ワイヤーフォックステリアの性格を理解するためには、犬種のルーツを知る必要があります。ここでは、ワイヤーフォックステリアの活躍の歴史から得意・不得意なことについて紹介していきます。
ワイヤーフォックステリアの正確な起源は明らかになっていませんが、貴族のスポーツとして流行した狐狩りの名手として活躍していました。狐を意味するフォックスから「フォックステリア」と呼ばれるようになったのはこのためです。
現在の毛色はホワイトをベースにブラック、タン、ブラックタンのマーキングが入ったものですが、初期のフォックステリアは狐色をしていたために狐と間違えられ、残念ながら森で射殺されてしまうことが頻発しました。
そこで毛色の改善に加えて、狩猟犬としてのハウンドの役割も求められたため、ハウンドとの交配によりトライカラー(3色)のスムースフォックステリアが生まれました。その後、他のテリアとの交配によりワイヤータイプのフォックステリアが誕生しました。
ワイヤーフォックステリアは、非常にテリアらしい気質を持っています。気が強く頑固な性格をしていますが、好奇心旺盛で一度夢中になると周りが見えなくなるほど高い集中力を発揮します。
頑固で自分の意思が強いためにワイヤーフォックステリアのしつけは簡単ではありませんが、しつけが楽しく納得いくものであれば夢中になって取り組んでくれるでしょう。
ワイヤーフォックステリアは、テリア気質が非常に強いため、警戒心が強く他の犬や知らない人と仲良くするのは苦手な子が多い傾向があります。けんかっ早く攻撃性を見せることもあるため、子犬の頃からたくさんの人や動物と接する機会を作るなどして社会性を育ててあげましょう。
怖いもの知らずで注意深くよく響く声で鳴くので番犬にはぴったりと言えますが、吠え癖が付きやすい傾向にあるため、特にワイヤーフォックステリアのは子犬の頃からのしつけが必要になります。
ここでは、典型的なテリア気質をもつワイヤーフォックステリアの性格を踏まえたしつけ方について紹介していきます。ワイヤーフォックステリアは狐狩りでは自己判断で動いていたこともあり、気が強く頑固な性格で、しつけが入りやすい犬種とは言えません。心許した家族には愛情深く家族を喜ばせたいという気持ちが強いため、褒めて伸ばすしつけを根気強く行う必要があります。
ワイヤーフォックステリアは、頭が良く飼い主が信頼できるリーダーかどうか見極める判断力もあるため、関係性を築くのには時間がかかることを覚悟しておきましょう。
無邪気な姿を見るとかわいくてつい「今日ぐらいは良いかな」とルールを緩めてしまいがちですが、頭が良いので一度でも許してあげると「言うことを聞かなくてもいいんだ」と学習してしまいます。子犬の頃から一貫性を持ったしつけと接し方が家族皆んなでできるよう家族内でのルールを明確にしておくといいでしょう。
ワイヤーフォックステリアは、好奇心旺盛でとてもタフです。毎日の運動量も多いため、散歩だけでは運動量をカバーできずストレスが溜まってしまうことも。散歩の他に家の中で体を存分に動かせる遊びを取り入れてあげると良いでしょう。ボール遊びや、ロープを使った引っ張りっこなどがおすすめです。また、高い運動能力を持っているため、一緒にドッグスポーツも楽しむことができるでしょう。
ワイヤーフォックステリアは、活動的で運動神経も良いため、ドッグスポーツに向いている犬種です。 自分と同じ大きさの狐を仕留める役割をしていたワイヤーフォックステリアは、強靭な顎の力に加えて、優れた脚力を持っています。この高い身体能力と体力を活かしてアジリティーやディスクドッグなどに挑戦するのもいいでしょう。
ドッグスポーツはワイヤーフォックステリアの狩猟本能を発揮することができ、運動不足解消にストレス発散、飼い主との絆を深める機会にもなる良いこと尽くしと言えるでしょう。
ワイヤーフォックステリアは、常に走り回っているほど活発な性格をしているため、ある程度の広さのある飼育スペースが必要になります。おうちの中はもちろん、自由に走り回れるお庭があると好ましいでしょう。
大人の腰程度の高さまで飛び上がることができるほどのジャンプ力を持っているため、小型犬用のサークルや柵だと簡単に飛び越えてしまう可能性があります。鳥や猫などの動く小動物を見ると反射的に走り出してしまうこともあるため、飛び出し・逃走防止策をしっかり取りましょう。
ワイヤーフォックステリアは、テリア気質が強い性格をしており、しつけは簡単ではありません。子犬の頃から社会性を身につけ、一貫性を持ったしつけを行えば、好奇心旺盛で愛情深い家庭を明るくしてくれるアイドルになってくれます。テリアらしさの長所を伸ばしてあげるためにも、愛情豊かな環境でその子の性格を理解し接してあげるようにしましょう。