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健康管理 / 病気

2020.11.04

【獣医師監修】犬のまぶたにできものが!考えられる原因や病気・対処法とは?

犬の目の周囲には涙管や瞬膜やマイボーム腺など様々な器官が備わっています。多くは目を保護するために役立つものなのですが、時として異常が見られることがあります。そのまま放置してしまうと視力が低下するリスクもあるため、早急に治療が必要となります。まぶたにできものができることも、そういった異常に起因することが多く、犬にとっては目をつむりにくかったり違和感があるなど、とても辛いものです。そこで今回は、まぶたや目の周りにできものが現れてしまう原因や考えられる病気などを解説します。また対処法も合わせてチェックしていきましょう。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:明石 則実)

犬のまぶたのできもの|考えられる原因とは?

犬 まぶた できもの

犬のまぶたにできものが現れる原因としては、いくつかのことが考えられます。その原因をきちんと特定した上で、有効な治療法を見つけていきたいものです。

1.細菌の増殖によるもの

人間にかかわらず犬の皮膚にも常在細菌が存在していますが、細菌が異常増殖することによって皮脂腺が炎症を起こし、できものを誘発することがあります。その犬が持っている常在菌が原因であるため、他の人間や犬に移るということはありません。

2.良性腫瘍によるもの

犬のまぶたは内側が粘膜、外側が皮膚という構造になっていて、特に粘膜側に腫瘍ができることがあります。そのうち80%くらいは良性腫瘍のため、さほど心配することはありません。しかしまぶたは眼球に涙を行き渡らせるワイパーの役割があるため、できものが角質を傷つける恐れがあります。いずれにしても早急に治療した方が良いでしょう。

3.黒色腫によるもの

まぶたにできる腫瘍のうち、黒色腫(メラノーマ)と呼ばれるできものもあります。黒色腫は良性と悪性があり、犬の皮膚腫瘍の中ではよく見られる症状です。 黒色腫になる原因はハッキリと分かっていませんが、大きな黒いドーム状のものへと腫瘍が急速に成長していきます。潰瘍や細胞の壊死に繋がることもあるため、早めの治療が望まれます。

犬のまぶたのできもの|こんな症状を併発していたら要注意

犬 まぶた できもの

できものがまぶたの内側にある粘膜部分にできたことによって、眼球の角質に傷が付く恐れがあります。過剰な角膜刺激によって涙が増え、目の周りがベタベタになるほど濡れるといった場合、特に注意が必要です。

また犬が明らかに違和感を感じている場合も要注意です。痛みやかゆみのために目を掻きむしることにより、症状が悪化したり眼球が傷つく恐れもあります。

犬のまぶたのできもの|考えられる病気とは?

犬 まぶた できもの

ここからは具体的な症例を見ていきましょう。原因の特定に伴って具体的な病気がわかれば、有効な治療法がきっと見つかります。

1.マイボーム腺炎

まぶたの縁に沿って、涙の油分を調整するマイボーム腺が走っています。何らかの原因で管が詰まって分泌物が貯留し、炎症が起きることをマイボーム腺炎と呼びます。細かく分けて2つの症状があります。

霰粒腫

霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶたの腫れなどの原因からマイボーム腺が詰まってしまい、慢性的な炎症を起こすものです。 排出されない油分が異物となって腫れや炎症を起こし、犬にとって不快感をもたらすものです。まぶたの内側に白い蝋状の塊が溜まることが大きな特徴となります。

麦粒腫

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は、マイボーム腺そのものが細菌感染により急性炎症を起こして腫れてしまうものです。 ものもらいと意味は同じですが、アレルギーやニキビダニなどの寄生虫によって引き起こされる場合もあります。

2.マイボーム腺腫

マイボーム腺にできた腫瘍で、多くは良性ですが、まれに黒色腫などのように悪性になることもあります。腫瘍が大きくなってくると角膜を傷つけたり、自壊して出血や周囲への感染を引き起こします。症状が進行してくると、まぶたを閉じても腫瘍が飛び出してくる状態となって非常に危険です。

3.天疱瘡(てんぽうそう)

天疱瘡(てんぽうそう)は自己免疫介在性疾患の一種で、抗体が自分の細胞を攻撃してしまうというものです。まぶたに炎症やかさぶた、水疱などを発生させて、痛みやかゆみが伴います。治療法はステロイドや免疫抑制剤が有効ですが、根治は難しく生涯にわたって投薬による治療が必要となります。

犬のまぶたのできもの|取るべき対処法とは?

犬 まぶた できもの

犬のまぶたの内側にできものができてしまった場合、飼い主さんがそれを発見することは少々難しいかも知れません。初期症状の場合、できものは小さくて見え辛いからです。

もし愛犬が違和感を感じて、しきりに気にしたり、目をこすったりしているのなら、まずは獣医師に相談するようにしましょう。そしてなるべく患部の保護に努めましょう。もし自宅にエリザベスカラーがあるのなら装着してください。なければクリアファイルなどで代用品を作っても良いですね。

目の病気は動物病院で診てもらうことが大切

犬 まぶた できもの

犬の体の中でも、特に目に関しては専門知識がなければ症状の判断は難しいと言えます。犬が明らかに目に違和感を感じていて、涙や目ヤニが過剰に多くなるといった症状が見られたら、早急に動物病院等での診察をするようにしましょう。

  • 更新日:

    2020.11.04

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ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。