鶏肉は繊維が細い構造のため、他の肉よりも消化吸収に優れています。柔らかいのでシニア犬でも食べやすいのが嬉しいですね。
また、良質なアミノ酸を豊富に含み、特に幸せホルモンと言われるトリプトファン、寝つきを良くするグリシンなどが、体に優しく作用してくれそうです。
運動で脂肪を落とし、筋肉を付けさせたい若い犬にも良い肉です。
イミダゾールペプチドは、タンパク質に含まれるアミノ酸の結合物です。最近の研究では、イミダペプチドには脳を活性化する作用が確認されているため、認知症や気持ちを安定させる効果も期待できます。肥満が気になる愛犬の健康管理なら、低脂肪高タンパクの鶏胸肉やササミが良さそうです。
疲労回復に役立つビタミンB1と、抗酸化作用のあるビタミンB2が大きな魅力の豚肉は、鶏肉よりも脂肪分が多いのが気になるところはありますが、夏バテ予防などには効果的な肉です。その他、ビタミンEやタンパク質の働きにより、皮膚や体の老化を防ぐ働きもあります。この場合はヨーグルトと組み合わせると効果が上がると言われています。
豚肉にも幸せホルモンのトリプトファンがあります。体力が落ちて元気がない場合などは、ビタミンB1とトリプトファンで体と心の元気を取り戻してあげましょう。ストレスを感じるとビタミンB1は尿として排出しやすくなるため、環境が変わった時などには豚肉の力を借りるのも良いかもしれません。
牛肉には体に吸収されやすいヘム鉄が豊富に含まれています。このヘム鉄が貧血や疲労の解消に役立って、動きやすい体へと導いてくれるでしょう。
亜鉛は皮膚や被毛の健康に役立ち、カルチニンは脂肪の燃焼を促します。牛肉にはカルシウムも多く含まれ、骨の強化にも適した肉と言えます。
ただし、牛肉はリンも多く含むため、腎臓に問題がある場合はご注意ください。また、カルチニンは肝臓で代謝されるミネラルなので、肝臓に問題がある愛犬も注意が必要ですね。
牛肉に含まれるセロトニンには、自律神経に作用する効果があります。何となく元気がない時に牛肉を試してみてはいかがでしょうか?一方、コエンザイムQ10には抗酸化作用があり、老化を防ぐと言われています。女性の化粧品などでよく目にする成分ですが、やはり若返りのキーとなる成分のようですね。私も牛肉食べなくちゃ……
愛犬に栄養たっぷりの肉を食べてもらうために、ちょっとした工夫を!それぞれの肉には相性の良い食材があり、合わせて摂ることで相乗効果を生み出します。
ただし、人間が生で食べられるものを除き、必ず加熱すること。そして、1日の食事量の10%以内におさまる量にする必要があります。食べ過ぎや続けて与えることにより、逆に体調を崩す原因になることがあります。ちょっとした気分転換程度で与えるのが良いですね。
・・・と、そんなことを言いながら、うちのコを撮影した動画はかなり野菜を食べています。見本のつもりで置いた野菜を、気づいたら普通に食べつくそうとしていました。もちろん肉も完食し、その後にまた撤去した野菜を食べたそうに見つめています。野菜嫌いのはずなのに、なぜ!?
タンパク質はビタミンBと一緒に摂ることで、代謝が良くなります。さらにビタミンB6はタンパク質の合成を促進してくれるため、多く含まれるパプリカやバナナなどを添えて与えると良いです。豚肉は胃腸に優しいビタミンU(キャベジン)と一緒に摂ると、消化を促し栄養を吸収に役立ちます。どちらも少しの水かぬるま湯でスープ状にすると、水分補給にもなります。
焼いた牛肉は、すりおろして酵素を最大限に引き出したニンジンと一緒に与えるのが吉です。牛肉とニンジンを組み合わせることで、体力の回復にも効果を発揮します。もしも胃腸の調子があまり良くない場合には、消化を促進するトマトと合わせるのもおすすめです。野菜の力を借りて、効率良く栄養を吸収させてあげるといいですね。
鶏、豚、牛肉に共通する効果として、心と体の疲れを取るということが挙げられます。栄養バランスが偏るため、多くの量は与えられませんが、少し意識してタイミング良く与えることで、肉の持つ力を愛犬が吸収できれば、ただのおやつ以上の効果をもたらしてくれそうです。これらの肉類は簡単に手に入るものです。効率的に活用して、健康管理に役立ちそうです。
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