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犬の遺伝子検査
健康管理 / 病気

2020.11.20

犬の遺伝子検査のおすすめは?タイプ別の遺伝子検査キット3選

近年、注目を集めている犬の遺伝子検査。愛犬の遺伝性疾患の発症リスクを知れるなどのメリットがありますが、そのほかにも遺伝子検査により判明できることがあります。この記事では、犬の遺伝子検査で分かることや、おすすめの遺伝子検査を3つご紹介します。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子/動物ライター)

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犬の遺伝子検査とは?何が分かる?

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犬の遺伝子検査とは、遺伝子を調べることでその犬の病気のリスクや体質などを知ることができる検査です。近年は人間用だけでなく、動物の遺伝子検査も注目を集めており、一部の大手ペットショップでは、遺伝子検査をしてから犬猫を販売しています。

犬の遺伝子検査は、個人で申し込むことも可能です。では、犬の遺伝子検査するとどんなことがわかるのか、具体的に見ていきましょう。

1.遺伝性疾患の発症リスク

遺伝子のDNA配列を調べることで、遺伝子に変異が起きて引き起こされる遺伝性疾患のリスクを知ることができます。

親犬から子犬に伝わる遺伝性疾患は、600種類以上あると言われており、犬種によって発症しやすい遺伝性疾患があります。将来、愛犬に子犬を産ませることを考えている場合、遺伝性疾患のリスクを知っておくことで、子犬が遺伝性疾患を引き継いでしまうのを防げます。

また、発症のリスクがわかれば、症状の進行を遅らせるなどの対策を早い段階から取ることもできます。

2.寄生虫の検出

遺伝子検査は、寄生虫の検出にも役立ちます。寄生虫の検出は、顕微鏡で犬の便を調べる糞便検査や、集卵法として飽和食塩水に少量の便を溶かして寄生虫の卵を浮遊させて検出する浮遊法や沈殿させる沈殿法を行います。

糞便検査では、ジアルジアやトリコモナスなど原虫が検出されることもありますが、原虫は体外にでるとすぐに死んでしまうため検出率は低く診断がつきづらいケースもあります。また、集卵法により回虫や鉤虫などの虫卵が検出されることもありますが、検査に使用した便にたまたま虫卵が含まれていない場合は、見過ごされてしまうことも少なくありません。

遺伝子検査では、従来見つけにくかった原虫や、回虫・鉤虫などによる感染を高確率で検出できるので、何度も検査をしないで済みます。

3.性格の特徴や品種(血統)の特定

その犬の性格の特徴や品種を知ることができる遺伝子検査もあります。

純血種の場合は血統書が発行されますが、2代前より古い血統を正しく把握できていないこともあるため、血統書に書かれていることが正しいとは限りません。そのため遺伝子検査をすれば、純血種であるかどうかが正確にわかります。

また、交雑種の場合には、純血種と違って犬種のルーツがわからないため、性格の特徴などが掴みにくいところがあります。混ざっている血の犬種の気質や性格を知っておくと、正しいしつけをするうえで役立つと言えるでしょう。

遺伝子検査では、犬の品種を特定したうえで、飼い主への服従心や他犬への関心度、攻撃性、防衛能力、集中力などの行動特性がそれぞれどれくらいあるかまで明らかになるので、愛犬をより深く理解できるようになるのも大きなメリットです。

犬の遺伝子検査|おすすめの検査3選

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犬の遺伝子検査は、自宅で簡単に受けられます。まずは、遺伝子検査を行っている企業から検査キットを取り寄せます。検査キットには綿棒のようなものが入っているので、それを口の中(頬の内側)の粘膜にこすり付け、同梱されている保存容器に入れて返送するだけです。そして、2週間後ぐらいに検査結果が郵送されます。

ここでは、簡単にできるおすすめの遺伝子検査を3つご紹介します。

1.緑内障の原因遺伝子の検査ができるVeqta

株式会社Veqtaは、緑内障の原因遺伝子の1つであるSRBD1遺伝子を持っているかどうかの検査ができる唯一の企業です。緑内障の好発犬種は柴犬やシベリアンハスキー、シーズー、アメリカン・コッカー・スパニエルで、特に柴犬の発症率40%と高い結果が出ています。よって、これらの犬種を育てている飼い主さんには特におすすめです。

犬種別に発症しやすい遺伝性疾患の検査を行っており、検査項目は1項目ずつ選べます。

Veqtaホームページ:https://www.veqta.jp/

2.犬種を入力するだけでおすすめの検査項目がわかるPontely

株式会社Pontelyの遺伝子検査も犬種毎に検査項目を1項目ずつから選べますが、3項目検査の割安プランもあります。申し込み画面に検査対象の犬種を入力すると、獣医師がおすすめする検査項目が表示され、プランが選びやすいようになっています。

サービス情報
  • 名称:Pontely
  • ホームページ:https://www.pontely.com/home
  • 検査項目:進行性網膜委縮症(PRA)-PRCD・(PRA)-RPGRIP1、フォンウィルブランド病タイプI(vWD1)、変性性脊髄症(DM)、GM1ガングリオシドーシス、ムコ多糖症、神経セロイドリポフスチン症(CL)-PPT1、高尿酸尿症、第7因子欠乏症、先天性筋強直症、原発性緑内障、プレカリクレイン欠乏症、常染色体遺伝性劣性腎症、運動誘発性虚脱、コリー・アイ、ホスホフルクトキナーゼ欠損症、発作性転倒、骨形成不全症-COL11A2、脊髄癒合不全、髄鞘低形成など

3.愛犬の家系図を知ることができるembark

embarkの遺伝子検査では、オオカミの血筋の割合や成犬時の体重、混ざっている犬種の種類とその割合を知ることができます。さらに、3代前までの祖先の血統までもが判明します。愛犬の家系図を知りたい方や、ミックスの子犬を迎え成犬時の大きさが予想できないといった方などにおすすめの遺伝子検査です。

embarkホームページ:https://embarkvet.com/

愛犬の遺伝性疾患のリスクや特質を知れる遺伝子検査

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犬の遺伝子検査では、遺伝性疾患のリスクを知れるほか、見つかりづらいとされる寄生虫の検出が高確率でできるので、愛犬の健康を守るうえで非常に役立ちます。また、愛犬の性格の特徴などを知れるのも大きなメリットです。遺伝子検査は自宅で簡単に受けられるので、一度試してみてはいかがでしょうか?

  • 公開日:

    2020.10.26

  • 更新日:

    2020.11.20

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ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。