サルモネラ感染症とは、細菌性の食中毒のことです。サルモネラ菌を摂取することにより、中毒症状を引き起こします。主にどんな症状が見られるのか覚えておきましょう。
サルモネラ感染症の主な症状は、血液や粘膜を含む下痢、嘔吐、食欲低下や元気消失などです。しかし、感染しても症状を示さず消化管に保菌しているケースも多くあります。なお、犬のサルモネラ菌の保菌率は、10%程度と言われています。
サルモネラ感染症は、他の犬や人にもうつります。サルモネラ菌が含まれる犬の糞便に触れた後、念入りに手を洗ったり消毒したりしなかったりすると、汚染された手を介して感染します。特に免疫力の低い幼児や高齢者は、わずかな菌量でも感染しやすいので十分に注意が必要です。
サルモネラ感染症は犬種を問わず、すべての犬に感染リスクがありますが、子犬や病気などにより抵抗力が落ちている犬はかかりやすい傾向にあるので注意が必要です。
サルモネラ感染症は、どのようなことが原因となり犬が発症するのかを知っておきましょう。
サルモネラ菌が繁殖した生の肉や魚、卵およびその加工品などを摂取すると感染します。サルモネラ菌の発育温度は10?37度くらいで、20度以上になると著しく増殖します。よって、適切に温度管理をして食材を保存していないと、サルモネラ感染症にかかるリスクが高まります。
サルモネラ菌が付着した食器を使用して、愛犬がごはんを食べたりした場合も経口感染してしまいます。
散歩中に愛犬が拾い食いをし、それがサルモネラ菌に汚染されたものだった場合、感染してしまいます。
サルモネラ感染症の治療は、ニューキノロン系抗菌剤を用いて回復を図ります。また、脱水症状が起きているときは輸液療法を行います。
急性胃腸炎を起こした場合、1通院あたり5,000~16,000円程度の費用がかかります。この費用には診察料や血液検査代、注射代、皮下点滴代、薬代などが含まれます。
サルモネラ菌の繁殖を防ぐために肉や魚、卵は常温に長時間放置せず冷蔵庫に入れて保存しましょう。また、サルモネラ菌は熱に弱く加熱によって死滅します。そのため肉や魚、卵は、75度以上で1分以上加熱してから愛犬に与えたほうが安心です。
さらに、愛犬が使う食器をきちんと洗って衛生的に保つ、愛犬の糞便に手が触れてしまった際は、十分に手洗いをするといった予防もしっかりと行いましょう。
サルモネラ感染症は、先述した原因に対して予防をしなければ、再び感染する恐れがあります。中毒症状の程度は犬によって異なるので、しっかりと予防をして愛犬の健康を守りましょう。
愛犬が何かを食べた後に、下痢や嘔吐などを起こしたらサルモネラ感染症の可能性も考えられるので、速やかに動物病院へ連れていきましょう。サルモネラ感染症は、糞便を介して他の犬や人にも感染してしまいます。愛犬の便に触れた際は十分に手洗い、消毒をして二次感染を防ぎましょう。