犬がぐるぐると回る姿はとても微笑ましいですが、注意が必要な場合もあります。犬がぐるぐる回るときの心理状態を知っておきましょう。
散歩に連れて行ってもらえる、ごはんやおやつをもらえる、飼い主が家に帰ってきたなど、嬉しくて興奮している状態のときに、犬はぐるぐると回ることがよくあります。このようなときは尻尾をブンブン振ったり、笑っているような表情だったりするので、溢れんばかりの嬉しさが分かりやすいでしょう。
うんちをするときは無防備な状態になることから、周囲に危険がないか確認するために、排便前にぐるぐる回るという説があります。これは野生時代の名残と考えられています。
自分の尻尾を追いかけてぐるぐると回っているときは、ストレスが溜まっている可能性が考えられます。寂しいと感じている、退屈、運動不足、環境の変化など、ストレスとなっている原因を探って対処する必要があります。
犬が同じ場所をぐるぐる回るのは、以下のような病気が原因の場合もあります。
認知症になると、同じ方向にぐるぐると回る症状が見られます。認知症の犬の場合、「後退する」という行為ができなくなるので、ぐるぐると回って壁や物にぶつかってもひたすら前に進み、身動きが取れなくなったり、家具に何度も頭をぶつけたりしてしまいます。
前庭疾患により、ぐるぐる回っている可能性も考えられます。前庭疾患とは、平衡感覚をつかさどる前庭という感覚器官に異常が起きる病気です。発症すると体のバランスがうまく保てなくなることから、同じ方向にぐるぐる回る症状が現れます。
前庭疾患は、原因不明で突発的になる場合もあれば、内耳炎や中耳炎、脳腫瘍や脳炎が原因となっている場合もあります。
お尻の周辺に不快感があり、気になってぐるぐる回っているのかもしれません。お尻の周りに何か付いていないか、ノミはいないか、傷や炎症などのトラブルはないかなどをチェックしてあげましょう。
犬がぐるぐる回ってしまうときは、ケースに応じて適切に対処することが大切です。
嬉しさのあまりぐるぐると回っている姿はとても愛らしいですが、興奮させすぎないようにするために、ひとまず落ち着かせるようにしましょう。
人間と違い犬は、「ひとまず深呼吸をして落ち着こう」といったことは自らできないので、オスワリをさせるなどして飼い主がクールダウンさせてあげる必要があります。
ストレスのせいでぐるぐる回る姿が見られるときは、まず何がストレスの原因になっているのかを探り、それを取り除いてあげる必要があります。
愛犬に留守番をさせることが多く、寂しい思いをさせているかもしれないという場合は、短時間でもいいので一緒に遊ぶ時間を作って、コミュニケーションを取るように心がけましょう。
運動不足からストレスが溜まっている場合は、散歩時間を長くしたり、ドッグランで思いっきり走り回って遊ばせてあげたりなどしてあげるとストレス発散になるはずです。加えて、いつもと違う散歩コースにするなど、変化を持たせるのも犬にとってよい刺激になります。
狭いケージに閉じ込められている状態が長期にわたると、犬は常同障害という心の病気にかかることもあります。この場合、犬は狭いケージ内を素早く回り続けたり、同じ動作を繰り返したりします。一旦、常同障害になってしまうと、健康な生活に戻るまでには長期のリハビリが必要になります。
どんなときにぐるぐる回る行動をするのかをよく観察し、ストレスを解消させるようにしましょう。
認知症や前庭疾患による場合は、家具にぶつかって怪我をしないように室内環境を整える必要があります。愛犬がよく過ごす場所の近くには、なるべく物を置かないようにするほか、家具の角にはコーナーガードを付けるなどするようにしましょう。
また、狭いところに入ってしまい身動きが取れなくなることもあるので、家具の隙間にはダンボールを詰めるなどして立ち入らないようにしましょう。
嬉しい気持ちの表れとして、犬がぐるぐると回っているのであれば安心ですが、自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回っていたり、壁にぶつかっても前に進もうとしてぐるぐる回っていたりするときは、ストレスや認知症などが考えられます。
このように犬がぐるぐる回る行動には、いろいろな理由があるので、愛犬が健康に過ごせるよう日頃から愛犬の様子を観察して、適切に対処をしてあげるようにしましょう。