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犬の生態 / 気持ち

2020.11.24

【獣医師監修】犬は去勢・避妊手術で性格が変わる?手術後の注意点3つも紹介

日本では近年一般的になりつつある犬の避妊去勢手術ですが、身体的なメリット・デメリットのほかに、手術をすることで愛犬の性格が変わるとする研究結果があることをご存知でしょうか?
今回は、去勢や避妊手術で愛犬の性格が変わるのか、変わるならどう変わるのかご紹介していきます。犬の避妊去勢手術は、愛犬の幸せを考える飼い主一人ひとりが判断しなければならない難しい問題のひとつです。もし、手術をするかしないか迷っている方がいらっしゃったら、ぜひ参考にしてみてください。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:Qt)

犬は去勢で性格が変わるって本当?それはなぜ?

犬 去勢 性格

去勢手術をしたら、攻撃的な一面のあった愛犬が穏やかになったという話を聞いたことありませんか?一見、性格に関係がなさそうな去勢手術ですが、本当に愛犬の性格を変えることがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。

去勢手術で性格が変わることも

去勢手術をすることで愛犬の性格が変わると言われていますが、性格が変わるコもいれば変わらないコもいます。

また、性格が変わるといってもガラリと変わるわけではなく、「あれ、何となく違うかも?」程度のことが多いようです。そのため、性格が変わったように見えることもあるという言い方の方が正しいかもしれません。

愛犬の性格が変わったように見えるのには、下記のような理由があります。

ホルモン分泌の変化

去勢手術により精巣を摘出すると、本来そこから分泌される雄性ホルモンであるテストステロンの分泌がおこなわれなくなります。その結果、マーキングなど雄性ホルモンが原因と考えられる行動が減り、今までの行動と違って見えることから「去勢手術をすると性格が変わる」と言われています。

犬の去勢で性格が変わるとしたら、どう変わる?

犬 去勢 性格

一言で性格が変わるといっても、具体的にどう変わるのか気になるところですよね。ここからは、実際に愛犬の性格がどう変わるのかを見ていきましょう。

穏やかになる

去勢・避妊手術をした犬は、手術前よりも穏やかになると言われることが多いです。性ホルモン分泌の変化で、発情から開放され縄張り意識も弱まると言われています。

避妊手術の場合も同様で、臆病だった子が甘えん坊になったりします。

問題行動が少なくなる

勢手術後には、性ホルモンによって起こるいわゆる「問題行動」が少なくなるとも言われています。具体的には、発情期のメスを追いかけて脱走する、縄張りをめぐるケンカ、マーキングなども減る傾向にあります。

男の子の場合、片足をあげておしっこをさせたくないという考えから、足を上げるおしっこスタイルが定着する前に去勢手術を施す場合もあります。

愛犬が女の子の場合、避妊手術による発情時の問題行動の抑制もありますが、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などの病気の予防になるというメリットが大きいとされています。

避妊去勢手術によってネガティブな変化が起こるとも

犬の避妊去勢手術はアメリカを中心に推進する動きや見方が活発で、その流れを受けて日本における認識も変化している一方で、実はヨーロッパ諸国では正反対の認識が一般的です。つまり、犬に避妊手術や去勢手術を施すことに反対する意見が多く、実際に手術の実施割合も大変低くなっています。

最新の研究結果によると(※1)、犬の去勢手術によって攻撃性がむしろ高まり訓練性の低下が確認されたという報告があります。一概に、避妊去勢手術が犬の性格にポジティブな変化を与えるだけとは言えないことが、この研究から分かっています。

犬の避妊去勢手術後の接し方|3つの注意点

犬 去勢 性格

去勢・避妊手術の手術時間は1~2時間ほどなので、日帰り手術のこともあれば、動物病院に1泊することもあり、病院によって異なります。まずは慣れない場所で心細く過ごしてきた愛犬を温かく迎えてあげましょう。ここからは、手術後の注意点をご紹介していきます。

1.いつもどおりが一番

手術後愛犬をお迎えに行ってすぐに、「痛かった?」「怖かったよね」などと飼い主さんが騒ぎ立てるのはNGです。飼い主さんが心配そうにしていると、その不安を愛犬も感じ取ってしまい負のスパイラルに。心配な気持ちは押し殺して、いつもどおりのテンションで愛犬を迎えてあげましょう。普段と変わらない飼い主さんの振る舞いに愛犬は安心するはずです。

2.しっかりと愛犬を観察する

全身麻酔をして手術という大きな仕事をこなしてきた愛犬は、そのストレスやショックで食欲をなくしているかもしれません。まずは、自宅でゆっくりと過ごしリラックスさせてあげましょう。

体にも少なからずダメージを負っている愛犬に過度に構うようなことはせず、優しくなでてあげたり、そばで見守ってあげてください。翌日になっても元気がなくご飯を食べないなど、いつもと違う様子なら動物病院に連絡し指示を仰ぎましょう。

3.体重の増加に注意

去勢・避妊手術を行うことでオス・メスともに性ホルモンが分泌されなくなるため、活動量が減り、その結果、基礎代謝量も低下します。

そのため、手術前と同じ量のフードを与え続けると、知らない間に体重が増えてしまっているということになりかねません。一度太ってしまうと、ダイエットはとても大変。さらに、肥満は万病の元とも言われ、肥満が原因で様々な病気にかかりやすくなってしまいます。手術後は、今まで以上に愛犬の体重・体型管理をしっかりとおこないましょう。

去勢・避妊手術をしても変わらず愛犬を愛し続けよう

犬 去勢 性格

みなさんの愛犬も、去勢・避妊手術後に性格が変わったと感じることがあるかもしれません。そしてそれは、飼い主さんが望んだような変化ではないこともあります。ですが、愛犬の本来の姿は変わっていないはず。手術による影響は多少あるかもしれませんが、手術後の愛犬を思いやり、今までと変わらず愛し続けましょう!

参考サイト
  • 公開日:

    2020.11.23

  • 更新日:

    2020.11.24

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ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。