ラブラドールのやまとと出会う前、わたしはダックスフントの女の子と一緒に生活をしていました。
名前はココ。彼女と出逢ったのは今から22年前、私が「意識高くない系」全盛期で暴飲暴食をしていた頃のことです。
ココのご飯は市販のドッグフードでした。なぜなら、当時は人間の食べ物をあげることはいけないこと、手づくり食なんてとんでもない!と思っていたからです。
しかし、ココはとても偏食家で、ドライフードはほとんど食べません。缶詰のフードならまだ食べてくれましたが、残しがちでした。
そこで私は、家族に内緒でこっそりと、私たち人間の夕飯のために調理したゆでササミをほんの少しあげてみました。
すると、とても美味しそうにペロッと食べるココ。
いつものフードでは見せない「幸せそうなペロリ顔」に、わたしもうれしくなりました。
でも、そんなココの表情をみながら、私の脳内に警告音が鳴りました。
「人間の食べ物をあげたら病気になる!しかも、今でさえあまりフードを食べてくれないのに、おいしいご飯にクセがついたらもっと食べなくなってしまう!やっぱり、あげちゃいけない!ダメ、ゼッタイ!」
手づくりごはんの話も聞いた事がありましたが、当時の私は興味ゼロ、むしろ否定的でした。
「毎日のことだからお金もかかるよね、そもそもそんな作る時間なんて無いし、大変そう。」
「手づくり食なんて、栄養とかかたよって病気になるじゃん、怖いわぁ。」
当時のわたしが一番か偏った食生活を送っていたにもかかわらずです(笑)
その後迎えた愛犬「やまと」のユルイうんちが、たんぱく源のチキンをやめたことで一度改善したことをきっかけに、獣医師の先生から手づくりごはんの勉強会を紹介してもらって学び始めることになりました。
動物病院に行くたびに、手づくりごはんの良さを何度も何度も獣医師の先生から聞かされていた私は、勉強会まで待ちきれずに、気付くと先走って勝手なイメージでやまとのご飯を作っていました。
しかし、手づくりごはんの知識がまったくなかった私は、こんなことを考えながら作っていました。
「カリカリのドライフードは、水分が足りないって聞いたことあるなぁ。なんか、カリカリってお肉の成分が多そうだな、よし、少し減らそう!」
そうして完成した、デビュー作品をご覧ください。
汁だく、野菜もりもり、お肉はトッピングせず、カリカリ少なめ。
今見るとツッコミどころ満載のレシピですが、当時のわたしは自信満々でした!なぜなら、こんなごはんでもやまとが大興奮で完食してくれたからです(笑)
でも、このぶっかけ飯のようなごはんをきっかけに、「意識高くない系」だったわたしが食に対して興味を持ち始めたことも事実です。
先走ってオリジナル手づくりごはんを作ってしまうほど、待ちに待った手づくりごはんの勉強会が開催されました。
とてもおしゃれで素敵な会場のスクリーンの前に、ニコニコした優しそうな女性が立っています。その方が、荒木幸子先生でした。
荒木先生は、ニューヨーク州立大学で動物の栄養学を学び、ニューヨーク州の動物看護師の免許を持っています。実際にアメリカの動物病院で、健康な子から病気を抱えている子まで様々な子への食事指導をされていたことを聞きました。
「手づくりごはんなんてとんでもない!」と思い込んでいた私にとって、アメリカでは手づくり食を動物病院で指導しているということ自体が衝撃的な事実でした。
荒木先生の手づくりごはんの講座は「私たちは、食べたもので出来ている。」 というメッセージが中心にあり、わたしたち日本人の食事の話、種に適した食事についてお話してくださいました。
そして、手づくりごはんは栄養面を考えるのが難しいと思っていたわたしにとって、荒木先生が教えるレシピはとても簡単で理にかなっている。目からウロコの衝撃です。
荒木先生と一緒に実際に手づくりごはんを作ってみる調理実習では、「こんな簡単で良いの!?」と思うくらいで、ポイントさえ掴めたら私でも出来そうでした。漠然と抱いていた手づくりごはんに対する不安、頭の中にかかっていた雲にスーッと希望の光が差し込みました。
荒木先生の講座をきっかけに、やまとと私は健康的な生活を送れるようになり、今思うと偏食家と思い込んでいたココにも手づくりごはんを作ってあげて食べる楽しみを味合わせてあげたかったくらいです。
次回のブログではいよいよ、荒木先生による手づくりごはんのポイントを書いてみたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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