ライカの歴史と特徴についてご紹介します。
ロシア原産のライカは、古くから旧ソビエト連邦の土着犬として人々と生活を共にしていました。山岳地帯や森林に生息するミンクやカワウソ、クマなどの狩りをする狩猟犬です。
ライカにはいくつもの種類がありますが、いずれもサイズは中型です。
頭蓋は広く、口吻はやや尖っており、目がアーモンド型のスピッツタイプの顔立ちです。三角で先端の尖った立ち耳で、尾は巻いています。
被毛は柔らかく密生したアンダーコートと、太く長いオーバーコートから成るダブルコートです。
現在、国際畜犬連盟加(FCI)で公認されているライカはラッソ・ヨーロピアン・ライカ、ウエスト・シベリアン・ライカ、イースト・シベリアン・ライカの3つの犬種です。3犬種についてご紹介します。
3つのライカ犬種のうち最後に認定されたラッソ・ヨーロピアン・ライカは、他の2つのライカ犬種を補完する資質を備えているとされています。
毛色は黒地に白、もしくは白地に黒であり、黒一色や白一色の犬も存在します。
ロシア北部で育種されてきたと考えられており、1940年代以降、狩猟犬として圧倒的な人気で繁殖されました。
ウエスト・シベリアン・ライカはロシアでは最もポピュラーな狩猟向け品種です。多彩な能力を持つ犬であるため、牧畜犬や牽引犬としても活躍します。
毛色はホワイト、ペッパーアンドソルト、レッドアンドグレイなどの他、3色から成るパーティカラーの犬も存在します。
ロシアのウラル地方や西シベリア付近で育種されてきたと考えられています。
イースト・シベリアン・ライカは飼い主に対しては忠実ですが、大きな獲物に対して強い攻撃性を示します。
毛色にはブラック、ブラックアンドタン、ブラックアンドホワイト、ホワイト、ホワイトアンドパッチなどがあります。
ロシアのバイカル湖やアムール川付近で育種されてきたと考えられています。1947年に犬種として確立しました。
ロシアで狩猟犬として活躍していたライカを日本で飼育するには、次のようなことに注意しましょう。
ライカは警戒心が強く、他の動物や見知らぬ人に対して攻撃的になることがあります。子犬期からきちんと服従訓練を行うことが大切です。
正しくしつけることで、主人に従順で忠実なパートナーになります。
狩猟犬として活躍してきたライカは非常にエネルギッシュで、毎日多くの運動を必要とします。激しい運動は必要としませんが、最低でも一日一時間以上、毎日お散歩に出かけましょう。
極寒の地で誕生したライカは、高温多湿な日本の気候が苦手です。熱中症には十分注意しましょう。
身体に熱がこもることを防ぐために、定期的なブラッシングで不要になった被毛を取り除いたり、散歩はなるべく涼しい時間帯を選ぶなどの工夫をしましょう。
ライカを飼育するには十分に運動できる環境や、しつけに関する知識、豊富な経験が必要です。
猟犬としての気質や運動量の多さなどからも初心者には不向きな犬種であるため、もし迎え入れることを検討するのであれば、犬種の特徴や性質についてよく調べておきましょう。
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