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犬種図鑑

2020.10.04

ピレニアン・マスティフの全て|歴史・特徴・性格・飼い方のコツ【犬種図鑑】

ピレニアン・マスティフは、グレート・ピレニーズやチベタン・マスティフなどと同じく超大型犬に属する犬種ですが、古くからスペインの山岳地帯で活躍してきた作業犬でした。かつては一時絶滅寸前にまで追い込まれたという歴史も含めて、その特徴や性格、飼い方のコツなどピレニアン・マスティフをあらゆる方向から解説していきたいと思います。

Author :明石 則実/動物ライター

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ピレニアン・マスティフの歴史

ピレニアン・マスティフ

ピレニアン・マスティフの起源は様々な説があって定かではありませんが、紀元前にアジアからやってきた大型犬(チベタン・マスティフなど)がルーツだとする説が有力です。スペインに土着した彼らは、ピレネー山脈の麓で護畜犬として暮らすピレニアン・マスティフとなって、羊を守る役目を担いました。いっぽう暖かい平地で暮らすようになった同犬種は、毛先が短くなりスパニッシュ・マスティフとなって分かれていったのです。

しかし害獣が極端に少なくなっていくにつれてピレニアン・マスティフの仕事はなくなり、スペイン内戦など国内が混乱したこともあって一時絶滅の危機に瀕しました。 しかし1970年代になって保護と復元の計画が立ち上がり、1982年には国際畜犬連盟(FCI)に犬種登録されるまでになったのです。しかし絶対数はまだまだ少なく、非常に希少な犬種だと言えます。

ピレニアン・マスティフが属する犬種グループ

希少とはいえ、日本でもピレニアン・マスティフはJKC(ジャパンケネルクラブ)で犬種登録されています。犬種グループとしては「2G:使役犬」というカテゴリーになっています。使役犬とは、番犬や護衛をする犬のことで、オオカミなどの害獣に対して巨大な体格で圧倒し追い払うという役目を持っています。

ピレニアン・マスティフの性格|優しく穏やか

ピレニアン・マスティフ

非常に賢く、愛情深くて優しい性格をしています。いっぽう見知らぬ人や犬に対しても決して物怖じせず堂々とした態度で接します。 特に他の犬に対しては、自分の方が力強いことを知っているため、気立てが良く優しい態度望み、決して自分から攻撃はしません。

また飼い主や家族に対しては非常に従順でおとなしく、甘えることも大好きです。まためったに吠えることもありません。「気が優しくて力持ち」そんな表現がぴったりくるような犬種ですね。

しつけはしっかりとしておくこと

気質が穏やかとはいえ、元来は護畜犬だったピレニアン・マスティフですから、独立心が強い一面もあります。そのため子犬の頃から飼い主に服従させるトレーニングが必要です。に散歩の時などに力強く引っ張られると大人でも制御できなくなりますから、リードを短く持って、必ず横について歩くことをマスターさせましょう。

ピレニアン・マスティフの健康管理|体重コントロールがポイント

ピレニアン・マスティフ

超大型犬にとって肥満は禁物です。股関節や膝関節に負担を掛けますし、内臓疾患にも繋がりやすいからです。体重・運動管理はしっかりしておく必要があります。

適正体重

ピレニアン・マスティフの場合、体が大きければ大きいほど良いというスタンダードのため、体高の上限はありません。体高の下限はオスで77cm、メスで72cmとなっていますが、ほとんどの子が下限を大きく上回るほどの体の大きさとなっています。

適正体重ですと52~70kgとかなりの幅があります。そのため体の大きさに比例して、きちんとバランスが取れているかどうか確認する必要がありますね。ピレニアン・マスティフは被毛が長いため、肥満かどうかの確認はしづらくなっています。かといって家庭の体重計に乗れるサイズではありませんので、しっかりと脇腹を触ってみて、しっかり肋骨が確かめられるようであれば適正だと言えるでしょう。

運動量

ピレニアン・マスティフは走ることより歩くことを優先させましょう。散歩はたっぷり1時間ほど取り、できれば1日2回が望ましいです。散歩の時間が短いとストレスとなり、問題行動のキッカケとなりますから注意したいところです。

広いドッグランで自由に遊ばせることも大切でしょう。他の犬に危害を加える可能性は低いですし、社交的な性格ですから他のワンちゃんとも仲良くできるコが多いはず。しかし体が大きいため、小さなワンちゃんが側にいる時はくれぐれも注意する必要があります。

平均寿命

ピレニアン・マスティフの平均寿命は10~13歳程度です。他の大型犬と同じくらいですね。ただし暮らしている環境や個体差によって違ってきますし、普段からの体重管理や健康管理をきちんとすることで寿命が延びる場合もあります。

ピレニアン・マスティフの被毛の特徴

ピレニアン・マスティフ

近似種のスパニッシュ・マスティフに比べると被毛は長めになっていて、いかにも寒さに強そうな印象があります。また豊かで密集したアンダーコートがあり、日本の夏は苦手と言えるでしょう。被毛のカラーは地色がホワイト。そこにグレー、ゴールデンイエロー、ブラウン、ブラック、マーブルなどの斑が入っているのが大きな特徴です。

皮膚・被毛のお手入れ方法

体が大きく豊かな被毛をまとっているため、日々のお手入れは少々大変と言えます。特に夏場や換毛期は蒸れやすく、抜け毛も多いため毎日のブラッシングは欠かせません。また皮膚の健康状態もしっかり確認しておくことが必要です。また、よだれの量が多いため、口周りなどがよだれ焼けにならないよう、こまめにゆだれを拭き取ってあげる必要があります。

ピレニアン・マスティフは希少種

ピレニアン・マスティフ

日本でも数は少ないながらピレニアン・マスティフが暮らしています。頭数そのものが少ない希少種のため、なかなかお目にかかる機会は少ないと思いますが、いつか世代を重ねて数も増え、誰でも親しめるような存在になってくれたらいいですね。

  • 更新日:

    2020.10.04

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ライター・監修者プロフィール
  • ライター:明石 則実
  • 動物ライター
  • フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。 愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。