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2020.11.13

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと|vol.1

豆しば暮らし|はじめまして!5270日の始まり、メロンとの出会い

「おはようメロン!今日はいい天気だよ」

#柴犬 / #豆しば暮らし

Author :笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

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この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語の連載第1話です。

5270日の始まり、メロンとの出会い

カーテンを開けながらママが言います。
見上げた空には優しい青。虹の橋のたもとまで続いているでしょうか。

「あの日も、こんないい天気だったっけね」

犬と暮らすタイミング。家族になる子との出会い。
決して偶然ではないと、ママは今でも思っています。
それは神様からの贈り物。神様がくれた5270日の始まりの日に、ママはそっと想いを馳せました。

それはあの日のこと

ショッピングモールの一角にあるペットコーナー。三連休の初日だったその日、たくさんのお客さんで賑わっていました。
ふらりと立ち寄った二人を、可愛らしい子犬や子猫が迎えてくれます。

家族に動物アレルギーを持つ者がいたり、ペットの飼育禁止のマンションに住んでいたり。
二人とも子供の頃から動物好きでしたが、それぞれの事情でペットを飼うことができませんでした。
結婚後の今は、共働きだからペットを飼ってもお世話が大変。そのため、こうしてペットコーナーを散策して、休日を過ごすことが多かったのです。

「本当に可愛いねぇ」

「見てるだけで癒されるねぇ」

小さな柴犬の女の子

いつものように二人は、子犬たちの前をゆっくりと歩いていました。ところが、その日に限って、ママが突然立ち止まりました。

「どうした?」

「……見つけた」

「え? 何を?」

「この子!」

小さな柴犬の女の子です。目が合った瞬間、ママは息が止まってしまいました。
雷に打たれた、と言っても大袈裟じゃないくらいの衝撃です。ママはもう、その子の前から動けません。

小さな命を腕に感じて

「抱っこしてみませんか?」

店員さんが声をかけてくれました。ママの腕に、その子をそっとのせます。
フワフワしていて温かくて。首を傾げて、じっとママを見つめていました。

「この子、目鼻立ちがはっきりしているでしょう?将来美人さんになると思いますよ」

「私もそう思います。って言うか、もうすでに一目惚れしました。中学2年生の秋以来です」

店員さんはケラケラと笑っています。

「よかったら、家族に迎えてあげてください」

「はい、喜んで!」

展開の早さに、パパはついてゆけません。

「え、え、どういうこと?」

「この子を、うちの子にするの」

「うちら共働きだよ、お世話が大変だよ?」

「大丈夫、がんばるから!」

「そもそも、犬を飼ったことないよね?」

「これは運命の出会いなんだよ。大丈夫、一緒に暮らそう!」

小さな柴犬の女の子は、小さな箱に入れられママに手渡されました。さっきよりずっと重く感じます。
命を託されたんだ。この子の一生を、私たちが守らなくては。

メロン、末永くよろしくね

その帰り道。

「この子の名前、どうしようか?」

「その箱、メロンを入れる箱みたいだから…メロンはどう?」

パパが言いました。

「そのまんまだけど、いいね!」

ママが笑います。

「はじめましてメロン。今日から私たちは家族だよ。末永くよろしくね!」

  • 更新日:

    2020.11.13

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ライター・監修者プロフィール
  • ライター:笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。