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犬 風邪 症状 原因
健康管理 / 病気
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2021.03.15

犬も風邪をひく?犬が風邪をひいたときの症状や原因を知って事前に予防しよう【獣医師監修】

愛犬がくしゃみや咳をしていたら「犬も風邪をひくのかな?」と気になりますよね。実は、動物病院で診察を受けても「風邪ですね」と診断されることはありません。 ここでは、犬の場合の風邪の病名や原因、治療法、予防法ついてご紹介します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬の風邪とは?

犬 風邪 症状

犬にも人の風邪のような症状が見られることがありますが、獣医療において「風邪」という病名は存在しません。ウイルスや細菌によって引き起こされる感染症にかかったときに見られる風邪のような症状が、通称「風邪」や「犬風邪」と呼ばれています。

呼吸器症状が見られる感染症のうち、代表的なものはケンネルコフです。ケンネルコフとは犬の伝染性の呼吸器疾患の総称であり「伝染性気管・気管支炎」とも呼ばれます。

風邪の症状

ケンネルコフのケンネルには「犬小屋」や「犬舎」など飼育環境の意味があり、コフは咳を意味します。感染すると咳や発熱、食欲不振、呼吸困難、くしゃみ、鼻水の他、嘔吐や下痢が見られることもあります。

ケンネルコフは様々なウイルスや細菌によって引き起こされ、これらが単独で感染した場合は軽症で済むことも多いですが、複数の病原体が混合感染すると症状は重くなります。

家に迎え入れられたばかりの子犬は、環境の変化によるストレスが引き金になり、免疫力の低下をおこし発症することがよくあります。また寒さに弱い犬の場合も、寒さストレスで風邪を引いてしまうことがあります。

他の犬や人にうつる?

基本的に犬特有のウイルスは犬に、人のウイルスは人にしか感染しません。そのため、ケンネルコフが他の犬にうつる可能性は十分考えられますが、人にうつる心配はないでしょう。

犬が風邪をひく原因

犬 風邪 原因

犬の風邪、ケンネルコフは次のような病原体によって引き起こされます。

風邪の原因1.パラインフルエンザウイルス

パラインフルエンザウイルス感染症の原因となるこのウイルスは非常に感染力が強く、感染すると特徴的な乾いた咳をします。 ブリーダーやペットショップなど多数の犬が一定期間同じ環境下にいることで感染が広がるケースが多く、感染犬の咳やくしゃみ、食器の共用などにより伝染します。

風邪の原因2.犬アデノウイルスⅡ型

犬アデノウイルス Ⅱ 型感染症は、犬伝染性喉頭気管炎とも呼ばれます。このウイルスの単独感染による致死率は低いですが、他の感染症との混合感染で重篤化することがあります。

風邪の原因3.気管支敗血症菌

気管支敗血症菌(ボルデテラ菌)は感染力の強い細菌で、咳やくしゃみの他、肺炎を引き起こすこともあります。人間の「百日咳」の原因菌と同じグルーブに属しています。

風邪にかかりやすい犬種や年齢

ケンネルコフにかかりやすい犬種は特にありませんが、生後6ヵ月頃までの子犬や、病気などにより免疫力が低下している犬はウイルスや細菌に感染しやすいため注意が必要です。 また、混合ワクチンを接種していない犬や、不特定多数の犬が集まるような場所に出かける犬は、ケンネルコフにかかる危険性が高くなります。

犬の風邪の治療法

犬 風邪 治療法

ケンネルコフの原因となる病原体や症状に合った治療が行われ、抗生剤や咳を抑える薬、去痰剤などが投与されます。

軽度で合併症を起こしていない場合は10~14日ほどで回復することが多いですが、気管支炎や肺炎になった場合には治療に時間を要することもあります。 人用の風邪薬は犬にとって有害な成分が含まれていることが多く、中毒症状を引き起こす可能性があるため、絶対に与えないようにしましょう。

風邪の治療にかかる費用

症状の程度などによりますが、診察や検査、注射、薬の処方など一回の治療で1万円ほどかかると考えられます。

犬の風邪の予防法

犬 風邪 予防法

ケンネルコフの主な原因である、パラインフルエンザウイルスや犬アデノウイルスⅡ型には、ワクチン接種が有効です。定期的にワクチン接種を受けましょう。 病原体との接触を可能な限り最小限に抑えることも大切です。子犬や老犬など免疫力の低下が危惧される犬は、ドッグランなど、不特定多数の犬が集まる場所はなるべく避けた方が良いでしょう。

同居犬にケンネルコフに感染している疑いのある犬がいれば隔離し、ケージや食器を消毒しましょう。

再発する可能性

ケンネルコフは治りかけで治療をやめてしまうと再発することがあります。獣医師の指示どおりに治療を続けることが大切です。

犬の風邪との向き合い方

犬 風邪 予防

犬の風邪は軽症で済むこともありますが、気管支炎や肺炎などの重篤な症状に繋がることがあるため、軽視できません。子犬や免疫力の低下した犬は特に注意が必要です。ワクチン接種による予防が可能な病気なので、飼い主さんは病気の予防に努めましょう。そして、愛犬に咳やくしゃみが見られたら早めに動物病院を受診しましょう。

  • 公開日:

    2020.11.24

  • 更新日:

    2021.03.15

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。