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ボケてしまった犬がソファーで横になっている
健康管理 / 病気
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2021.07.26

犬がボケてるかも!認知症(痴ほう)の症状や対策法を解説【獣医師監修】

高齢の愛犬が名前を呼んでも反応をしない、何もないのにぼーとして一点を見ているなど、今までと少し違った様子が見られるようになっていたらボケ(認知症)が疑われます。放っておくとさらに行動が変化していってしまうので、早めに対策をすることが重要です。
今回は認知症の原因や症状、症状が見られる愛犬との上手な向き合い方などについて解説します。高齢犬の飼い主さんは愛犬に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

新井 絵美子/動物ライター(監修:加藤 みゆき/獣医師)

犬のボケとは?

ボケが疑われる老犬が遠くを見つめている

犬における「ボケ」とは、いわゆる認知症のことです。認知症は、老化により認知力が低下することによって起こる行動の変化を言います。
認知症は全ての犬がかかる可能性がありますが、柴犬をはじめとした日本犬がなりやすい傾向にあります。何が原因で認知症になるのか、まずは見ていきましょう。

認知症(痴ほう)の原因

認知症は、老化により脳神経細胞や自律神経の機能が低下することで起こります。犬では12歳ごろから発症しやすいと言われていて、14歳以上になると発症が多くなります。さらに、17歳以上では半数以上が認知症の何らかの兆候が見られるという報告があります。

犬がボケたときの症状とは

認知症の犬がベッドの上で休んでいる

認知症は治療法がなく完治できないので、どんな初期症状が見られるのかを知っておき、早期に気づけるようにしておくことが非常に大切です。

認知症の初期症状

ボケの初期は、名前を呼んでも無反応、何もないところをぼーと見ている、今まで理解できていたコマンドを無視するようになる、好きなことなのに興味を示さないなどの症状が見られます。これらの愛犬の様子を見て、「歳を取ったからだろう」と済ましてしまうことが多く、そのままボケを放置しているケースも少なくありません。

「少し様子が変だな……」と感じたら、一度かかりつけの獣医師にボケていることについて相談するとよいでしょう。また、愛犬の気になる様子を動画に撮っておくことをおすすめします。ボケの症状を獣医師に見せることで診察の際に愛犬の状態をよりわかりやすく説明できます。

進行したときの症状

認知症が進行すると、以下のような認知症特有の行動が目立つようになってきます。
なかでもボケの行動である夜鳴きは、近所からの苦情になりやすいほか、飼い主さんの睡眠障害も招くので、飼い主さんを悩ませる症状です。

  1. 昼間に寝てることが多く夜に寝なくなる
  2. 夜間や明け方に意味もなく鳴く
  3. 円を描くように同じところをぐるぐると歩き回る
  4. トイレ以外の場所で排泄をするようになる
  5. ごはんを食べたばかりなのにすぐに食べたがる
  6. 狭いところに入りたがり、入ったら後退できなくなる

犬がボケてしまったときの対策

ボケている犬に愛情を込めてスキンシップしている飼い主さん

認知症は完治はできないものの、日常生活を工夫することで症状の軽減や症状の進行を遅らせることはできます。愛犬がボケてしまったら、どのように向き合えばよいのかを覚えておきましょう。

脳に適度な刺激をあたえる

変化の少ない単調な毎日を送っていると、認知機能がどんどん衰えてしまいます。そのため、適度に運動をさせる、散歩に連れて行くなど、脳への刺激になることを取り入れて生活するようにしましょう。もし散歩に行きたがらないようであれば、カートに乗せて外に連れて行ってあげるのも1つの方法です。

また、昼間に活動をさせることは、昼夜逆転した愛犬の生活の改善にもつながります。

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スキンシップが大切

飼い主さんとのコミュニケーションも脳へのよい刺激になるほか、絆を深めることにもつながります。認知症になっても今までと同じように愛犬に話しかけたり、体を撫でてあげたりして、愛犬とのスキンシップを大切にしましょう。

専門家に頼ることも

認知症による愛犬の夜鳴きで睡眠不足になり、ときに疲れてしまうこともあると思います。そのようなときには一人で抱え込まず、ペットシッターにお世話を手伝ってもらうなどして少し息抜きをすることも大切です。

近年は老犬の訪問介護をしているペットシッターサービスが増えてきています。愛犬のお世話に悩んだり、疲れてしまったりしたときに、このようなサービスを利用するのもよいでしょう。

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犬のボケは症状をおさえることもできる

ボケてしまった愛犬と散歩を楽しむ飼い主さん

愛犬の名前を呼んで無反応だったりしても、それが認知症の症状の1つだと思わず、「高齢だから耳が遠くなっのだろう」として見過ごしてしまうケースも少なくありません。「今までと様子が違う気がする」と思ったら、一度かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

愛犬が認知症だと判明したらショックを受けてしまうかもしれませんが、きちんとボケに向き合い日常生活を工夫することで、症状の軽減や症状の進行を遅らせることができます。愛犬に寄り添いスキンシップを大切にしながら過ごしてあげてくださいね。

  • 公開日:

    2020.10.09

  • 更新日:

    2021.07.26

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。