magazine

健康管理 / 病気

2020.10.02

【獣医師監修】犬に発疹・湿疹ができる原因とは?考えられる病気・治療法まとめ

犬に発疹・湿疹が出るのはさまざまな原因がありますが、一時的なものだと思って放置するのは絶対にNGです。犬が身体を掻くこと自体は珍しいことではありませんが、しきりに同じところばかりを掻いている場合には発疹が出ている等、病気の可能性もあります。犬の発疹の症状は多岐にわたり、それぞれの状態によっても治療法が異なります。ここでは犬に発疹・湿疹が出たときの原因や考えられる病気、治療法などについて詳しく解説します。

Author :監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:泉 能子)

この記事をシェアする

犬に発疹・湿疹がある場合に考えられる原因とは?

犬 発疹

発疹(ほっしん)とは皮膚に炎症がおきる、いわゆる皮膚炎のことを指します。発疹の一種である「湿疹(しっしん)」は、かゆみを伴うことが多く、皮膚表面の広い範囲が赤くなったり、水疱ができたりする病気のことを指します。お腹など身体の柔らかい部位に出来ることが多く、原因によっては腰~尻尾の付け根辺りなどに発疹が出来ることもあります。犬が発疹を起こす原因としては、以下のようなものが考えられます。

原因1.アレルギーによるもの

家の中のハウスダストやカビなどの、アレルギー反応の原因となるアレルゲンが体内に入って、免疫が暴走してアレルギー反応を起こすことから発症します。体内の免疫が過剰に働いてしまうことが原因で、目や口・耳、お腹、足の先端などの広い範囲に激しいかゆみと皮膚の赤みが現れます。

原因2.ノミやダニによるもの

犬の皮膚に寄生したノミやダニが原因でアレルギー反応が起き、発症します。アトピー体質の犬や食物アレルギーのある犬は特になりやすいとされています。ノミの寄生しやすい腰から尻尾の付け根辺りに赤い発疹が出来ることが多く、強いかゆみを伴います。

原因3.細菌やカビによるもの

皮膚表面に常在するブドウ球菌などの細菌の増殖や、カビが感染して発症します。健康な犬は罹りにくいですが、免疫力の弱い幼若な犬、栄養不良な犬や、老犬・不衛生な環境に置かれている犬などは細菌に感染しやすくなります。

犬に発疹・湿疹があるとき、こんな症状が併発している場合は要注意!

犬 発疹・湿疹

犬に発疹・湿疹の症状が出ている場合、お腹などに赤い発疹やただれを見つけて気付くことが多い傾向がありますが、その他にも愛犬がしきりに体を掻いたり舐めたりすることがあります。また痒みのために夜も熟睡できなくなることもあります。炎症がひどくなると発熱したり食欲不振になったりすることがあるので注意が必要です。

犬に発疹があるときに考えられる病気と対処法は?

犬 発疹・湿疹

犬に発疹が出ているときは、皮膚の病気に罹っていることがほとんどです。考えられる代表的な皮膚の病気とその対処法・治療法について解説します。

考えられる病気1.膿皮症

膿皮症は皮膚にブドウ球菌などの細菌が感染することによって発症します。赤味のある発疹や膿疱ができ、かさぶた状になって顔や脇の下、足の股や指の間などにひろがります。細菌の感染が皮膚の深部にまで及ぶと腫れや痛み、発熱などが出るようになります。

対処法・治療法

膿皮症の予防には、生活環境を清潔にすることや、免疫力を高める食餌や、シャンプーの成分に気をつけることが大切です。膿皮症の治療には、原因である細菌に合った抗生物質の投与と、薬用シャンプーによる定期的な洗浄が基本となります。

考えられる病気2.ノミアレルギー性皮膚炎

ノミアレルギー性皮膚炎は、犬に寄生したノミの唾液や体片にアレルギー反応をおこして発症します。アトピー体質の犬や食物アレルギーのある犬は、ノミアレルギー性皮膚炎にもなりやすいと言われています。

ノミがよく寄生する腰や尾の付け根などに蕁麻疹や赤い発疹がでます。また痒みが非常に強く掻きむしったり、咬んだりして脱毛してしまうこともあります。慢性化すると皮膚が厚くなってしまったり、色素沈着してしまうことがあります。

対処法・治療法

ノミアレルギー性皮膚炎予防はノミ・ダニの予防駆除剤を定期的に投与することで予防することができます。 予防駆除剤は成虫だけではなく、幼虫やサナギも予防駆除できるものを選ぶようにしましょう。ノミアレルギー性皮膚炎は皮膚の炎症やかゆみを抑える薬で治療します。同時にアレルゲンであるノミの駆除も徹底的に行います。

その他、部屋の中にいるノミを駆除するために、部屋の中はもちろん、犬のベッドなども毎日掃除機をかけるようにしましょう。

考えられる病気3.アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は激しい痒みと皮膚の赤みが主な症状で、口や目のまわり、お腹や耳、脇下や足先など広範囲に起こります。 慢性化すると皮膚の状態が悪くなり、脂漏性皮膚炎や膿皮症を併発してしまうことがあり、結膜炎や外耳炎などの合併症を引き起こすこともあるので、早期発見・早期治療が大切です。

対処法・治療法

アトピー性皮膚炎の予防としてはハウスダストやカビ(真菌)などのアレルゲンを吸い込まないように、室内環境を清潔に保つことが第一ですが、アトピー体質を持っている犬がアトピー性皮膚炎を完全に防ぐことは難しいでしょう。毎日の清掃や定期的なシャンプーなどでアレルゲンを減らすように努力しましょう。

アトピー性皮膚炎の治療はかゆみや炎症を抑える薬剤での治療が基本となります。同時に保湿をして皮膚のバリア機能を整えることも大切です。

犬の身体の発疹・湿疹を見つけたら早めに診察を!

犬 発疹・湿疹

犬の発疹・湿疹はいろいろな原因から起こります。ダニや細菌から皮膚炎を起こすこともありますし、アレルギーが原因のこともあります。犬が基礎体質として、アトピー体質や食物アレルギーを持っているときは、発疹のおこる皮膚炎もなかなか完治することが難しく、生涯わたり付き合っていかなければならないこともあります。発疹がひどくならないうちに、早期に原因を調べて治療することが、重症化させない重要なポイントです。

  • 更新日:

    2020.10.02

この記事をシェアする
ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。