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犬の横向きの写真
健康管理 / 病気

2020.11.19

【獣医師監修】犬の糖尿病ってどんな病気?症状・原因・治療法・予防法まとめ

糖尿病は人の生活習慣病としてよく知られている病気ですが、実は犬も糖尿病になることがあります。犬はなぜ糖尿病を発症するのでしょうか?ここでは、犬の糖尿病の原因や治療法、予防法についてご紹介します。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀)

犬の糖尿病ってどんな病気?

犬 糖尿病

犬の糖尿病は、膵臓で作られるインスリンの不足、もしくはインスリンの作用不足によって、血液中の糖が持続的に増える病気です。高血糖により尿中にブドウ糖が排出されるため、糖尿病と呼ばれます。

糖尿病は主に2種類あり、一つは膵臓からインスリンが分泌されなくなることで糖分が細胞に吸収されにくくなり、血液中の糖が増えた状態で「Ⅰ型糖尿病」と呼ばれます。もう一つはインスリンに対し身体が反応しにくくなっていることで起こる「Ⅱ型糖尿病」です。犬ではⅠ型糖尿病が圧倒的に多く見られます。

初期症状とチェック項目

犬の糖尿病の初期には飲水量の増加、尿量の増加、体重減少などが見られます。合併症として白内障や腎疾患、肝疾患、皮膚疾患などもみられます。
症状が悪化すると「糖尿病性ケトアシドーシス」と呼ばれる状態になり、元気が無くなる、食欲低下、嘔吐や下痢などの症状が現れ、更に進行すると昏睡状態になったり神経症状が現れ命を落としてしまうこともあります。

他の犬や人にうつる?

糖尿病は感染症ではないので、他の犬や人にうつる心配はありません。

犬が糖尿病になる原因とは?

犬 糖尿病

犬の糖尿病の原因は、様々な要因が複合的に関わっていると考えられます。

原因|1.遺伝

特定の犬種に多く見られることなどから、遺伝が関与していると言われています。

原因|2.肥満

人の糖尿病と同じように、肥満も原因の一つとして挙げられます。おやつの与えすぎには十分注意し、適度な運動を心がけましょう。

原因|3.その他

感染症や、免疫介在性疾患も糖尿病の原因になると考えられています。

かかりやすい犬種や年齢

ミニチュア・ピンシャー、ダックスフンド、ビーグル、プードル、ミニチュア・シュナウザーなどが糖尿病にかかりやすい犬種として知られています。
好発年齢は6才以上の中年齢以降で、特に未避妊のメス犬は糖尿病にかかるリスクが高いと言われています。

犬の糖尿病の治療法とは?

犬 糖尿病

食事療法や運動療法の他、不足しているインスリンを補うため、インスリンを注射します。インスリンの投与は通常1日2回、食事の後に行う必要があるため、飼い主さんが自宅で注射することになります。

糖尿病は食事管理も重要であり、食餌療法による改善が期待できます。動物病院ではロイヤルカナンの「糖コントロール」やヒルズの「w/d」などの、血糖値をコントロールする効果が期待できるフードを扱っています。食事について獣医師から指示があれば従いましょう。

治療にかかる費用

糖尿病は症状の程度によって必要な入院日数や治療内容、治療費も大きく変わってくるので、動物病院に直接確認するようにしましょう。 継続的に接種する必要のあるインスリンの値段については、1本あたりおよそ7,000~10,000円が一般的なようです。

犬の糖尿病の予防法とは?

犬 糖尿病

糖尿病を確実に防ぐ方法はありませんが、犬が糖尿病になりやすい状態をつくらないことは可能です。
食事は栄養バランスの取れたドッグフード(総合栄養食)を中心に与えます。脂肪分の多い食事などは控え、犬が肥満にならないよう注意しましょう。毎日の適度な運動も大切です。
メス犬では、若齢期に避妊手術をすることで糖尿病のリスクを下げることができます。

再発する可能性

犬に多く見られるⅠ型糖尿病は「インスリン依存性糖尿病」とも呼ばれ、基本的に生涯インスリンを注射する必要があります。完治は困難であるため、インスリン注射や食餌療法で症状をコントロールし、上手く付き合っていく必要があります。

犬の糖尿病との向き合い方

犬 糖尿病

犬の糖尿病の原因は様々ですが、おやつの食べ過ぎや運動不足による肥満は要因になります。飼い主さんは愛犬の生活習慣を見直し、健康管理に努めましょう。糖尿病の代表的な症状は「多飲多尿」です。もし愛犬がお水をたくさん飲み、尿の量が増えるようであれば糖尿病の疑いがあるので、動物病院を受診しましょう。

  • 更新日:

    2020.11.19

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ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。