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犬の生態 / 気持ち

2020.10.30

犬は人の気持ちに「共感できる」ことが研究結果から明らかに!

愛犬と生活のなかで、「もしかして私の気持ちが伝わっているのではがわかるの?」と感じたことがある方はいらっしゃいませんか?
犬は飼い主の表情や声、行動に敏感に反応する動物で、研究により人間の気持ちに共感できることがわかっています。この記事では、そんな犬の共感能力についてご紹介します。

Author :監修:みなみ愼子/名古屋ECO動物海洋専門学校非常勤講師(文:新井 絵美子/動物ライター)

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犬は人間の気持ちに共感できる!

犬 共感

飼い主が楽しそうにしていると愛犬も楽しそうにしている、落ち込んでいると愛犬がおとなしく足元でそっと寄り添っている、といったことを犬と暮らしている方はたびたび感じたことがあるのではないでしょうか。

このような犬が共感しているような行動は単なる気のせいではなく、研究によって「犬は人間の気持ちに共感できる」と解明されています。さらに、犬と人間が一緒に過ごす時間が長くなるほど、その共感能力が強くなると考えられています。

犬の共感能力の研究結果

犬 共感

犬が人間の気持ちに共感できることは、さまざまな研究で解明されています。 近年、麻布大学が行った研究で、短い時間で飼い主の情動(一時的、かつ急激な喜怒哀楽の動き)が変化しても、犬はその変化を察知して共感できることがわかりました。また、別の実験では、犬が人に共感してなぐさめようとすることもわかっています。

ここでは、犬の共感能力に関する研究内容をご紹介します。

短時間における飼い主の情動の変化にも共感できる

まず、犬と飼い主それぞれに心拍数をつけ、飼い主とスキンシップができない状態で、飼い主が見える位置に犬に座ってもらいました。飼い主には「リラックスしてもらうこと」と、暗算や専門的な文章の内容説明といった「心的ストレス源となること」を5分ずつしてもらいました。実験中は犬と飼い主の心拍を15秒間隔で計測し、犬の行動を撮影していました。

その結果、一部の飼い主と犬のペアは心拍変動の数値が同期化しました。そして、犬と飼い主さんが一緒に暮らしている時間が長いほど、同期しやすいということもわかりました。

この研究から、短い時間の、人間の情動の変化に対しても犬は共感できることが解明したということです。

共感して同情できる

ロンドン大学の研究者が行った実験によると、犬は泣いている人を見て同情し、なぐさめようとする行動を取ることがあるとのことです。この実験で、歌い出す人、喋り出す人、泣き出す人に対し犬がどんな反応するのか調査したところ、犬は自分の好きなものを放り出してでも泣き出す人のところまでいって、なぐさめるような行動を取っていました。

これと似たような実験はオーストラリアでも行われており、犬は人間の表情の違いを区別でき、かつ表情の変化に敏感には反応します。飼い主がネガティブな気持ちのときは、犬も悲しい気持ちになるとのことです。

犬の共感能力は社会貢献にもつながっている

犬 共感

犬の持つ人への共感能力は、社会貢献にもつながっています。

患者の気持ちに合わせて行動を取ることができるファシリティードッグ

病院で活躍するファシリティードッグは、痛みや悲しみを抱えている患者がいるとには、そばで静かに寄り添います。また病気で外に出られず思いっきり遊べない小児患者には、少し活発な行動を示すことが確認されています。このように犬は、患者の気持ちに合わせて行動を取りサポートしています。

ファシリティードッグは、もちろんトレーニングされた犬です。しかしトレーニングされた犬であるからではなく、犬の共感能力は病気と闘う患者たちの心の支えとなっていることはたしかです。その結果、ひとつの社会貢献になっているのです。

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犬は人間に共感して特別な関係を築ける動物

犬 共感

犬は飼い主の表情や声をよく観察して、気持ちを読み取っています。楽しいときも悲しいときも愛犬がその気持ちに寄り添ってくれていると思うと、ますます愛おしく感じるのではないでしょうか。愛犬との特別な関係をこれからも大切にしてくださいね。

  • 更新日:

    2020.10.30

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ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:みなみ 愼子
  • 名古屋ECO動物海洋専門学校非常勤講師 動物福祉・倫理学、ホリスティックケア・インストラクター
  • 非常勤講師のほか、ペットマッサージやアロマテラピーの教室を開講しており、犬の保護施設でもペットマッサージのボランティア活動を実施中。一緒に暮らしている犬はロットワイラー、フレンチブルドッグ、MIX犬の3頭で、犬との伸びやかな暮らしを楽しみたいと思っています。