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健康管理 / 病気

2020.10.12

獣医師監修|犬のフィラリアの薬にかかる費用は?頻度や飲ませ方を徹底ガイド

日本では、フィラリア予防が飼い主の義務として一般化しているため、犬のフィラリア感染はかなり少なくなりました。しかし、毎年しっかりとした予防をしてあげなければ、高い確率でかかる可能性がある怖い病気でもあります。ここでは、犬のフィラリアについての基本的な情報から、予防薬の種類、費用や飲ませ方などを紹介していきます。

Author :関 ゆりな/ドッグライター(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬のフィラリア症はどんな病気?

犬 フィラリア 薬

犬のフィラリア症とは、「犬糸状虫症(いぬしじょうちゅうしょう)」とも呼ばれ、白く細長いフィラリアという寄生虫の成虫が心臓や肺動脈に寄生することで起こる病気です。フィラリア症は、感染初期の段階での症状はあまり目だたないため、愛犬の異変に気づくのは難しいと言えます。しかし、放置してしまえば最悪死に至る可能性もある重大な病気です。

感染経路

フィラリアは、蚊を介して犬の体内に侵入していきます。すでにフィラリアに感染している犬の血を蚊が吸うと、血液中にいるフィラリアの幼虫も一緒に吸い上げます。この幼虫を持った蚊が別の犬を刺すことで、犬の皮膚から体内へ幼虫が入り込み、フィラリアに感染します。このサイクルを繰り返すことでフィラリアに感染している犬から未感染の犬へと広がっていくのです。

日本における感染率

日本では、フィラリア予防の普及によって以前と比べると感染率は随分と少なくなりました。特に都心部ではフィラリア症に感染した犬を見ることは少ないですが、田舎での感染率は3割にのぼると言われています。
予防をせずに屋外で飼育した場合、1年で約半数の犬が感染するというデータもあり、蚊に刺されやすい環境で暮らしている犬はそれだけ感染リスクが高まります。

犬のフィラリア薬の種類と入手方法

犬 フィラリア 薬

フィラリアは、薬によってほぼ100%予防が可能な病気です。治療が困難な病気でもあるため、予防することがとても大切になっています。ここでは、フィラリア薬の種類と入手方法、費用について紹介します。

種類

フィラリアの予防薬には、様々な種類がありますが大きく分けると内服薬、外用薬、注射薬の3種類になります。

錠剤などの内服薬は月一回の投薬を行い、スポット剤も月一の塗布が必要になりますが、注射薬は、注射すると1年間効果が継続するため、年1回行います。
注射は体重の変化が著しい1歳未満の子犬にはすることができません。スポット剤はフィラリアと同時にノミ・ダニ予防もできます。

入手方法

フィラリア予防薬は、内服薬・外用薬のみ通販でも入手可能です。

しかし、一般的に動物病院で獣医師の診断を受けて、処方してもらうのが好ましいと言えます。フィラリアの予防薬を処方する前に、血液検査を行い前年の予防薬によってフィラリアに感染していないかを確認し、今年の予防を開始します。
もしも、血液検査の結果が陽性だった場合、感染虫が体内で死んで血流に流されて末梢血管に詰まることを防ぐため、予防薬の投与自体が不可能になることがあります。

どうしても通販で購入したい場合は、しっかりとフィラリアの検査を受けた上で獣医師に相談してみるといいでしょう。

費用の目安

薬の費用は、薬の種類や愛犬の体重によって異なります。
体重5kg程度の小型犬であれば、内容薬は1回分500~800円程度、外用薬は一回分1,500~2,200円程度です。注射は、1回5,000円前後となっています。

犬のフィラリア薬の飲ませ方

犬 フィラリア 薬

フィラリアをしっかりと予防するためには、定期的に薬を飲ませる必要があります。ここでは、薬を飲ませる頻度から上手な飲ませ方、期間について紹介していきます。

飲ませる頻度

一般的なフィラリアの予防薬は1ヵ月間隔で飲ませる必要があります。
フィラリアが犬の体内に侵入してから、血管に入り込むまで2ヶ月の準備期間があります。そのため、フィラリアが血管へと移動する前に確実に駆除しなくてはいけないので、月1回の頻度で行う必要があります。

薬の上手な飲ませ方

愛犬が薬を口から出さずにしっかり飲み込ませるには、コツが必要です。
愛犬が警戒して構えないよう優しく撫でてあげながら、お座りの姿勢をさせて、背後から包み込むように抑えます。顔の上から片手で両顎をもち、上をむかせて犬歯のすぐ後ろに指を入れて優しく口を開けましょう。
喉の奥に薬を素早く入れ上を向かせたまま口を閉じます。数秒そのまま上を向かせて、喉を優しく撫でてあげましょう。

慣れないうちは暴れてしまうこともありますが、口を開けない場合は力づくで開けないようにしてください。愛犬の好きなおやつやご飯に混ぜてあげたり、すり鉢で粉上にして振りかけるなどの他の方法もあります。

さらに、フィラリアの薬には錠剤を飲むのが苦手な子向けにチキンフレーバーなどで味付けされたクッキーのような嗜好性の高いチュアブルタイプもあります。錠剤を与えるのが難しい場合は獣医師に相談して愛犬にあった薬を選ぶといいでしょう。

薬を飲ませる期間はどれくらい?

フィラリアの投薬を始めるタイミングは、蚊が飛ぶようになってから1ヵ月後からとされており、止めるタイミングは蚊がいなくなってから1ヶ月後とされています。
そのため、地域によって飲ませ始めるタイミングや終えるタイミングは異なりますが、だいたい3~4月から11~12月頃までの8カ月間程度は続けて与える必要があります。

犬のフィラリアは予防できる病気

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フィラリアは毎年しっかり予防していれば、心配のない病気です。しかし、予防を怠ると高い確率で感染する可能性があり、最悪死に至る怖い病気でもあります。大切な家族が辛い思いをしないよう私たち飼い主がしっかりと予防に努めていきましょう。

  • 更新日:

    2020.10.12

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ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。