まずはこちらの動画をご覧ください。
公園でフセをして座っていたのに、左前足が震え始めました。左がおさまったら次は右前足も。そして関節をペロペロ舐めています。でも表情に変化は全くありません。
次の動画は、サッカーボールを追いかけて走った後の震えです。左前足が激しく震えています。この時も足を舐めていました。
ちなみにこの時、後ろ足は震えません。震えの長さは数秒~数十秒ですが、毎日数回起こります。
獣医さんの話では、歩き方や走り方に異常がない場合は、レントゲンを撮っても原因は分からないそうです。むやみに放射線を浴びさせるのは得策ではないということですね。うちのコは全く日常生活に異常はないので、筋肉疲労ではないかとのことでした。確かに走った後に震えることが多いけれど、安静時にもそれは起こります。
そして3件目の動物病院訪問で獣医さんにそう話した時、私は初めて“てんかん”のことを聞きました。
てんかんと言えば、全身が激しく痙攣し泡を吹いて倒れた方を見たことがありますが、全身ではなく体のある部分にだけ痙攣が起こる「部分てんかん」というものもあるのだそうです。しかしこれには設備の整った病院で脳のMRI検査を受ける必要があり、仮に診断が下っても完治は難しいという話でした。
「安定剤を飲ませるって方法もあるけど」と、4件目に伺った獣医さんが言いました。私は震えの原因は知りたいけれど、うちのコに何が何でも治療を受けさせたいわけではありません。安定剤で震えがなくなることが最善策には思えなかったので、お断りしました。
私の気持ちを汲んでくださった獣医さんは、うちのコの後ろ足や前足を丁寧に診察し、こう言ってくれました。
獣医師さんの言葉
以上のことから「このままで(何もしなくても)大丈夫と思います」と結論が出て、ようやく私も安心することができました。
4件目に行った動物病院の獣医さんは「この子はてんかんじゃないよ」と言ってくれましたが、安静時の痙攣については原因が分からないそうです。そこで念のため、私は「てんかん」について勉強しておくことにしました。てんかんについては、ドックドッグさんのサイトにも記事があります。
うちのコには特に発作前の前兆はありませんが、突然痙攣が起こって突然おさまるというのは当てはまります。これだけ見れば、部分てんかんと診断されてもおかしくないかもしれません。
てんかん発作を起こす犬の飼い主さんは、その事実を話すことができずに孤独を感じる方もいるそうです。同じくドックドッグさんの記事で、私はそのことを知りました。
こちらの記事で紹介されている「犬と猫のてんかん読本」は、てんかんのメカニズムや分類、てんかんのペットと暮らす飼い主さんへのサポートで構成されています。私も早速ダウンロードし、読ませていただきました。
88ページというページ数には些か驚きましたが、全編スライド形式で作成された見やすい構成で、1ページごとに内容がまとめられているため、何度かに分けて読んでも理解しやすくなっています。また、書き言葉ではなく話し言葉で書かれているので、専門知識が全くない私でも読み進めることができました。
「犬と猫のてんかん読本」の中で、気になるものがありました。
人のてんかん発作で起こる「感覚的発作」では、発作中に幻聴や幻覚があります。しかし言葉を話せない犬は、幻聴や幻覚があっても、それを伝えることができません。しかし、その現象が起きている時に何かに向かって吠えたり、黙って宙を見つめたり、首を傾げたりする行動を起こすことから「行動的発作」と分類されるようになりました。
つまり、てんかんの発作は震えだけではなく、一点を見つめるようにして動かなくなるような仕草でも現れることがあるのです。この行動は、てんかんでなくても見られることなので、ますます区別が付きにくくなりますね。
てんかんの原因は脳に何らかの異常がある場合や、低血糖・薬物によるものが考えられます。うちのコは1歳半で里子に来た頃から前足の痙攣がありましたが、それまでに何が起きていたかは全くわかりません。現時点ではっきりしているのは、薬は一切飲んでいないこと、そして低血糖ではないということだけです。
そうなると考えられるのは、筋肉疲労か脳の異常ということになります。そこで、筋肉と脳に効きそうな栄養素を考えてみることにしました。
興奮しすぎたりストレスがたまったりすることでも、てんかんの発作が出ます。いつも穏やかに過ごせるように注意することも必要ですね。
神経に作用する栄養素としては、ブドウ糖、抗酸化作用のある食材、オメガ3脂肪酸、そしてビタミンB6などが挙げられます。すりおろしたニンジンやアマニ油、サーモンオイルや腸内でビタミンB6を作れるように腸内環境を整えることも大切です。
一方で、筋肉を作るのに適しているのは良質ななタンパク質です。適した食材は、肉、鮭、マグロ、マス、大豆、卵、乳製品となります。犬が好む食材ばかりですね。脳に良い食べ物と組み合わせて、レシピを考えてみたいと思います。
うちのコは、鮭の脂と相性がイマイチなのと、自家製ヨーグルトを毎日食べさせているので、タンパク質は肉、大豆、卵から摂ることにしました。
脳に良い食材は、アマニ油でオメガ3脂肪酸を、そしてすりおろしニンジンで抗酸化作用をプラスしてみたいと思います。
【材料】
【作り方】
水煮大豆やゆで卵も小さくすると、食べやすくなります。
てんかんのワンコ用と考えなくても、「体に良いおやつ」として与えられます。肉は愛犬が大好きな肉でOKです。うちのコは馬肉が一番体と心に合っているようなので、この肉を選んでみました。
結局のところ、うちのコの震えの原因は不明です。病名を徹底的に探り当てることはせず、このままでいいと考える自分、今何か手を打つことで将来訪れるかもしれない取返しのつかない状況を回避できるかもしれないと考える自分、そんな2人の自分が常に闘っています。
でも私は信頼できる獣医さんの「大丈夫」を信じてみたいと思います。だから自分にできることを考えながら、毎日丁寧にうちのコを見守っていこうと考えています。
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