キャンベルテストとは、おおよその子犬の性格を診断するテストです。テストを提案した人物名が由来となり、キャンベルテストと呼ばれています。
主に生後5~7週齢の子犬に行い、以下の5項目について調べることで、その子犬が持っている性格の特徴を知ることができます。
子犬を迎えるにあたり、キャンベルテストをして子犬のおおよその性格を把握できれば、飼い主の生活スタイルや家族構成に合っている犬なのかなど、相性を見極めることができます。
犬種ごとに性格の特徴はあるものの、犬にもそれぞれ個性があることから、同じ犬種であっても好奇心旺盛で活発なコもいれば、警戒心が強い臆病な性格のコもいます。また、同じ親犬から生まれても、兄弟で全く違った性格になることも少なくありません。
子犬のどこを見れば性格の特徴がわかるのか、そのポイントを知っていれば、ブリーダーの犬舎などに見学に行った際に、個々の違いを把握することができます。
もちろん、犬の性格は生育過程で変わる可能性が大いにあるので、キャンベルテストの結果が全てではありません。しかし、非常に参考になる結果が得られると言えます。
キャンベルテストは、どこかの機関などに申し込むなどではなく、犬舎などに子犬の見学をしに行った際に自分でできます。ただし、必ずブリーダーの許可を得てから行うようにしましょう。ここでは、キャンベルテストのやり方についてご紹介します。
先述したテストをする5項目には、「dd、d、s、ss、i」の5つの選択肢があり、子犬の行動が、この5つの選択肢のどれに当てはまるのかを調べていきます。それぞれのテスト項目におけるやり方とチェックポイントは、以下の通りです。
子犬から少し離れたところに座って軽く手を叩き、子犬がどんな反応を示したかチェックします。
・dd:尻尾を上げてすぐに近寄った後、飛びついてきて手を噛む
・d:尻尾を上げてすぐに近寄った後、前足を出す
・s:尻尾を下げてすぐに近寄ってくる
・ss:尻尾を上げて戸惑いながら近寄った後、飛びついてきて手を噛む
・i:全く近寄ってこない
声をかけたり軽く手を叩いたりしながら子犬の周りを歩き、子犬がついてくるかをチェックします。
・dd:尻尾を上げてすぐに近寄ってきた後、足を噛む
・d:尻尾を上げてすぐに近寄ってきた後、足にまとわりつく
・s:尻尾を下げてすぐに近寄ってくる
・ss:尻尾を下げてすぐに近寄ってくる
・i:全く近寄ってこない、もしくは立ち去る
子犬を仰向けにし、優しく胸元を30秒間抑えて、どのくらい抵抗するのかをチェックします。ただし、子犬を強引に扱わないように注意してください。
・dd:足をバタバタさせ、激しく暴れて噛む
・d:足をバタバタさせて激しく暴れる
・s:暴れるものの、しばらくして静かになる
・ss:おとなしくしていて、手を舐めてくる
子犬の近くにしゃがんで、子犬の頭から背中にかけて優しく撫でて、人の手や顔を舐めるなどの甘え行動が出るかどうかをチェックします。
・dd:飛び上がって前足を出し、唸ったり噛んだりする
・d:飛び上がって前足を出す
・s:体をくねらせたり、手を舐めてきたりする
・ss:ひっくり返った状態になり、手を舐めて甘えてくる
・i:立ち去る
子犬のお腹に手を当て、すくうようにして持ち上げて抱っこします。その状態を30秒間キープし、どんな反応を示すのかをチェックします。
・dd:大暴れして唸ったり、噛んだりする
・d:大暴れはするものの、唸ったり噛んだりはしない
・s:暴れるものの、やがて静かになり手を舐めてくる
・ss:おとなしくしていて、手を舐めてくる
テストをしてどの選択肢が多かったかによって、以下のことがわかります。
「ddが2つ以上+dが1つ以上」の場合は、支配性が強く取り扱いが難しい犬です。そのため、犬の接し方に熟知していて、犬の正しいしつけができる人でないと扱えないでしょう。
「ddが1つ以上+dが3つ以上」の場合は、平均よりもやや支配性が強く、こちらも少し扱いが難しい性格です。しつけにはそれなりの根気が必要になる可能性が高いため、犬を初めて飼う人には向いていません。
「sが3つ以上」の場合は、特に問題なく飼える一般的な家庭犬の性格です。犬を初めて飼う人でも育てやすいでしょう。
「ssが2つ以上」の場合は、信頼関係が築きやすい従順な性格です。ただし、とても従順がゆえに厳しく接すると恐怖心を抱きやすいので、やって欲しくないことをした際の注意の仕方には十分に気をつける必要があります。
iに該当する場合も、問題なく飼える家庭犬向きの性格です。ただし、該当するddが1つでもあった場合は、支配性が強い部分も持っているので、しつけはやや難しいです。
キャンベルテストの診断結果が絶対に合っているわけではありませんが、おおよその性格の傾向を知るうで参考になるはずです。子犬を迎えて「うちの家族とは相性が合わないかも……」ということにならないために、ブリーダーや店員さんの許可を得て性格診断テストを試してみるのも手ですね。