても広くなりました。今は私たちの食べ物も「ちょうだい」とゴリゴリしてきます。これ自体は褒められることではないのでしょうが、もしもこの先、ドッグフードや肉が一時的になくなることがあったとしても、うちのコは別なものを食べて生き延びてくれることでしょう。
だからね、今年のクリスマスは……
色んな物を食べられるようになったうちのコに、乾杯☆

  • 更新日:

    2020.12.06

この記事をシェアする
ライター・専門家プロフィール
  • さの さえこ
  • ドッグライター
  • 子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。 この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。