ここでは、フォックス・テリアと呼ばれる犬種の犬たちの古い歴史や特徴について紹介していきます。
フォックス・テリアはイギリス原産のとても古い犬種であると考えられていますが、明確な起源は明らかになっていません。
元々は害獣を追い払う仕事をしていたようですが、18世期頃には貴族のスポーツとして流行したキツネ狩りで活躍していたことで「フォックス・テリア」と呼ばれるようになりました。
狩猟犬のハウンドと共に狩りを行い、ハウンドはキツネの追跡を、フォックス・テリアは主にキツネを巣穴から追い立てる役割を果たしていました。
フォックス・テリアは、やや大きめの小型犬サイズですが、コンパクトながら筋肉質で均等の取れたスクエア型(正方形)の体型をしています。
狩猟犬としての血が色濃いため、とても活動的で走り回ったり、動くものを追いかけたりすることを好みます。典型的なテリア気質であるため、陽気で明るい性格ですが、警戒心も強く、喧嘩っ早い一面もあります。
フォックス・テリアには、4つの犬種が存在します。日本でも多く飼育されている「ワイヤー・フォックス・テリア」や「スムース・フォックス・テリア」はご存知の方も多いのではないでしょうか?
加えて、小型のフォックス・テリアとマンチェスター・テリアなどを掛け合わせて小型化した「ミニチュア・フォックス・テリア」アメリカで作出されたアメリカン・トイ・テリアとも呼ばれる「トイ・フォックス・テリア」の計4種類がいます。
ここでは、JKCに登録されている「ワイヤー・フォックス・テリア」と「スムース・フォックス・テリア」の2つの犬種について、それぞれのルーツや特徴を紹介していきます。
まずは、フォックス・テリアのなかでも歴史が古いとされるスムース・フォックス・テリアを紹介します。
イギリス原産のスムース・フォックス・テリアが誕生した裏には、少し悲しいストーリーがあります。
キツネ狩りで活躍していた当初のフォックス・テリアは、キツネと似ている毛色をしていたために、誤って射殺されることがあったようです。
この悲劇を起こさないために、ブルテリアやグレーハウンド、ビーグルなどのスムース系の犬と混血され、白い毛色が優勢のスムース・フォックス・テリアが誕生しました。
スムース・フォックス・テリアの身体のサイズは体高が39cm以下、体重がオスは7.3~8.2kg、メスが6.8~7.7kgとされています。大きめの小型犬に分類され、骨格がしっかりとした筋肉質な体格をしています。
毛色は、ホワイトをベースにブラック、タン、ブラック&タンのマーキングがあるものや、ホワイト一色になります。
次に日本でも人気のある被毛がワイヤー状でぬいぐるみのようなワイヤー・フォックス・テリアを紹介していきます。
スムース・フォックス・テリアが、ハウンドなどの犬種との交配によって誕生したのち、さらに他のテリアとの交配によってワイヤー・フォックス・テリアが誕生しました。
1885年にAKCに公認されましたが、スムースとワイヤーが別犬種として扱われるようになったのは、それから約10年後の1984年になります。
ワイヤー・フォックス・テリアもスムース・フォックス・テリアと同じく、体高39cm以下、体重8kg前後のやや大きめの小型犬サイズです。
毛色もスムース・フォックス・テリアと同様に、ホワイトをベースとしてブラック、タン、ブラック&タンのマーキングが入ったものや、ホワイト一色になります。
凛々しい外見から「テリア界の貴公子」とも呼ばれるフォックス・テリアですが、性格や特性を知らずに見た目の可愛さだけで飼ってしまうと手がつけられなくなることもあります。ここでは、フォックス・テリアを飼うときに注意すべき点について紹介していきます。
小型犬ですが、運動量は豊富な方です。スタミナがあるため、毎日1時間の散歩を朝晩行い、その他にドッグランで思いっきり走れる機会を作ってあげるなど、充分な運動量を確保してあげる必要があります。
運動量が不足すると、無駄吠えや物を破壊するなどの問題行動を起こす原因になるため、少し激しいくらいの運動を毎日行ってストレスを溜めさせないようにしましょう。
フォックス・テリアは、テリア気質が強く、プライドが高い頑固な性格であるため、初心者向きの犬種ではありません。
家族思いで頭はいいため、一貫性のあるしつけを子犬の頃から行い、上下関係を築くことができれば、しつけが入りやすくなりますが、そこまで到達するには根気が必要になります。
また、喧嘩っ早く警戒心も強いため、子犬の頃から多くの人や犬と触れ合う機会を作って社会性を身につけさせることもとても重要になります。
典型的なテリア気質の癖ある性格の持ち主であるため、しつけは他の洋犬のように一筋縄ではいかないでしょう。しつけが思うようにいかないからと諦めてしまえば、他人への強い警戒心によって吠えたりと手のつけられない状態になってしまう可能性もあります。
お家に迎える前にフォックス・テリアの気質や気をつけるべき点を確認し、最後まで責任を持ってお世話することができるか検討するようにしましょう。